ETERNUS SF Storage Cruiser ユーザーズガイド 仮想ストレージ管理編 13.2 - Solaris (TM) Operating System / Linux / Microsoft(R) Windows(R) -
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第6章 保守

6.2 構成情報の退避と復元

本節では、構成情報の退避、復元について説明します。

構成情報とは、仮想化ストレージ環境、仮想ディスクを構成する実ディスクの状態などを保持している管理簿です。

6.2.1 構成情報の種類

構成情報の原本は、VSCマネージャーが保持しています。各々の仮想化スイッチは、その仮想化スイッチに関連する構成情報を保持しています。

構成情報が何らかの理由により失われた場合、業務サーバに対して、仮想ディスクを供給できなくなります。

6.2.2 構成情報の退避

6.2.2.1 [Solaris OS版/Linux OS版]構成情報の退避 

構成情報の退避は、コミットスクリプト(Commit Script)により実行されます。コミットスクリプトは、構成情報に変更が生じた場合に、VSCマネージャーが自動的に実行します。コミットスクリプトは、“/etc/opt/FJSVssmgr/current/VscCommitScript”に作成します。コミットスクリプトの見本は、“/opt/FJSVssmgr/lib/sample/vsc/VscCommitScript.sample”にあります。

また、必要に応じて、コミットスクリプトを起動して、構成情報の退避を行うことができます。

VSCマネージャーの構成情報は、“/var/opt/FJSVssmgr/current/vsccompose/”ディレクトリにあります。このディレクトリ配下のすべてのディレクトリとファイルを退避します。この時、復元時に“/var/opt/FJSVssmgr/current/vsccompose/”ディレクトリ配下のディレクトリ構成、ファイル構成が退避時と同じになるように退避してください。


例1

#!/bin/sh

#

# All Rights Reserved, Copyright (c) Fujitsu Ltd. 2004

#

# Storage Software Virtual Storage Conductor

#

# CommitScript Sample

#

########################################################

ROOT_DIR=$PWD

BKUP_DIR=/var/opt/FJSVssmgr/current/vsclog/VSCCOMPOSE_BAK

BKUP_TMP_DIR=/var/opt/FJSVssmgr/current/vsclog/VSCCOMPOSE_BAK/tmp

COMPOSE_DIR=/var/opt/FJSVssmgr/current/vsccompose

if [ ! -d $BKUP_DIR ]; then

mkdir -p $BKUP_DIR

fi

if [ ! -d $BKUP_TMP_DIR ]; then

mkdir -p $BKUP_TMP_DIR

fi

cp -p $COMPOSE_DIR/* $BKUP_TMP_DIR

if [ $? -eq 0 ]; then

cd $BKUP_DIR

tar cf compose.BAK.tar ./tmp

if [ $? -eq 0 ]; then

echo "Backup Complete."

rm -rf $BKUP_TMP_DIR

cd $ROOT_DIR

exit 0

fi

fi

echo "Backup failed."

exit 1

コミットスクリプトは、仮想ストレージのリソース状態に変更が生じた際、常に動作しますので、スクリプトの内容によっては、VSCマネージャーの処理時間遅延を引き起こす要因になってしまうことに注意してください。

6.2.2.2 [Windows版]構成情報の退避 

構成情報の退避は、コミットスクリプト(Commit Script)により実行されます。コミットスクリプトは、構成情報に変更が生じた場合に、VSCマネージャーが自動的に実行します。コミットスクリプトは、“{ETCインストールディレクトリ}\etc\opt\FJSVssmgr\current\VscCommitScript.bat”に作成します。コミットスクリプトの見本は、“{OPTインストールディレクトリ}\opt\FJSVssmgr\lib\sample\vsc\VscCommitScript.bat.sample”にあります。

また、必要に応じて、コミットスクリプトを起動して、構成情報の退避を行うことができます。

VSCマネージャーの構成情報は、“{VARインストールディレクトリ}\var\opt\FJSVssmgr\current\vsccompose\”ディレクトリにあります。このディレクトリ配下のすべてのディレクトリとファイルを退避します。この時、復元時に“{VARインストールディレクトリ}\var\opt\FJSVssmgr\current\vsccompose\”ディレクトリ配下のディレクトリ構成、ファイル構成が退避時と同じになるように退避してください。


例1

@echo off

rem #

rem # All Rights Reserved, Copyright (c) Fujitsu Ltd. 2006

rem #

rem # Storage Software Virtual Storage Conductor

rem #

rem # CommitScript Sample

rem #

rem ########################################################

setlocal

set OPTDIR={OPTインストールディレクトリ}

set VARDIR={VARインストールディレクトリ}

set JREDIR={JREインストールディレクトリ}

if not exist "%OPTDIR%" goto fail

if not exist "%VARDIR%" goto fail

if not exist "%JREDIR%" goto fail

set CURRENT_DIR=%VARDIR%\var\opt\FJSVssmgr\current

set BKUP_DIR=%CURRENT_DIR%\vsclog\VSCCOMPOSE_BAK

set COMPOSE_DIR=vsccompose

cd "%CURRENT_DIR%"

:: backup

if not exist "%BKUP_DIR%" mkdir "%BKUP_DIR%"

if errorlevel 1 goto fail

"%JREDIR%\bin\java.exe" -classpath "%OPTDIR%\opt\FJSVssmgr\java\archive\vscm.jar" com.fujitsu.storagesoft.sahandle.common.Zip "%BKUP_DIR%\compose.BAK.zip" %COMPOSE_DIR%/*.repository

if errorlevel 1 goto fail

:success

echo "Backup Complete."

exit 0

:fail

echo "Backup failed."

exit 1

コミットスクリプトは、仮想ストレージのリソース状態に変更が生じた際、常に動作しますので、スクリプトの内容によっては、VSCマネージャーの処理時間遅延を引き起こす要因になってしまうことに注意してください。

6.2.3 構成情報の復元

以下のような状態になった場合、“図:構成情報の復元手順”にしたがい、構成情報を復元します。

[図:構成情報の復元手順]

図:構成情報の復元手順”の手順に示されているとおり、構成情報の復元を実行中の仮想スイッチに対しては、サーバからの入出力アクセスを停止します。

6.2.3.1 [Solaris OS版/Linux OS版]VSCマネージャーの構成情報の復元 

VSCマネージャーの構成情報の復元は以下の手順で実施します。VSCマネージャーの構成情報を復元するには、サイト管理サーバで動作するシステムリソースマネージャの停止および起動作業が必要になります。

  1. マネージャーの停止

    構成情報を復元するために、/opt/FJSVrcxmr/sbin/rcxmgrctlコマンドのstopオプションを投入して、マネージャーを停止します。

    なお、運用管理サーバをクラスタ運用している場合は、PRIMECLUSTERの運用管理ビューよりシステムリソースマネージャの操作でクラスタサービスの停止を行ってください。

  2. 構成情報の復元

    マネージャーの構成情報ファイルを格納するディレクトリは、“/var/opt/FJSVssmgr/current/vsccompose/”です。

    構成情報を復元する前に、現時点の構成情報ファイルを退避します。

    現時点の構成情報を退避し、テープ“/dev/rmt/0”に格納されている構成情報を復元します。

    # setenv BKUPDATE `date '+%y%m%d'`
    # cd /var/opt/FJSVssmgr/current
    # tar -cf compose.$BKUPDATE.tar vsccompose/

    # rm -r vsccompose

    # cd ..
    # tar -xf /dev/rmt/0
    #


  3. マネージャーの起動

    /opt/FJSVrcxmr/sbin/rcxmgrctlコマンドのstartオプションを投入して、マネージャーを起動します。

    なお、運用管理サーバをクラスタ運用している場合は、PRIMECLUSTERの運用管理ビューよりシステムリソースマネージャの操作でクラスタサービスの起動を行ってください。

  4. 構成情報の確認

    “スイッチの仮想ストレージウィンドウ”を開き、構成情報の内容を確認します。

    問題がない場合は、マネージャーの構成情報の復元は完了です。

    問題がある場合は、マネージャーを停止し、“2.構成情報の復元”で退避した構成情報を復元します。その後、マネージャーを起動します。

6.2.3.2 [Windows版]VSCマネージャーの構成情報の復元 

VSCマネージャーの構成情報の復元は以下の手順で実施します。VSCマネージャーの構成情報を復元するには、サイト管理サーバで動作するシステムリソースマネージャの停止および起動作業が必要になります。

  1. マネージャーの停止

    構成情報を復元するために、{OPTインストールディレクトリ}\opt\FJSVrcxmr\sbin\rcxmgrctl.exeコマンドのstopオプションを投入して、マネージャーを停止します。

    なお、運用管理サーバをクラスタ運用している場合は、PRIMECLUSTERの運用管理ビューよりシステムリソースマネージャの操作でクラスタサービスの停止を行ってください。

  2. 構成情報の復元

    マネージャーの構成情報ファイルを格納するディレクトリは、“{VARインストールディレクトリ}\var\opt\FJSVssmgr\current\vsccompose\"です。

    構成情報を復元する前に、現時点の構成情報ファイルを退避します。

    cd {VARインストールディレクトリ}\var\opt\FJSVssmgr\current\

    {JREインストールディレクトリ}\bin\java -classpath {OPTインストールディレクトリ}\opt\FJSVssmgr\java\archive\vscm.jar com.fujitsu.storagesoft.sahandle.common.Zip compose.zip vsccompose/*.repository

    rmdir /s /q vsccompose

    {JREインストールディレクトリ}\bin\java -classpath {OPTインストールディレクトリ}\opt\FJSVssmgr\java\archive\vscm.jar com.fujitsu.storagesoft.sahandle.common.Unzip compose.BAK.zip

  3. マネージャーの起動

    {OPTインストールディレクトリ}\opt\FJSVrcxmr\sbin\rcxmgrctl.exeコマンドのstartオプションを投入して、マネージャーを起動します。

    なお、運用管理サーバをクラスタ運用している場合は、PRIMECLUSTERの運用管理ビューよりシステムリソースマネージャの操作でクラスタサービスの起動を行ってください。

  4. 構成情報の確認

    “スイッチの仮想ストレージウィンドウ”を開き、構成情報の内容を確認します。

    問題がない場合は、マネージャーの構成情報の復元は完了です。

    問題がある場合は、マネージャーを停止し、“2.構成情報の復元”で退避した構成情報を復元します。その後、マネージャーを起動します。

6.2.3.3 仮想化スイッチの構成情報の復元

VSCマネージャーの構成情報をもとに、各々の仮想化スイッチの構成情報を復元します。
復元方法には、画面(GUI)からの操作とコマンド(CLI)からの操作の2つがあります。操作ミスを防ぐため、目視確認ができる画面(GUI)からの操作を推奨します。

構成情報を復元する仮想化スイッチが複数台ある場合には、各々の仮想化スイッチに対して、以下の手順に従って、構成情報を復元します。

■画面(GUI)からの操作について

仮想化スイッチの構成情報の復元は、以下の手順で実施します。
手順1〜5までは、スイッチの仮想ストレージウィンドウ(保守)画面の[操作]-[再作成]で一度に行う事ができます。

  1. VSCエンジンの確認

    仮想化スイッチで動作しているVSCエンジンの稼働/停止を確認します。

    仮想ストレージウィンドウを起動し、保守画面を表示します。構成情報を復元する仮想化スイッチの状態表示を確認して稼動/停止を確認します。

  2. 構成情報の再作成

    「スイッチ装置名」を選択し、<再作成>ボタンを選択します。

    メッセージダイアログが表示されます。<OK>ボタンを選択します。

    以下の処理を行います。

    1. 構成情報の初期化
      仮想化スイッチが保持している構成情報を初期化します。

    2. 仮想化スイッチのリブート
      仮想化スイッチをリブートします。

    3. 構成情報の復元
      仮想化スイッチの構成情報を復元します。

    4. 仮想化スイッチのリブート
      仮想化スイッチをリブートします。

■コマンド(CLI)からの操作について

仮想化スイッチの構成情報の復元は、以下の手順で実施します。

  1. VSCエンジンの停止

    仮想化スイッチで動作しているVSCエンジンを停止します。
    仮想ストレージウィンドウを起動し、保守画面を表示します。構成情報を復元する仮想化スイッチの<停止>ボタンを選択して、VSCエンジンを停止します。

  2. 構成情報の初期化

    仮想化スイッチが保持している構成情報を初期化します。
    構成情報を復元する仮想化スイッチにユーザー名“admin"でloginし、vscecreateconfigfileコマンドを入力して、構成情報を初期化します。

  3. 仮想化スイッチのリブート

    仮想化スイッチをリブートします。
    構成情報を復元する仮想化スイッチにユーザー名“admin"でloginし、rebootコマンドを入力して、仮想化スイッチをリブートします。

  4. 構成情報の復元

    仮想化スイッチの構成情報を復元します。
    運用管理サーバ上で、remakeconfコマンドを入力して、仮想化スイッチ内の構成情報を復元します。

  5. 仮想化スイッチのリブート

    仮想化スイッチをリブートします。
    構成情報を復元する仮想化スイッチにユーザー名“admin"でloginし、rebootコマンドを入力して、仮想化スイッチをリブートします。


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