Ardour
Ardourはマルチトラック録音のために設計された豊富な機能を持つアプリケーションです。
要件とインストール
前提知識
Ardourのユーザインタフェースは他のDAWに似ています。もしあなたがDAWを使ったことがなければ、sect-Musicians_Guide-DAW_User_Interfaceを読むことをお勧めします。
ソフトウエア要件
ArdourはJACK Audio Connection Kitを使います。 Ardourをインストールする前に、JACKをインストール下さい。JACKをインストールするには、sect-Musicians_Guide-Install_and_Configure_JACKの手順に従ってください。
ハードウエア要件
Ardourを使うには、オーディオインタフェースが必要です。Ardourでオーディオを録音するには、オーディオインタフェースに接続されたマイクが少なくても1つ必要です。FluidSynthや SuperColliderのような、JACK対応プログラムからのオーディオ信号を録音するには、マイクは必要ありません。
インストール
PackageKitあるいはKPackageKitを使って ardourパッケージをインストールします。他の必要なソフトウエアは自動的にインストールされます。
セッションを録音する
セッションの録音は通常は全部、一度に行われます。しかし、ときには録音は何日あるいは何週間にもわたって行われることがあります。ミキシングとマスタリングは、セッションが録音された後で行われます。セッションをオープンする時に、毎回、JACKのサンプルレートとサンプルフォーマットの設定は同じでなければいけないことに注意下さい。
Ardourを実行する
ArdourはJACKサウンドサーバを使います。Ardourの前にQjackCtlを使ってJACKを開始してください。あるいはArdourはJACK をあなたの代わりに開始します。
Ardourは新しいセッションを保存する場所を選択するように聞いてきます。Ardourはセッションのファイルを保存するディレクトリを自動的に作成します。既存のセッションを開くこともできます。
インタフェース
このセクションはArdourに特有のいくつかのグラフィカルインタフェースコンポーネントを説明します。ほとんどのDAWで同じように使われるコンポーネントは、sect-Musicians_Guide-DAW_Interface_Vocabularyで説明されています。
Ardourインタフェース
Ardourインタフェースに固有の3つのグラフィカルインタフェースコンポーネント。
エディタミキサー
セッションサイドバー
メインツールバー
ardour_interface_overviewは、Ardourインタフェースに固有の3つのグラフィカルインタフェースを説明します。エディタミキサー、セッションサイドバー、そしてメインツールバーです。
Ardourエディタミキサー
Ardourエディタミキサーパネル
フェーダー
フェーダーコントロール
フェーダーレベルメーター
パンナー
出力コネクションボタン
ardour_interface_editor_mixerは、Ardourメインウインドウの左にあるエディタミキサーを示します。エディタミキサーは、一度に1つだけのミキサーストリップを表示します。ミキサーストリップの中間にフェーダーとそのコントロール、一番下にパンナーとそのコントロール、そしてCommentsと出力コネクションボタンがあります。
Ardourセッションサイドバー
Ardourセッションサイドバー。
タブストリップ
リージョンリスト
ardour_interface_session_sidebarは、Ardourのメインウインドウの右にあるセッションサイドバーです。この図では、Regionsタブが選択されているので、サイドバーには、現在セッションにあるリージョンのリストが表示されています。青いものは直接インポートされたもの、白いものは青いリージョンから作成されたもの、そしていくつかの青いリージョンの左にある矢印はこれらの青いリージョンに対応する白いサブリージョンがあることを示します。
メインArdourツールバー
メインArdourツールバー。
ツール選択ボタン
select/edit objectボタン
select/edit rangeボタン
snap mode
grid mode
edit point
ardour_interface_toolbarは、メインツールバーです。それはトランスポートコントロールの下、タイムラインとそのルーラーの上にあります。ツールバーの中間には、3つのラベルの付いていない、しかしとても役に立つ複数選択可能なメニューがあります:snap modeメニュー(現在、No Gridです)。grid modeメニュー(現在、Barsです)。そしてedit pointメニュー(現在、Mouseです)。これらメニューの左には、ツール選択ボタンがあり、その中で重要なのは、最も左にある2つ、select/edit objectとselect/edit rangeボタンです。
タイムラインを設定する
メインArdourウインドウの一番上、トランスポートツールバーの右に、2つの比較的大きな時計があります。表示を変えるには、右クリックします。
Bars:Beatsは、小節と拍子を表示します。
Minutes:Secondsはトラック先頭からの時間を示します。
Timecodeはフレーム/秒のタイムコード(通常、フィルムの作業をするときに使われます)を示します。
Samplesは開始からのサンプル数を表示します。
2つの時計が不要なら、片方を止めることができます。
snap modeメニューはタイムラインと時計の間にあります。このメニューはリージョンが移動できるところを制御します。あなたは現在のアクティビティによっては、セッションの作業をしているときにこれを変更する必要があるかもしれません。左のメニューには:
No Grid: リージョンは自由にどこへでも移動できます。
Grid: リージョンは直近のグリッド点から開始しないといけません。
Magneticリージョンは自由に動けますが、グリッド点の近くに来ると、それに自動的にくっつきます。
中間のメニューはグリッド線をどこに置くかを制御します。タイムコード、時計の時刻、拍子と小節、あるいはリージョンごとに置く、のいずれかです。
タイムライン(そこには多くの、異なる時刻をマークする目盛りを示すルーラーがあります)は、キャンバスエリアの最上位、ツールバーの下にあります。右クリックメニューを使って、表示したいルーラーを選びます。使うルーラーは、時計の設定とスナップモードに依存します。
オーディオソースをArdourにつなぐ
そこに録音したいトラックの名前は、JACKでの入力の名前と同じであるべきです。
バスとトラックを設定する
バスの一般的な説明はsect-Musicians_Guide-Vocabulary-Busを参照下さい。デフォルトではArdourの出力はすべてマスターバスに行きます。バスはリージョンを含みませんが、とりまとめのための領域としてはたらき、それを使ってあなたはプロジェクト全体をあるフィルタにかけたり、ボリューム調整をしたりすることができます。
録音のためにトラックを追加する
TrackAdd Track/Busを選択します。
Tracksが選択されていることを確認下さい。
番号を設定します。(たぶん1でしょう)。
入力チャネル数を選択します。(たぶんStereoつまり2でしょう)
モードを選択します:
Normal:それぞれの録音テイクごとに新しいリージョンを作ります。
Tape: 何かが既に録音されていてもその上に、破壊的に録音します。(テープのように)
Addをクリックして、トラックを作成します。
見分けがつくように、トラックの名前を変えます。
トラックエリアの一番左の、今あるトラック名ラベルをクリックします。
今の名前の上にタイプします。
Enterを押します。
録音レベル(ボリューム)を調整する
録音の前に、入力レベルを正しく設定することは重要です。
オーディオ機器の性質として、それは限られた範囲の音の圧力(ボリュームとして表される)だけを受け付けることができるということです。もし音が小さすぎるときは、聞き取れません。もし大きすぎるときは正しく聞き取れません。さらに、あなたの自分の耳のために最も大切なことですが、もし音がとても大きすぎるときは、オーディオ機器を永久に壊してしまうことがあります。
デジタルオーディオの性質として、何かが録音できるボリュームレベルはきちんと決まっているということです。音がその範囲の下だったり上だったりしたときには、正しく録音されません。そのような、不適当に録音された音を再生したとき、小さすぎるときも大きすぎるときも、人は普通それを'ただのノイズ'として知覚します。
Ardourが静寂を録音すると、それは、入力が何もないときと同じにふるまいます。Ardourがオーディオの部分が大きすぎるためにひずんでいると計算したときは、ardour_red_peaksで示すように、波形を赤色でふちどります。
大きすぎるオーディオ
Ardourの波形。オーディオが大きすぎるとき、赤いピークを示す。
オーディオ信号の入力レベルを変更するには、3つの単純のやりかたがあります:
マイクを音源から離す、あるいは近づける。
マイクが、オーディオインタフェースにつながる前に、ミキサーを通す。
オーディオが録音される前に、Ardourのバスを通す。
それらのアプローチの利点と欠点は以下です:
マイクを動かしたり、ハードウエアミキサーを通すことが、現実的でない、不可能である、あるいはお勧めできない状況があるでしょうから、そういうときは入力信号が録音される前にArdourのバスを使って信号のボリュームを変えるのがよいでしょう。
TrackAdd Track/Busを選択します。
ポップアップしたウインドウで、'busses'を選択します。
追加したいバスの数を選択します。録音中にボリュームを調整したいトラックに1つづつ、バスが必要です。異なるいくつかのボリュームで録音することもできます。
バスで必要なチャネルの数を入れます。
新しいバスができたら、その名前を変えます。バスを、出力のためでなくて録音のために使っていることがわかる、'REC-Bus'のような名前をつけることをお勧めします。
Ardourは、オーディオが出力されるとき、使われる自動的にバスを設定します。さらに、ボリューム/レベルコントロールは、トラックあるいはバスから出力されるオーディオに対してしかはたらきません。これが、あなたがトラックの入力ボリュームを調整するのにトラックのボリューム/レベルコントロールを使えない理由です。
QjackCtlを使って、このように再接続します。(ヘルプは、sect-Musicians_Guide-Ardour-Recording-Routing_Audioを参照下さい。):
録音に使いたいバス('recording bus')のすべての入出力接続を切断します。
録音したいトラック('recording track')の入力には何も接続されていないことを確認下さい。
マイク(入力音源)を録音バスの入力につなぎます。
入力バスの出力を録音トラックの入力につなぎます。
録音トラックの出力が'master'入力(これはマスター出力バスで、すべてのプロジェクトで存在するはずです。すべてのオーディオ出力はそこを通るはずです。)に接続されていることを確認下さい。
注意:この目的のためにバスを通せるのは、ただ1つの録音されるトラックだけです。バスはオーディオの1つのストリームしか出力できないからです。
以下は、トラックの録音ボリュームが正しく設定されているかをテストするアルゴリズムです。これは、トラックを録音準備する前に行わなければいけません。不幸なことに、最適の入力レベルを選択したかどうかは、リージョンが録音された後でないとわかりません。良い入力レベルを安定して選択できるようになるためには本能と経験の両方が必要です。
必要に応じてすべてのマイクを設定します。
必要に応じてJACKの接続を設定します。
必要に応じて録音バス(前記を参照)を設定します。
録音されるオーディオトラックで、'metering point'を'input'に設定します。(やり方は以下を見てください。)
演奏者に、セッションで演奏する最も大きな音のパッセージをやってもらいます。入力レベルを調整して、最大レベルが-3 dBから-6 dBの間に来るようにします(ここを見ることで)。maximum-level-seerをクリックしてリセットすることができます。
演奏者に、セッションで演奏する最も静かなパッセージをやってもらいます。入力レベルを調整して、これが-40 dB以下にならないようにします。-30 dBから-20 dBの間にあるのがよいでしょう。
演奏者に、セッションで演奏する平均的なパッセージをやってもらいます。これは、前の2つのチェックよりは重要ではありません。しかし、ほとんどの演奏が静かであれば、より詳細をとらえることができるように、より高い入力レベルというリスクをおかすのも価値があるかもしれません。いずれにしても、'ほどほどの'ボリュームレベルが得られて、入力レベルの値は-20 dBから-10 dBであるべきです。
あなたが録音しようとするグループの種類と、それをするのに使われるソフトウエアと機器についてより経験をつんだならば、毎回このレベルチェックをする必要はないかもしれません。しかし、後悔するよりは安全をめざすのはよいことで、一度、音楽の時間が過ぎ去ってしまったらそれを再作成することができないのですから。
リージョンを録音する
順々にセッションを録音するとき、少なくとも1つのリージョンを作成することになります。なお、オーディオは、デフォルトでは'audition'出力に流れることに注意下さい。(ヘッドホンを使うこと。)
入力とタイムラインとトラックが正しく設定されているのを確認下さい。
エディタウインドウの左に何もないときは、Ctrl+Eを押すか、'View > Show Editor Mixer'を選択します。
そこに録音しようとするトラックを選択します。
メーターを'input'にして、それが正しく動き、正しいものに接続されているか確かめてください。(これで何が起きるか、あなたはなぜそれを今したいのか、言ってごらんなさい。)
以下の'録音ボリュームを調整する'を見て、今、そのとおりにしなさい。
トラックを録音準備します:左のトラックのミキサーで'Record'を押すか、トラック自身の上にある小さい赤い録音ボタンを押します。
ボタンは、トラックが録音準備されたことを示すために、点灯したままとなります。
トランスポートの大きい赤い録音ボタンを選択して、Ardourを録音準備します。
トランスポートを、通常のやりかたで開始します(大きい再生ボタン)。
録音が終わったら、大きい停止ボタンでトランスポートを止めます。
トランスポートを開始、停止、するたびに、新しい'リージョン'が作成されます。
トランスポートを止めるたびに、Ardourは、自分を'録音準備を解除'します。しかし、あなたが選択したトラックはすべて、録音準備されたままです。
リージョンを録音し終わったら、インタフェースの右の'Regions'の箱のようなものを使って、リージョンの名前を変えます。
あなたが録音したばかりのリージョンを探します。(デフォルトではそれは、'Audio 1-1'のように名前がついています。それは、録音トラックの名前と、ハイフン、そして'テイク'を示す昇順の通番です。)それを選択します。
タイトルをクリックすると、箱が現れます。
名前を、好きなように変えます。
エンターを押して、名前の編集を終わります。
続けて録音する
1つのリージョンを録音した後、あなたはまだほしいものを全部持っていないでしょう。録音を続けるには多くの方法があり、何がまだ録音されていないかに依存します。
同じセッションを続ける
この機能は、例えば、セッションを録音していて、10分の休みを入れようとしたときなどに、必要となるでしょう。これは、既に録音を始めたセッションを、続けて録音するというすべての状況で使われます。
トランスポートをあなたが既に録音したところの少し後ろに移動します。これを行うには、トランスポートの、forward/reverseとplay/stopボタンを使うか、タイムラインの中でトランスポートを移動したい箇所を探して、そのあたりを左クリックします。
コネクションとレベルが正しく設定されていることを確認下さい。
録音するトラックが録音準備されていることを確認下さい。
トランスポートを録音準備します。
録音の準備ができたら、トランスポートを開始します。
既に録音されているものにパートを追加で録音する
スタジオ録音でよく使われるテクニックでは、本来一緒に演奏されるパートを別々に録音して、後で一緒に聞こえるようにするというものです。(以下の、'セッションを準備する'を参照下さい。)例えば、1人のトランペット演奏者が、2つのトランペットのために書かれた曲の両方のソロパートを録音したいとします。オーケストラをスタジオに持ってきて、トランペットのソロを除いた完全な曲を演奏するとしましょう。Ardourはそれを、1つのトラックに録音します。そして、トランペットソリストがスタジオに行って、Ardourを使って、以前に録音されたオーケストラのトラックを聞きながら同時に、トランペットのソロパートの1つを演奏し、それは別のトラックに録音されます。翌日、奏者はスタジオに戻って、Ardourを使って、以前に録音されたオーケストラのトラックと、以前に録音されたトランペットソロのパートを聞きながら同時に、トランペットのもうひとつのソロパートを演奏し、それは3つめのトラックに録音されます。録音技術者はAudacityのミキシングと編集の機能を使って、トランペット演奏者が、オーケストラと一緒に、両方のソロパートを演奏したように聞こえるようにします。
別々に録音されたトラックの間で、音楽家たちのタイミングを調和させるのは困難なことです。'クリックトラック'とは、目的のテンポに合わせた一定のクリックノイズが入っているトラックです。録音をする音楽家、あるいは他の人をリードする音楽家は、ヘッドホンで、クリックトラックを聞きます。クリックトラックは、ファイナルミックスには含まれません。
これをやるには:
最初のパートを録音します。パートを録音する順序は録音技術者(つまりあなたです)が決めます。最もたくさん演奏する人か、最もリズム的に一貫したパートを演奏する人を先に録音するのがたぶん、より簡単でしょう。
次に録音するトラックを追加します。
新しいトラックの接続を設定します。
新しいトラックの音が大きすぎたり小さすぎたりしないように、レベルチェックをします。
新しいトラックを録音し始めるパッセージの最初にトランスポートを位置づけます。トラックの開始点をそれほど厳密に決める必要はありません。後から変えられるからです。次の演奏者が、トランスポートが開始してから、彼らがどこから、どんなテンポで入ればいいのかわかるように、十分、聞き取る時間が取れることを確認下さい。
演奏者(あるいは、指揮/リードする人)が今までに録音されたものを聴くことができる手段を準備する必要があります。ヘッドホンを使うのがよいかもしれません。
録音したいトラックを録音準備します。既に録音されたトラックはもはや録音準備されていないことを確認下さい。特に、'テープモード'のときは大変です。
録音の準備ができたら、トランスポートを開始します。
既に録音されたもののよりよい録音をする
既に、セッションのすべてあるいはほとんどを録音し終わっていても、なんらかの問題を'解決'するためにセッションの *部分*を再録音することができます。Ardourでは、最初のテイクをこわさずに、今あるトラックの上に録音して、新しく録音したリージョンをその上にかぶせることができます。後で、録音の出力が、リージョン/テイクの間で切り替わる正確なポイントを決めれば良いのです。
セッションを録音する
いま録音しようとするリージョンの接続とレベルが、最初に録音したものと同じであることを確認下さい。
トランスポートの位置を決めます。入れ替えたいセグメントの前の場所を選びます。演奏者は入れ替えるセクションの前から演奏を開始する必要があるでしょう。彼らがテンポをつかんで、グルーブを得て、そして入れ替えが必要な部分の*ずっと前から*演奏を開始できるように、あなたは十分に間隔をとる必要があります。
タイムラインの中で、クリックして、トランスポートを移動します。
正しいトラックが録音準備されていることを確認下さい。
トランスポートを開始して、音楽の改訂版のセクションを録音します。
いずれ、必要なものの録音が全部終わって、ミキシングと編集に進むときが来ます。
オーディオのルーティングとJACK接続の管理
Ardourは、セッションを保存するときに、自動的にJACK接続の状態を保存します。
Ardourは、ステレオ設定(2チャンネル)で、以下の出力ポートを提供します:
'track_name/out 1'と'track_name/out 2'という名前の1トラックあたり2つのチャネル。これらは、通常、マスターバスあるいは、サブミキシングバスが使われているときはそこに接続されます。
'bus_name/out 1'と'bus_name/out 2'という名前の1バスあたり2つのチャネル。これらは、2レベルのサブミキシングバスが使われているとき以外は、通常、マスターバスに接続されます。
'auditioner/out 1'と呼ばれる、試聴者のための2つのチャネル。これは、リージョンを試聴するときに使われるチャネルです。例えば、リージョンをインポートするとき、あるいは、右側の'Regions'ボックスで右クリックして'Audition'を選択したときに使われます。これらはマスターバスに接続されてはいけません。あなたがリージョンを試聴するときに使う出力デバイスに接続してください。
'click/out 1'と呼ばれるクリックトラックのための2つのチャネル。録音の時にクリックトラックを演奏するのに使われるチャネルです。これらはマスターバスに接続されてはいけません。クリックトラックに使う出力デバイスに接続してください。
'master/out 1'と呼ばれる、マスターバスのための2つのチャネル。マスター出力バスにより使われる出力です。これらは、トランスポートが動くときにあなたがセッションを聞くために使う出力デバイスに接続してください。
Ardourは、ステレオ設定(2チャンネル)で、以下の入力ポートを提供します:
'track_name/in 1'と'track_name/in 2'という名前の1トラックあたり2つのチャネル。これらは、どちらも同じ入力デバイスにつないでください。録音バスを使っているときは、そのバスにつないでください。
'bus_name/in 1'と'bus_name/in 2'という名前の1バスあたり2つのチャネル。これらは、あなたがミックスしたいチャネルを全部つなぎます。録音バスを使っているときは、これらは同じ入力デバイスにつないでください。
'master/in 1'と呼ばれる、マスターバスのための2つのチャネル。マスターバスにより使われる入力です。これらは、すべてのトラックにつないでください。もし、サブバスミキシングを使っているときは、すべてのトラックは、マスターバスの入力に、直接か、そうでなければサブバスを経由してつながっていなくてはいけません。
ほとんどの状況で、Ardourはチャネルの接続を自動的に正しく設定します。Ardourの中から、接続を変える方法はありますが、できることは限られます。このため、ユーザがQjackCtlを使って接続をモニタすることをお勧めします。QjackCtlを使えば、JACKのその他の多くの機能もモニタ、変更することができるからです。
Ardourを使う人たちにとって、正しい接続の仕方を学ぶことは貴重な技です。ArdourがJACKをその内部と外部の接続のために使っているという事実のために、以下の技が可能です。以前お話しした録音バス(音源の入力レベルを調整する)、左と右のオーディオチャネルをひっくり返す、そして多くの入力チャネルをまとめて、マルチチャネルオーディオ出力を作成する、などです。他にも技があることは疑うべくもありません。
既存のオーディオをインポートする
オーディオを録音すると、Ardourは自動的にそれをディスクに保存して、そのファイルのプログラムでの表現を'リージョン'として追加します。既存のオーディオファイルをリージョンとして使うこともでき、それはどのトラックにも付け加えることができます。
既存のオーディオファイルをインポートするには:
インタフェースの右側にあるパネルの'regions'部分をクリックします。
箱のどこかを右クリックします。
'Import to Region List'を選択します。
'Add existing audio'ウインドウが開きます。
加えるオーディオファイルを選択するのに、3つの異なるタブを使います:
'Browse Files'(ファイルをブラウズします)(ここで扱われています)
'Search Tags'(タグを探します)
'Search Freesound' (フリーサウンドを探します)
'Browse Files'を使って、加えたいサウンドの場所に行きます。FLACのようなファイル形式がサポートされていますが、WAVあるいはAIFFファイルがたぶん、一番よいでしょう。
ウインドウの右側に、オーディオファイルのいろいろな情報が表示されます。ウインドウのこの部分でそのファイルをインポートする前に、'試聴'することもできます。つまり、あなたは自分の現在のプロジェクトに影響を与えることなく、ウインドウの'Play'と'Stop'ボタンを使ってそれを聞くことができます。
もし、選択したファイルが、今のプロジェクトと異なるサンプルレートを持っている場合、そのサンプルレートは赤色でハイライト表示されます。それでも選択してインポートすることはできます。そのときArdourは再び警告を出します。今のプロジェクトと異なるサンプルレートのファイルをインポートした場合、それはプロジェクトのサンプルレートで演奏されるので、間違った速度と音程になります。
ウインドウの下には、他の多くのオプションが表示されています。
ファイルを追加するとき、以下の選択があります:
'as new tracks'の場合、それぞれのファイルはそれ専用のトラックに入り、ノーマルモードに設定され、リージョンリストに加わります。
'as new tape tracks'の場合、それぞれのファイルはそれ専用のトラックに入り、テープモードに設定され、リージョンリストに加わります。
'to region list'の場合、それぞれのファイルはリージョンリストに入りますが、自動的にどれかのトラックに入ることはありません。
自動的にトラックを作成するように選択した場合、Ardourは、トランスポートの現在の位置から始まるリージョンを新しいトラックに加えます。
このリストの他のオプションは、説明はいらないと思います。通常、最高の品質で変換をするのがよいです。なぜならば、品質は後からいつでも(スペースを節約するために)落とすことができるからです。
もしトラックを自動的に作成しない選択をした場合、あなたはインポートしたリージョンをセッションで演奏する前にそれをトラックに加えなければいけません。これを行うのは簡単で、右にある'Regions'ボックスからそのリージョンを選んで、トラックにドラッグすればよいです。
チュートリアルのためのファイル
これらのチュートリアルファイルは、Esther Wheaton作曲の'Here Is How'という歌の最終版を作成するのに必要なものです。その歌は彼女のファーストアルバム'Not Legendary'の一部としてリリースされ、彼女はこの歌のソースファイルを!!I!! このライセンス (たぶん CC-BY-SA) !!I!!でリリースしました。このアーチストについて詳しくは、http://www.myspace.com/estherwheatonのEsther Wheaton's MySpace Pageを参照下さい。
あなたが使えるように用意されたものは、Ardourファイルと、チュートリアルを始めるために必要な、関連するオーディオファイルの入ったフォルダです。チュートリアル自信は、編集、ミキシング、そしてマスタリング(あるいはエクスポーティング)についてのセクションから構成されます。オーディオファイルを録音するのに使われたプログラムは、右と左のチャネルを別々のファイルに分けて保存したので、Ardourには別々のリージョンとしてインポートされます。このため、曲を最初からArdourで録音した場合と比べると、設定はずっと複雑です。しかし、これはバスや、ステレオイメージの作り方と使い方、そしてボリュームレベルの調整についてより詳しく学ぶよい機会です。
この特殊な状況は、タイムライン上の正しい位置にいるオーディオリージョンはひとつもないということも意味します。ほとんどは多くの編集が必要です。チュートリアルの目的が、曲の最終版をできるだけ早く作成することであるならばこれは困ったことですが、目的は、Ardourの使い方を学ぶことであり、これは十分に保証されています。
!!EL!! ファイルのリンク !!I!! どこに置いていいかわからないよ!訳注:バグジラで著者も述べているように、このガイドのほとんどのチュートリアルのファイルは、入手不可能です。
曲を編集する(チュートリアル)
このセクションは'Here Is How'の基本的な準備について述べます。要点は、リージョンをトリムして、タイムラインの上の正しい位置に置くことです。ゴールは、元の曲の模倣を作り上げることなので、芸術的な自由度はほとんどありません。
このセクションを最大に活用するためには、上記のチュートリアルファイルを使ってください。チュートリアルファイルについての指示に従うことで、あなたは本物の曲を作成するために、実際に編集、ミキシング、そしてマスタリングする技術を得られるでしょう。チュートリアルファイルを得る手順は、sect-Musicians_Guide-Ardour-Tutorial_Filesを参照下さい。
これは、Fedora 14 Musicians' Guide http://docs.fedoraproject.org/en-US/Fedora/14/html/Musicians_Guide/index.html の部分を私が訳したものです。Creative Commons Attribution–Share Alike 3.0 Unported license ("CC-BY-SA")にしたがって https://sites.google.com/site/kandamotohiro で配布されます。kanda.motohiro@gmail.com