コラム

無料で使える文章校正ツール5選!
ツールの賢い使い方も解説

  • TOPPAN CREATIVE編集部

文章校正支援ツールは、執筆中には気づかない細かな入力ミスや表記ゆれ、誤用などを指摘してくれるため、文章の表記を整え、ブラッシュアップする際の心強い味方となってくれます。
本記事では、手軽に使えるフリーの文章校正支援ツールのうち、よく知られている5つのサービスについて、機能の特徴や使い方などを紹介。また、文章校正支援ツールを活用する際に気をつけたいポイントをあわせて解説します。


無料で使える文章校正ツールおすすめ5選

文章校正支援ツールには、オンライン上で利用するものと、PCにインストールして利用するものがあります。手軽に利用できる無料ツールとして知られる5つのサービスをみていきましょう。

PRUV(プルーフ)

PRUV(プルーフ)はオンライン上で利用する文章校正ツールです。提供元はサービス名と同じPRUVとなっています。

Webサイト上のテキストボックスに文章を貼り付けて「チェック開始」ボタンを押すことで文章校正が行われ、誤りと思われる箇所にハイライトがつき、理由が表示されます。校正の主な機能は、誤字・脱字、慣用表現、呼応表現、い抜き/ら抜き/さ入れ/レ足す言葉、同音語、二重敬語、重複表現、西暦・和暦の整合、年月日と曜日の整合、都道府県と市区町村の整合、会社名・商品名、小学校の学年別の漢字レベルなどのチェックです。

無料でチェックできる文字数は、非登録ユーザーの場合300文字までです。無料ユーザー登録をすることで最大で2万文字まで拡大し、ユーザー辞書の設定が可能となります。簡易スペルチェック、表記ゆれチェックなども行えます。
なお、テキストボックスに入力された文章は保存されません。また、サイトの管理者も確認することのない状態になっています。
Windows10のChromeほか、Firefox、Microsoft Edge、iPhoneのChromeとSafariでの動作検証済みです。iPadには対応していません。


ENNO(エンノ)

ENNO(エンノ)は、hachi8833氏が開発した、オンライン上で文章チェックをするツールです。

Webサイト上のテキストボックスに文章を入力し、「日本語エラーをチェックする」のボタンを押すと校正を開始し、エラーの可能性がある箇所をハイライトした校正のボックスと元のテキストが横に並んで表示されます。ハイライト部分にカーソルを合わせると指摘事項がポップアップ表示されるほか、一覧表にもなって掲載されるため、左右見比べのチェックや指摘内容の一覧など、校正作業を効率的に進めることができます。
主な校正機能は、タイプ・変換ミス、誤字脱字、約物、文末表現といった、パターン化された表現の整合です。
入力する文字数に制限はありませんが、あまり多いと結果の表示が遅くなることから、サイトでは8,000文字程度にすることを推奨しています。
テキストボックスに入力された文章がサイト内に保存されることはありません。サイトの管理者も入力されたテキストを確認することのない状態とされています。


Tomarigi

Tomarigiは、青山学院大学が「日本語表現方法開発プロジェクト」内で開発した校正・遂行支援ツールです。PCにインストールして使用するタイプなので、通信環境がないところでも使用できます。
エディタ領域に文書を入力すると、1文ごとに誤りの候補となる箇所と種類を示した指摘カードが表示され、各カードについて詳細な指摘や修正候補を確認することができます。
文章表記や文構造の誤りを定型的にチェックする機能だけでなく、文章の推敲に活用できる文節間の係り受け関係を図で表示できるのが特徴です。チェック対象となるものには、副詞、全角・半角、漢数字、句読点、接続詞、助詞の連続、体言止め、送り仮名、若者言葉、重ね言葉、長文、スペルチェック、補助動詞、当て字などがあります。校正ルールはプラグイン形式となっているため、チェックを外したり追記したりと個別ルールの適用が可能です。
チェック結果はHTML形式で保存もできます。ハイパーリンク付きの解説で、参照が容易です。


文章校正ツール

文章校正ツールは、so-zu.jpで公開されている無料の校正ツールです。
オンライン上で利用でき、1度に最大で1万文字まで扱うことができます。テキストボックスに文章を入れて「検査」ボタンを押すと、下に問題点の概要表と、文章での該当箇所ごとに、誤り候補と指摘区分、言い換え候補が表示されます。
検査には、Yahoo! JAPANが提供するテキスト解析のWeb APIを採用しています。主に以下の3つの区分でチェックと言い換えの提案が示されます。
表記・表現の間違いや不適切な表現に関する指摘としては、誤変換、誤用、使用注意語、不快語使用(使用不適切な語や隠語など)、機種依存文字または拡張文字、外国地名、固有名詞、人名、ら抜き言葉をチェック。
わかりやすい表記にするための指摘としては、当て字、表外漢字、用字などがあります。
文章をよりよくするための指摘としては、用語言い換え、二重否定、助詞不足の可能性あり、冗長表現、略語を検出します。


プレスリリース校正ツール

プレスリリース校正ツールは、PR活動支援事業を営む株式会社バリュープレスが提供する、校正支援のオンラインサービスです。テキストボックスに文章を貼り付けて「校正チェック」のボタンを押すと、誤り候補の箇所が色別にハイライトされた文章が、横に並んで示されます。
検査には、文章校正ツール同様、Yahoo! JAPANが提供するテキスト解析のWeb APIを採用しています。
表記・表現の間違いや不適切な表現に関する指摘(誤変換、誤用、使用注意語、不快語(使用不適切な語や隠語など)、機種依存文字または拡張文字、外国地名、固有名詞、人名、ら抜き言葉)が赤、わかりやすい表記にするための指摘(当て字、表外漢字、用字)が黄、文章をよりよくするための指摘(用語言い換え、二重否定、助詞不足の可能性あり、冗長表現、略語)が青で色分けされます。誤り候補の解説や言い換え候補は示されません。


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校正ツールの賢い使い方

文章校正ツールは、ツールごとにしくみや機能が異なるため、同じ文章を入れても指摘される内容や検査結果の精度が変わります。
ここからは、校正ツールを利用する際に気をつけておきたいポイントをみていきましょう。


2つ以上のツールを使用する

校正ツールによって、解析方法や使用される辞書、検出する項目が異なります。ひとつの校正ツールでチェックしただけでは指摘漏れの可能性があるため、少なくとも2種類以上のツールで校正することをおすすめします。
その際には、できるだけ解析方法や辞書、検出項目が異なるツールを用意するとよいでしょう。例えば、文章校正ツールとプレスリリース校正ツールは同じテキスト解析のAPIを採用しているため、解析で指摘される箇所が同じになります。一方、Tomarigiは、文章の解析にMecab(めかぶ)という形態素解析ツールと、Cabocha(かぼちゃ)という係り受け解析ツールを採用しています。校正・推敲プラグインも異なりますから、同じ文章を入力しても分析結果が異なる可能性が高いでしょう。

表記ルールを作成する

機械的に表記の異なる箇所を見つけてくれる校正ツールにとって、語句の統一は得意分野です。あらかじめ統一させる項目を洗い出し、表記の基準を登録しておくと確実にチェックしてくれるため、精度が上がります。独自の辞書を登録できるツールの場合、丁寧にメンテナンスすると使い勝手が良くなります。
書き分けのルールの主なものには、漢字とひらがな、漢数字と算用数字の仕分け、記号や全角・半角の使い分けなどがあります。普段からよく迷う変換などは、手元にオリジナルのチェック表を作っておくと、目視での確認にも使えて便利です。
独自ルールの登録ができない辞書の場合、その解析ツールがどの辞書を採用しているかを確認し、自分の表記ルールと異なるポイントをチェックしておくとよいでしょう。


必ず目視チェックをいれる

文章校正ツールは万能ではありません。ツールを用いて校正した後には、必ず目視でチェックするようにしましょう。表記ルールを記載したチェック表などを参照しながら、通し読みで表記のみを確認していきます。このとき、内容を読みこんでしまうと表記のぶれに気づくことができなくなるため、できるだけ表面上の文字面だけを追うようにします。
言葉は社会の変化にあわせ、少しずつ表記ルールも変わっていきます。校正ツールが定期的にアップデートされ、最新の表記ルールに対応しているかどうかもチェックしておきましょう。


高精度な有料校正ツールもおすすめ

今回紹介した無料の校正ツールは、基本的なチェックには十分有用です。ただし、有料の校正ツールに比べると、利用できる機能や、解析できる文字量に制限があります。
また、オンライン上で利用できる無料校正ツールの中には、入力したテキスト情報を保存するものもあることを頭に入れておきましょう。
この点、有料のツールであれば、解析手段や辞書の数、検出項目、解析速度などが無料のツールよりも向上し、分析結果の精度が高くなりますし、情報管理の点でも安心です。
企業の機密情報を扱う文書の場合は特に、有料ツールの活用をおすすめします。
TOPPANのオンライン校正ツール「TOPPAN PRINT ONLINE」は、独自ルールで使用注意の文言を登録することができます。また、高セキュリティ対応のデータセンターにサーバーを設置し、冗長化、バックアップなどの対策をとっています。ユーザー・ページ単位でアクセス制限をかけることもでき、安心です。
さらに、TOPPANならではのクオリティで色校正と同様の確認がモニター上で可能な「カラーマネジメント機能」を搭載。校正紙の持ち運びによる紛失などのリスクをなくす完全ペーパーレスでの校正作業を実現します。

TPOダウンロード資料「スタートブック」

2023.12.13

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