『QWERTYハードキー搭載最終機？』 シャープ 03 WS020SH WILLCOM HZJ70さんのレビュー・評価

　評価基準してはPDA＋α（通信機能）とした。

・デザイン
　今までのウィルコムWindowsMobile機と比較して、洗練されたデザイン。
しかしコストダウンのためか、全体的に安っぽく感じられる。

・携帯性
　大きさは、クラムシェルタイプの携帯電話と大差ない。また重量も135gと軽量。
これはdocomoのHT-02A（Touch Diamond）より25g重いだけだ。QWERTYハードキー
搭載機種としては非常に優秀といっていい。

・ボタン操作
　ハードキーが側面に3個あるのみ。またボタン自体小さいため非常に押しにくい。
ショートカットの割り当てには工夫が必要。

・文字変換
　ATOKを別途インストール。ATOKに勝る日本語IMEはない。

・レスポンス
　Snapdragon搭載機が発売されて今となっては、レスポンスは良くない。しかし
それ以外のWindowsMobile機との比較なら平均的だろう。

・メニュー
　オリジナルのホームメニューは使用していない。Today画面も各自ユーザーが
カスタマイズしている場合が多いので、無評価。

・画面
　WVGA化の恩恵は想像していた以上に大きい。アプリケーションを起動しなくとも
Today画面に必要な情報をより多く表示させることが出来、満足。

・通話音質
　DDIポケット時代から使用しているが、特に変化はない。

・呼出音･音楽
　呼出音はデフォルトの黒電話を使用、音量も十分。ただし、イヤフォンを繋いで
DAPとして音楽を聴く場合、以前の機種では発生しなかったホワイトノイズが
無音時に聞こえる。DAP用途で使い勝手の良い機種だけに残念だ。

・バッテリー
　一日一回充電すれば、予備バッテリーの必要性は感じない。

・その他
　発売時期が近かったためか、何かとiPhoneと比較されることが多いが全くの別物。
iPhoneはDAPがベースになるため特別な知識がなくとも使えるが、この機種は
PDAそのもの（OSがClassicエディションであることからも自明）。それなりの
ユーザーでないと使いこなすのは難しい。
　また、他のレビューを見て感じたのは衝動買いしたとしか思えないユーザーの多さ。
デザインは概ね高評価だが、電話としての使いにくさと通信速度の遅さに不満が多く
見られる。
　この2点については、カタログを見た段階で判ることだ。前記の通り、OSはClassic
エディションで、PDA向けのOSに別途電話アプリを搭載している。通信速度に
至っては、4xパケットでも最大204kbpsに過ぎない。無論、理論値なので実測値は
もっと遅い。
　以上はカタログの仕様から全て読み取れることだ。この端末を使うには相応の情報
リテラシーが要求される。

・総評
　購入前に想像していたより、使い勝手の良い端末だと感じた。しかし不満もある。
まずワンセグ。WindowsMobile機を購入する層にとって、なくてもいい機能。しかも
感度が悪い。これならGPSを内蔵してくれた方が実用性は高かっただろう。
　また最近の日本メーカー製WindowsMobile機は、スタイラスを本体に収納出来なく
なっている。この機種の場合、ワンセグを内蔵しなければアンテナ部にスタイラスを
収納できるスペースが確保出来たはずだ。
　次期機種ではQWERTYハードキーが廃止されているため、購入することはない
だろう。今後スマートフォン端末が充実してくれば、ウィルコムの端末に固執する
必要もなくなる。
　まだ書き足りない部分もあるが、外部ストレージ（microSDカード）のホット
スワップが可能であったり、意外な所にこだわりを感じさせる端末である。