二条城(元離宮二条城)を観光|江戸幕府誕生と大政奉還の舞台

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二条城(元離宮二条城)を観光|江戸幕府誕生と大政奉還の舞台

世界遺産の二条城(元離宮二条城)は、大政奉還の場所として有名な観光名所。国宝や重要文化財の数々を有する桃山時代様式の二条城は見どころだらけで、歴史の舞台となった空間や世界観を堪能できます。春の桜ライトアップや幻想的な夜間拝観も人気!江戸幕府の誕生と終焉の舞台となった二条城の歴史と見どころ、アクセスをわかりやすくご紹介します。

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二条城(元離宮二条城)を観光|江戸幕府誕生と大政奉還の舞台

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1.元離宮二条城とは

元離宮二条城

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京都市街地の中央部に位置する「元離宮二条城」は、江戸時代初頭の1603年、江戸幕府を開いた徳川家康が築かせた城です。江戸にいる将軍が京へ上洛する際の滞在先として、また御所の警備を目的として築城されました。

東大手門、唐門、南門、桃山門、西門、北大手門など多くの門があり、二条城の敷地の周りには外堀が張り巡らされています。本丸御殿や二の丸御殿をはじめ、二の丸庭園、清流園、東南隅櫓・西南隅櫓など、見どころ満載の観光名所です。

元離宮二条城 大政奉還

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さらに二条城といえば、歴史上のターニングポイントとなった「大政奉還」の場所!1867年(慶応3年)10月14日、15代将軍の慶喜が明治天皇へ政権返上を申し出たのは、ここ二条城の大広間でした。1994年(平成6年)、二条城はユネスコの世界遺産にも登録され、日本国内のみならず海外からも多くの観光客が訪れる人気観光スポットとなっています。

2.東大手門

元離宮二条城 東大手門

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「東大手門」は二条城の南東部、堀川通に面した二条城の正門。重要文化財に指定された立派な門で、歴史で覚えた多くの偉人がこの東大手門を通ったと思うとワクワクしますね。

現在、観光客が入退場するのも、この東大手門です。入場券を購入したら、さっそく入場してみましょう。

3.唐門

二条城 唐門

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東大手門をくぐって少し左、すぐのところにある「唐門」は、豪華絢爛という言葉がぴったりな切妻造りの四脚門。前後に唐破風が付いています。

二条城 唐門

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二条城の唐門は、西本願寺、大徳寺とあわせて「桃山の三唐門」と呼ばれています。鶴や蝶、虎、龍など、華麗で彩り鮮やかな彫刻にも注目してください。

4.二の丸御殿

二条城 二の丸御殿

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唐門をくぐり、国宝の「二の丸御殿」へ入りましょう。二の丸御殿は、玄関である「車寄(くるまよせ)」から左奥へ、左奥へと建物が続く形状になっています。

遠侍、式台、大広間、黒書院、白書院など多くの部屋や見どころがあり、歴史を感じさせてくれる御殿です。二の丸御殿で注目すべき見どころを、車寄せから奥へ進みながら見ていきましょう。

◆遠侍(とおざむらい)

二条城 遠侍

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車寄の左奥にある建物が「遠侍(とおざむらい)」です。

来城者の控室である遠侍は、襖に虎が描かれていることから「虎の間」と呼ばれていました。徳川家康と豊臣秀頼が謁見したのが、この遠侍です。

◆式台(しきだい)

二条城 式台

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遠侍の次にある建物が「式台」で、画像中央に見える小ぢんまりした部分です。老中の間、式台の間から構成されていて、来城者と直接会った老中が、将軍への取次などを行いました。

◆大広間

二条城 大広間

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式台の次にあるのが「大広間」。大広間には一の間~四の間、帳台の間などがあり、将軍と来城者が公式に謁見に使用された場所でした。

1867年10月14日、徳川慶喜が大政奉還を発表した場所は、大広間上段の「一の間」と下段の「二の間」。江戸幕府が朝廷に政権を返上する大政奉還のシーンを大河ドラマや映画などでご覧になったことがある方も多いのではないでしょうか。想像よりは狭い印象ながら、歴史深い二の丸御殿でも一番の見どころです。

狩野探幽の障壁画や欄間の彫刻なども見逃せません!どれも非常に見ごたえがあるので、じっくり見学してくださいね。

◆二の丸御殿の廊下

二条城 二の丸御殿の廊下

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二の丸御殿には部屋以外にも注目してほしいスポットがあります。それは「廊下」です。二の丸御殿の廊下はただの広い廊下ではありません。「鴬張り(うぐいすばり)」になっており、廊下の上を歩くとキュッ、キュッ、キュッ、と音がします。

廊下を鴬張りにすることによって、誰かが侵入すると音が鳴って気付けるようになっているのです。二の丸御殿に入ったら、注意深く廊下の音も聞いてみましょう。

◆黒書院(くろしょいん)

二条城 黒書院

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大広間の次にある蘇鉄の間を過ぎると「黒書院」があります。

黒書院は親藩・譜代大名といった将軍と親しみ深い大名や公家などと謁見する場所。大広間には及びませんが、黒書院も立派な造りの建物となっています。なお黒書院を過ぎると、将軍が普段過ごす「白書院(しろしょいん)」があります。

5.二の丸庭園

二条城 二の丸庭園

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二の丸御殿の南にある庭園は、小堀遠州(こぼりえんしゅう)の代表作として知られる「二の丸庭園」です。国の特別名勝に指定された書院造の池泉回遊式庭園で、大広間と黒書院からの鑑賞を主眼に置いて作庭されました。後水尾天皇の行幸に際し、南側からの眺めに配慮した跡も残っています。

池に配した島や滝など、変化に富んで趣がある二の丸庭園。春には咲き誇る桜を愛でる観光客でとてもにぎわっています。

6.本丸御殿と本丸庭園

二条城 本丸御殿・本丸庭園

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二条城の西半分には、内堀に囲まれた本丸があります。重要文化財に指定された「本丸御殿」は、当時としては珍しい3階建ての建物。本丸御殿には西橋と東橋がかかっていて、東橋には本丸櫓門があります。

本丸御殿の南に広がる「本丸庭園」は、曲線の多い優美な雰囲気が漂う庭。明治天皇の命で作庭された芝庭風築山式庭園です。創建当時の本丸庭園は1788年の大火によって焼失したため、どのようなものであったかはわかっていません。南東角にある天守閣跡には石垣の遺構が残っています。

7.清流園

二条城 清流園

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二の丸御殿の北側に位置する「清流園」は、1965年(昭和40年)に造られた和洋折衷庭園。全国各地からの銘石や、角倉了以の屋敷から移築した庭石や建築部材を使用して作庭されました。東側は芝生の洋風庭園、西側は池泉回遊式の和風庭園になっています。

清流園内の和楽庵(わらくあん)はお茶会が催されるほか、観光客の休憩所として利用されています。落ち着いた雰囲気の香雲亭は通常非公開ですが、組数限定で結婚式を挙げることができますよ!

8.東南隅櫓・西南隅櫓

二条城 東南隅櫓・西南隅櫓

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「東南隅櫓」は東大手門の南角にある見張り台です。東南隅櫓は堀川通から目立ち、よくテレビなどで映るので見たことある方も多いのではないでしょうか。「西南隅櫓」は西門の南側にある見張り台で、形状は東南隅櫓とほとんど変わりません。

外堀に面したこれらの隅櫓は、二条城の警備に重要な役割を担っていました。天明の大火による焼失も免れた東南隅櫓・西南隅櫓は、重要文化財に指定されています。

9.【おすすめイベント】二条城桜まつり・二条城まつり

夏・冬の特別公開、京の七夕など年間を通して魅力的なイベントが催されている二条城のなかで、特に人気があるのは「二条城桜まつり」と「二条城まつり」です。

◆二条城桜まつり

二条城桜まつり

出典: terkey / PIXTA(ピクスタ)

「二条城桜まつり」は毎年春に開催されるイベント。カンヒザクラやソメイヨシノ,シダレザクラなど、早咲きから遅咲きまで約50品種300本の桜があるので1か月近くもお花見を楽しむことができるんですよ。期間中には、清流園で観桜茶会も開かれます。

和装で行くと、入城料と夜間観覧料が無料になるのもうれしいポイント!夜間観覧では、桜はもちろん唐門など歴史的建造物もライトアップされ、幻想的な雰囲気をに包まれます。

◆二条城まつり

「二条城まつり」は毎年秋に開催されるイベントです。夜間特別公開では、二の丸御殿が光と音楽で色鮮やかなアートの世界に変わります。裏千家・表千家・藪内家による大茶会など、いろんなイベントが企画される秋のまつりもおすすめです。

◎ 最後に:アクセスと拝観時間

京都市地下鉄東西線 二条城前駅

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アクセス方法は、地下鉄東西線の「二条城前」駅が最寄です。京都駅からは地下鉄烏丸線で「烏丸御池」駅まで行き、地下鉄東西線に乗り換えます。市バスは「二条城前」下車。地下鉄一日券や地下鉄・バス一日(二日)券を見せると入城料が100円割引になります。

二条城の拝観時間は、基本的には8:45~16:00。夏季は8時からなど少し前後に延長されます。二条城の見学については、文化財の維持・管理のため定期的な休城日が設けられているほか、二の丸御殿は火曜日に休殿日が多いので、出かける前に公式サイトで確認しておきましょう。観光地の多い京都ですが、交通アクセスが良く、見どころの多い二条城は、必ず訪れたいスポットのひとつですね。

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