クロスシミュレーション

クロスシミュレーションは少しずつ改良されていますが 基本的には 接触や高速移動に弱いです 一度めり込んだり 崩れると

自然に元の形に戻ることはありませんので 完全に崩れる事の無い状態を維持しながらアニメーションさせる事が必要です

ほとんどの初心者の方は 最初に思った通りの動きにならない事で断念する事と思いますが 少しでもこのページの説明が

役に立てばと思います

物理演算プロパティ → クロス

クロス→品質のステップ数

 1フレーム内のシミュレーションの計算回数ですので 増やすと重くなりますが接触判定などの精度が上がり

 めり込む等の問題は少なくなります この数字は上げると確実に重くなりますので 数字を上げても

 処理落ちにならない場合はいいですが 問題解決のためにこの数字を上げていくのは処理落ちリスクがあります

クロス→速度の乗数

 問題がなければデフォルトのままの方がいい数字です 他に重力や質量 空気抵抗といった数値があるので

 この値で調整するのは最終手段かと思います

物理プロパティ→頂点の質量

 現実にはあり得ないほど小さくすることが出来 値を小さくすると落下速度が遅くなり 形が崩れにくくなります

 値を大きくすると障害物がない限り まっすぐ下に垂れ下がります 圧力を使うと水風船の様になったりします

 デフォルトの0.3kgは 300グラムですので 1頂点=300グラムではないと思われますが デフォルト値の5分の1

 ~5倍程度の範囲で使うのが程よいと思います かなり良く使うパラメータです

空気の粘性

 空気抵抗かと思われます あまり使ったことのないパラメータです

 ティッシュや落ち葉などが通常よりもっとゆっくり落下してほしい場合大きくする

 形を崩さないために質量を軽くしたが 落下はさせたい場合に0にする

 といった使い方が考えられます 意図通りきちんと動いてくれるのかはやってみて下さい


剛性

 「引張 圧縮」

   0~0.1~1 重力に引っ張られると延びる

   5~10   普通の布とか革とか 基本的に引っ張ってもほぼ伸びなくなる

   40~80   相当固いものの場合これくらいにする 理由がなければ こんなに上げなくてもいい

 「せん断」

   他のパラメータに合わせて上げ下げする 引張 圧縮がとても小さい場合は下げる 曲げが大きい場合は上げる

 「曲げ」

  0~0.1~1  服や布など変形していいものは たいてい 0.1 くらいでいい

  3~8    革の服や固めの布素材など この辺りの値を使うものは服ぐらい

  20以上   ボール紙とか固めのゴムとか薄い鉄板とか

減衰

 「引張 圧縮 せん断 曲げ」パラメータが4つあります

  0~0.1~1  デフォルトで5ぐらいの値ですが 多くの素材は0または0.1程度で大丈夫です

         0でも振動し続ける事は無いようです

  2~5    ポリ袋や段ボール紙やアルミホイルの様に一度曲がると 曲がったままになる物

  10以上   必要があれば上げればいいと思います 固くても変形するものなどは上げてもいいと思います

内部スプリング

 チェックを入れると中にウレタンが詰まったような状態になります クッションやスポンジ素材固めのボールなど

 変形してもほぼ元に戻るものは この機能を使います 普通の服に使う事はあまりないと思います

 パラメータによる 動きの変化はありますが調整は目的の素材によって難しめです

圧力

 水風船やビーズクッション柔らかいボールなど伸縮するものでおおわれている 中の詰まっているもの

 に使います メッシュ形状は基本的に閉じている必要があります

 「圧力」「圧力スケール」 圧力と圧力スケールは大体同時に同程度の値にするのが分かりやすいと思います

   圧力のみ上げていくとどんどん固くなりますが 膨らまず破裂する事はありません

  1.0 質量によりますが 質量が相当に軽ければ ちょうど形を維持できるくらいの空気圧

  5.0~10 パンパンになってくる圧力

  30以上  体積が3~5倍程度になり これ以上になると破裂します

シェイプ

 固定グループ この項目に頂点グループを設定するとその頂点グループはクロスの計算で自由に変化せず

 元のオブジェクトやボーンの位置に固定されます

 「剛性」 通常は 1.0 で使用します 値を0.1~0.9の間で変化させたい場合

     頂点グループの各頂点のウェイト値を上下させて調整する方が柔軟な調整が出来ます

シェイプ→縫合

 固定グループと同じカテゴリ内に存在しますが 固定グループとは全く異なるシミュレーションの出来る機能です

 縫合はクロスシミュレーションの設定されたメッシュ内の面ではなく線(辺)に影響を与えるものです

 チェックを入れると全ての辺は収縮します 収縮係数で値を調整します

 文のみで説明するのはかなり難しいです この機能が都合よく働いてくれる状況を作るのは難しいと思います

 参考動画を見てもらえば どういったものかは理解してもらえると思います

図1 ベイク

図2 圧縮してディスクに保存

ベイク

 ベイクは、クロスシミュレーションの全フレームをメモリかHDDに保存する機能です

 図1のボタンをクリックすると開始フレームから終了フレームまでの保存処理が行われます

 一つのシーンにクロスが1つ 又は 2つ程度の場合は ベイクをしなくても 最終フレームまでアニメーションを再生させるだけで

 シミュレーション情報が保存されますが 相互に作用する可能性のあるクロスが2つ以上 ある場合は

 ベイクを行わないと 毎回クロスの情報が変化する為 レンダリング時に爆発が起きます

 図2のように ベイクのデータを「ディスクキャッシュ」(xxx.blendファイルフォルダに保存)にチェックして置くと

 動作が安定する事があります 再生中に爆発したり アニメーションレンダリング中に飛ぶといった場合には

 ファイルに保存してみましょう 圧縮は軽量がオススメです

 注意)一旦ベイクしてしまうとその後アニメーションを変更しても再計算してくれません 編集しなおす場合は一旦

 「全ベイクを削除」します

 一つのシーンにクロスが2個以上ある場合は必ずベイクを行う事

縫合

圧力を使って髪の毛を揺らす

圧力を使って胸を揺らす

クロスとメッシュ変形を使った活用法

剛性を柔らかくして限界まで伸ばす

クロスのデモ動画