牛歩的写真中心網録”

伊豆半島ジオパークと道祖神を中心にアウトドア活動を、写真で記録しています

楽寿園のジオポイント

三島市楽寿園は三島ジオサイトの中で、もっとも重要なジオポイントです。最近、多くのジオガイドのガイドを聞く機会があったが、ネットなどでの様々な情報を元にした説明が多いようで、ジオポイントによっては混乱しているものもあるように感じました。自分でガイドしても疑問に感じる点が多いので、函南・三島エリアとして整理しようと考えています。
まずは、楽寿園内の溶岩・湧水ポイントを全てチェックしてみました。

楽寿園のマップ

(A),(B),(C),(D)を追記してあります

ジオポイント① ”小浜の森”の崩落した溶岩塚 (溶岩流の表面が冷却されて固まりかけても、内部には高温の溶岩流が流れてくるので、その圧力で表面は焼き餅のように膨れて割れ目ができます)ジオポイント① 少し高い所から溶岩塚の高まりを確認(30cm〜1mほどの4つの溶岩流の層が現れています)


ジオポイント① 溶岩塚の断面ジオポイント① 溶岩塚の断面


ジオポイント⑤ ”いこいの松”近くの一部崩落した溶岩塚ジオポイント② ”中門”手前の”溶岩塚”は公園造成で南半分が削られている。上部は植栽で覆われているので、溶岩塚の明瞭な特徴は見当たらない



  • 縄状溶岩

ジオポイント(A) ”小浜の森”入口付近の溶岩流には縄状溶岩らしきものがあるが明瞭ではないので、説明には使わないジオポイント① ”小浜の森”の溶岩塚の表面にある縄状溶岩は明瞭。但し、縄状溶岩が固まりかけた後に、奥側が新たな溶岩流で盛り上がったので、流れの向きが反対になっている


ジオポイント⑧ ”さぎの森”の小浜池側の歩道には、明瞭な縄状溶岩がふたつある斜面に流れてきた溶岩の表面が冷却されて固まりかけて、流れ落ちる力と溶岩の表面張力でいくつものネックレスのようにシワができます


ジオポイント(B) ”中門”を過ぎた”常盤の森”手前にも縄状溶岩があります。こちらも固まりかけた後に、左側が新たな溶岩流で持ち上げられたようです


  • 湧水

ジオポイント⑩ ”小浜池”の水位は、池の真ん中にある白い筒みたいな観測井戸で毎日測定しているそうですジオポイント⑩ 水位がプラスの時は、こちらの検尺で測定しているのか?


ジオポイント⑩ ”小浜池”と南の3つの瀬の間には、”小浜堤”がある。文化三年の絵図には堤は描かれていなくて、明治23年の絵図には描かれているので、この間に人工的に築かれたものです。

静岡新聞の[大地と生きる(6)三島楽寿園]に掲載された[小浜池が湧きでる仕組み]の図に、溶岩流の下の不透水層として”古富士火山の泥流層”とあるが、確証があるわけではなく、愛鷹山ローム層や箱根火山の火山岩類もあると言われている

ジオポイント⑩ ”小浜堤”から中の瀬に降りる階段の丸礫が御殿場泥流由来と言われているジオポイント⑩ ”せりの瀬”の中にも丸礫があるが、果たして御殿場泥流が小浜山の溶岩流を回り込んで、ここまで流れてきたかは確証が無い。近くから持ち込んだとも考えられる


ジオポイント(D) ”中の瀬”の中の石は、角があり気孔があるので三島溶岩と見られるジオポイント⑨ ”はやの瀬”の石も三島溶岩と見られる



  • 深池ジオポイント④

深池の成因には、①溶岩トンネルが崩落した、②水蒸気爆発などの説があるが、どちらも確証が無い。中央には池ができた後に流れてきたと見られる溶岩流が固まっている深池の底の左壁には小さな溶岩トンネルの天井部分が見える



  • その他

ジオポイント① ”小浜の森”の溶岩塚近くにあるコブのような溶岩流は何か?ジオポイント② ”中門”前の溶岩の右背面の矢穴が残るが、採石したものか?


駅北の工場で使用して冷却した湧水を蓮沼川と源兵衛川に還元している”はやの瀬”に現れているもパイプからも、還元した湧水を源兵衛川に流している


”さくら広場”からの歩道脇の溶岩の割れ目に、地下ではなく、横に根を張る4本のたくましい樹



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