療養費柔整師(接骨院・整骨院)の施術を受けたとき

整骨院・接骨院で施術を受けた場合に健康保険組合に請求される柔道整復師の療養費は、医科と比較し、健康保険の使える範囲の誤解があることなどから、誤った受療が多く行われています。
柔道整復師は国家資格ですが、医師の資格ではありませんので、健康保険が使える症状は限定されています。

整骨院・接骨院で健康保険が使えるとき

健康保険が使えるのは、外傷性の捻挫・打撲(肉離れ等)・骨折・脱臼だけで、骨折や脱臼については医師の同意が必要です。応急処置など止むを得ない場合には、医師の同意がなくても施術が受けられますが、応急手当後の施術には、医師の同意が必要です。

次のような場合は整骨院・接骨院で健康保険が使えません!(全額自己負担になります)

  • 単なる(疲労性・慢性的な要因からくる)肩こりや筋肉疲労
  • 脳疾患後遺症などの慢性病や症状の改善のみられない長期の施術
  • 保険医療機関(病院、診療所など)で同じ負傷等の治療中のもの
  • 労災保険が適用となる仕事中や通勤途上での負傷
  • 医師の同意のない骨折や脱臼の施術(応急処置を除く)

柔道整復師にかかるときは

  • 負傷原因を正確に伝えましょう。
    外傷性の負傷でない場合や、負傷原因が労働災害に該当する場合は健康保険は使えません。また、交通事故に該当する場合は、当健保への連絡が必要です。
  • 療養費支給申請書の負傷原因、負傷名、日数、金額をよく確認し、必ず自分で署名しましょう。
    「療養費支給申請書」は、受療者が柔道整復師に当健保への請求を委任するものです。白紙の用紙にサインするのは間違った請求につながる恐れがありますので注意してください。
  • 病院での治療との重複はできません
    同一の負傷について、同時期に整形外科の治療と柔道整復師の施術を重複して受けた場合、原則として柔道整復師の施術料は全額自己負担となります。

    ※施術が長期にわたる場合、内科的要因も考えられますので、医師の診断を受けましょう。

患者ごとの償還払いへの変更について

厚生労働省の審議会で接骨院・整骨院での施術療養費(正式名称:柔道整復施術療養費)において、特定の患者に対し、保険者(健康保険組合)の裁量により、「受領委任払い」(※1)から「償還払い」(※2)へ支払い方法を変更できる仕組みが規定されました。

※1 患者が自己負担分のみを接骨院・整骨院に支払い、接骨院・整骨院が療養費(自己負担分以外の費用)を健康保険組合に請求する方法

※2 患者が接骨院・整骨院で全額を支払い、後から健康保険組合に療養費(自己負担分以外の費用)を請求して払い戻しを受ける方法

償還払いへの変更の対象となる特定の患者

①自己施術(柔道整復師による自身に対する施術)

②自家施術(柔道整復師の家族や施術所の従業員等に対する施術)

③健康保険組合が繰り返し患者照会を行っても回答しない患者

④複数の施術所(接骨院・整骨院)で同部位の施術を重複して受けている患者

対象となる方には事前に通知(書面)をし、その後の状況によっては、受領委任払いの取り扱いが停止されることがあります旨、ご承知置き願います。

特に、対象となる特定の患者に、③の「繰り返し患者照会を行っても回答しない患者」が含まれますので、患者照会には必ず回答されるようご留意ください。

患者照会にご回答いただけない場合等は「償還払い」に変更される場合があります