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イギリス料理 その特徴やおもな料理の解説

シェアダイン編集部
作成日:2022/08/15
更新日:2022/11/30
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目次

「イギリス料理は不味い」と、一度は耳にします。しかし、食べたことがない人にとっては、どれだけ不味いのか、どのような料理が食べられているのか、そもそも本当に不味いのだろうかなど、疑問や興味をお持ちになるのではないかと思います。
 
この記事では、イギリス料理の特徴や食文化と歴史の関係性、国民的な食べ物、飲み物について知ることで、なぜ不味いと言われているのかも解決し、一度は食べてみたくなる料理も見つかるかと思います。
 
この記事で解説するのは、以下の項目についてです。

  • イギリス料理の特徴
  • イギリスの歴史と食文化
  • イギリス料理によく使われている食材
  • イギリスの国民的な食べ物と飲み物

 
 

イギリス料理の特徴

イギリス料理の特徴は、簡素な味付けの家庭料理です。茹でる、焼くだけなど、時間をかけないシンプルな調理で、薄味が特徴です。
食べる人が自分の好みに合わせて、塩や胡椒などのスパイスで味を付けて食べる習慣が伝統としてあります。
その上で、スパイスが貴重とされた時代に、好きなだけ使えるようにと、あえて薄味で提供することが、最上級のおもてなしとされていたという説もあるようです。
 
また、過剰な調理方法にも特徴があります。野菜を茹ですぎる、肉も焼きすぎて固くなるなど、必要以上に調理をする傾向にあるので食感も悪くなり、味の薄さも相まって、イギリス料理は不味いと言われる要因に繋がっているようです。
 
 

イギリスの歴史と食文化

イギリスの食文化に関わる歴史的背景には、18世紀に始まった産業革命によるものが大きく関わっています。労働環境や生活環境は大変過酷なもので、女性や子供までもが労働に従事せねばならず、調理に時間や手間をかける余裕もありませんでした。そのため、手の込んだ料理よりも、安くて満腹になることが重視されはじめたのです。
当時は衛生面においても劣悪な環境に置かれていたので、過剰に加熱して殺菌する調理法が普及していきました。
 
また、平日は質素な食事で済ませて、週末には家族や友人達と、少し豪華な食事をゆっくり楽しむ習慣があります。イエスが十字架にかけられた金曜日には、肉を節制して魚を食べる日と定着しており、日曜日のランチは、サンデーローストと呼ばれる肉を食べる日となっています。
イギリス料理は、過去の歴史的背景により、衛生面に配慮しながらも、時間や手間をかけない調理法でお腹を満たすことを優先としてきました。
平日は手間をかけず質素な食事ですが、金曜日と日曜日は家で食べることもあれば、パブなどに出かけて楽しむ習慣も、イギリスの食文化になっています。
 

イギリス料理によく使われている食材紹介

ジャガイモ

70種類以上の品種が栽培されており、安くて栄養価もあり、イギリス料理に欠かせない食材です。主食のように食べられ、大抵の料理には、マッシュポテトやフライドポテトなどが添えられています。
 

グリーンピース

マッシュピーと呼ばれるグリーンピースを潰したものが、よくフィッシュ&チップスの付け合わせに使われています。
 

チーズ

国の約半分が牧草地のため、乳製品も豊富で、チーズも700を超える種類があり、世界三大ブルーチーズの一つのスティルトンとチェダーチーズは、イギリスの代表的なチーズです。
 

イギリスの国民的な食べ物と飲み物を解説

定番「フィッシュ&チップス」

イギリスでの魚料理といえば、白身魚を揚げてフライドポテトを添えた、フィッシュ&チップスです。街にはテイクアウトのお店もあり、金曜日には魚を食べる習慣もあることから定番メニューとなっています。
ケチャップやモルトビネガーと呼ばれる酸味の強いお酢をかけるなどして食べます。

豪華朝食「フル・イングリッシュ」

休日に食べる朝食で、「トースト」「目玉焼き」「ソーセージ」「ブラッド・プディング」「トマト」などが添えられた豪華な朝食と言われています。
伝統的な朝食ですが、家庭で食べるより、カフェや食堂など外で食べられることが多いです。
 

伝統料理「ローストビーフ」

イギリスを代表とする伝統的な料理で、牛肉の塊肉をオーブンなどでローストし、食べる前に薄く切り分けて、野菜と一緒にグレイビーソースをかけて食べます。肉を食べる日曜日の、サンデーローストにも登場する人気の料理です。
 

国民飲料「紅茶」

イギリスは紅茶の国と呼ばれ、平均1日4~5杯は飲むと言われるほどよく飲まれています。イギリスの水質は硬水なので、完全発酵の紅茶の場合は、見た目は濃い色になりますが、硬水のミネラルのおかげで、とてもまろやかでコクのある味になります。また、イギリスの牛乳は濃厚かつ、まろやかでミクルティ-に合います。寒い冬には、紅茶は体を温める効果もあるので、ぴったりの飲み物といえます。アフタヌーンティーの習慣があるイギリスでは、紅茶とスコーンとクロテッドクリームの組み合わせは「クリームティー」と呼ばれ親しまれています。
 

伝統的なお酒「シードル」

シードルはリンゴを発酵させたお酒で、イギリスではサイダーと呼び、パブでもよく飲まれている伝統的なお酒です。
クリアなものからオレンジがかったものなど彩りも綺麗で、度数も3~5%と、さほど高くないのも特徴で、ワインのようにポリフェノールも多く含まれています。
爽やかで軽い飲み口が料理にも合うと評判で、フィッシュ&チップスなどとも一緒に楽しまれているお酒です。
 

まとめ

イギリス料理の特徴は、シンプルな調理方法で簡素な味付けの家庭料理です。料理に時間とお金をかけるのは無駄という考えもあることから、簡単に調理が済み、お腹を満たすことを重視しています。
 
イギリス料理が不味いと言われてしまうのも、過去の歴史と生活習慣から続いてきた調理法にあります。外国人からすると、初めに口にした時の食感や、薄味の物足りなさにより、不味いと感じてしまうのではないでしょうか。
 
しかし、現在では2012年に開催されたロンドンオリンピックをきっかけに、おいしい食事を提供するお店も増えてきているそうです。
 
イギリスへ行かれる際は、噂どおり本当に不味いのか?を、検証してみるのも楽しみの1つになると思います。

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