バリアフリーな表示

バリアフリーというと、段差が少ない建物や乗物が思い浮かびますが、食品の表示にもバリアフリーがあるのを知っていますか?

そのひとつが牛乳パックの「切欠き」です。牛乳パックの上部に半月型の切欠きを入れることで、視覚障害者や高齢者はその部分を触り、牛乳とそのほかの飲料を区別することができます。



写真. 左上にポコっと半月型の切欠きが・・


この切欠きは、農林水産省JAS「加工食品品質表示基準」により、位置や大きさが定められており、牛乳以外への適用は禁止されています(加工乳や乳飲料もNG)。
ただし牛乳パックには必ず切欠きを入れなければならないということではありません。しかし、2001年より業界全体で実施が推進されており、現在切欠きを入れている乳業メーカーは多いようです。
また、この切欠きは牛乳パックの注ぎ口の反対側に付けられるため、注ぎ口が分かりやすくなるというメリットもあります。このことは視覚障害者や高齢者のみならず、あらゆる消費者にとって便利なことかもしれません。


他にも、日本工業標準調査会によるJIS規格の高齢者・障害者配慮設計指針(S0021)には、バリアフリーのためのいくつかの例が記載されています。JIS規格はあくまで指針ですが、こうした表示などの容器・包装の工夫は商品の付加価値にもなり、実践しているメーカーは多いようです。

例えば・・
缶のアルコール飲料のプルタブの近くに点の凹凸があるのを見たことがありますか?



写真. ジュースの缶には凹凸はついていません


この凹凸は、点字で「おさけ」という意味で、未成年やアルコールが飲めない視覚障害者が間違って飲んでしまうことを防ぎます。

また、表示以外でも、開封しやすいパッケージや滑りにくい容器、握りやすいようにくびれのあるペットボトルなど・・あらゆる人が簡単に商品を扱えるようにする工夫には様々なものがあります。