曽我部恵一バンド @ 恵比寿リキッドルーム

曽我部恵一バンド @ 恵比寿リキッドルーム - 曽我部恵一バンド曽我部恵一バンド
アルバム『キラキラ!』のリリース・ツアーのファイナル。ツアー初日の4月18日渋谷クラブクアトロも観たが、その時もすごかったけどそれ以上に、バンドとフロアの熱量が尋常じゃないライブだった。曲を作って歌っている人の状態、バンドの状態、曲そのものの状態、それらを受け止めるオーディエンスの状態、もうそのすべてがピークみたいな、とにかく「あっつい!」ライブだった。“天使”や“結婚しよう”や“キラキラ!”などのニュー・アルバムの曲たちが、“青春狂走曲”や“胸いっぱい”や“恋に落ちたら”のサニーデイ・サービス時代の名曲たちや、“Telephone Love”や“Love Sick”などのソロになってからの代表曲たちをしのぐ力を持っていて、そのようにフロアに受け入れられ、シンガロングを巻き起こしていくさまは圧巻だった、ほんとに。

で、サニーデイの曲と並列に演奏されたので改めて実感したんだけど、何がすごいって、『キラキラ!』の曲たちって、これまででもっとも「誰でも書けそう」なところ。サニーデイの頃の曲にあった文学的な歌詞や、いかにも曽我部にしか書けないメロディ、ほんとにない。“チワワちゃん”のメロディなんて即興みたいだし、歌詞はただの日記だし、“キラキラ!”なんて昔懐かしい青春パンクみたいだし、“魔法のバスに乗って”は、ジャパンのインタヴューで曽我部本人も認めていたが、今、巷に溢れる歌物ヒップホップみたいだ。なのに、どの曲も、最高で最強なのだ。なんなんだ。わからん、なんでこんなことができるのか。ただ、はっきりわかるのは、「一生懸命がんばってきたらこうなった」とかじゃなくて、ここ数年間の曽我部は、明らかにこれを実現するために、いろいろ考えて努力して工夫して戦略立てて、そして実行に移してきたんだなあ、ということ。

キャリアを重ねれば重ねるほど超単純な歌詞と曲しかやらない方向にどんどん進んで現在に至っている、ヒロト&マーシーとなんか重なるものがある、今の曽我部バンドは。お客さんが増えると同時に若返っているとこも重なるものがある。

ROSE RECORDS設立以降の曽我部の、そして曽我部恵一バンド結成以降の、ひとつのゴールと言える日だったと思う。(兵庫慎司)

1.恋人たちのロック 
2.トーキョー・ストーリー 
3. 天使
4.結婚しよう
5.キラキラ!
6.海の向こうで
7.海とオートバイ
8.5月になると彼女は
9.有名になりたい
10.ジュークボックス・ブルース
11.ハルコROCK 
12.チワワちゃん 
13.TELEPHONE LOVE 
14.スウィング時代 
15.サニー(新曲)
16.ハピネス(新曲)
17.まちぼうけ 
18.街角のうた 
19.あたらしいうた 
20.シモーヌ 
21.胸いっぱい 
22.LOVE-SICK 
23.青春狂走曲 
24.魔法のバスに乗って 

アンコール
25.恋におちたら
26.STARS

アンコール2
27.mellow mind
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