和布刈神社の行事

和布刈神事


 毎年旧暦の元旦深夜に、関門海峡の両岸で和布刈神事が行われる。門司側は和布刈神社(創建:仲哀天皇9年)、下関側は住吉神社(創建:神功皇后)が執り行う。神官が松明持ちと共に寒風吹き荒れる潮流の中に入り、万物に先駆け萌え出るワカメを刈って神前に供える。神事は秘祭とされ、非公開であった。和布刈神社は、第二次世界大戦後一般公開されようになったが、住吉神社はいまだに秘儀主義を守っている。両神社は、神功皇后伝承にゆかりの神社である。神功皇后は、古事記・日本書記に詳しく記されている皇后で、第十四代の仲哀天皇の御妃である。神事の由来も、皇后が三韓征伐からの凱旋を祝って自ら神主となり早鞆瀬戸のワカメを刈って神前に捧げたという古事によるとか、海部の神安雲の磯良が、神功皇后に満干の珠を献上した故事によるなど、いずれも神功皇后にまつわる話として伝えられている。和布刈神社に祀る彦火火出見尊は、「海幸山幸」に由来する神。社記に、「海幸・山幸」の神話伝説がある。彦火火出見尊は、兄神の火闌降尊(海神)から借りた釣針を探しに竜宮に行き、満干の珠を授かって帰り、兄神から隼人族の長としての政を受けついたといわれる。ワカメを刈って神前に供えてお祭りをするのは、この時から続いたならわしであるという。現在、神事は海峡の安全と家内安全祈願として執り行われ、関門海峡の風物詩として今日まで約1,300年以上も続いている。雛祭りの頃、和布刈神社の「人形供養祭」と赤間神宮の「平家雛流し」がある。

和布刈神事 平成26年~28年(平成26年に湯立神楽奉納10年ぶりに復活)

春季例祭(神相撲)と人形供養祭