東寺 「五重塔+紅葉」の写真を撮るなら…

  • 知る・学ぶ
  • 紅葉情報
五重塔と紅葉1

(撮影日:2014年11月27日)

 

古都ジェニックな一枚を撮ろう 4


古都の風情をたっぷり感じることができるスポットでフォトジェニックな一枚を。シリーズ第4回目は、今年(2017年)秋のJR東海「そうだ 京都、行こう。」キャンペーンの舞台となり、話題になること間違いなしの東寺(教王護国寺)。東寺の秋は、やっぱり「五重塔+紅葉」の黄金コンビに注目! 秋の京都旅行の良い思い出の一枚となりそうです。今回は、この”定番風景”の撮影テクニックをご紹介したいと思います。

まさに「京都の秋」な「五重塔+紅葉」なのですが…

五重塔と紅葉2

(撮影日:2015年12月8日)

まずはベーシックな一枚を。境内ではいたるところで「五重塔+紅葉」のアングルを探し出すことができます。ですので、綺麗に紅葉していて、なおかつ枝振りの良い木を探して、構図として上手く収まるように撮影する、というのが基本になります。
せっかくの色鮮やかな紅葉、やっぱり青空の下で撮影したくなりますよね。しかし、晴れた日の「五重塔+紅葉」の撮影には、注意が必要です。こちらの写真は14時30分頃の撮影で、青空もキレイに撮れているのですが…

撮影は正午すぎからがおすすめ

五重塔比較写真

(撮影日時:左2013年11月26日14:00頃、右2014年11月22日11:30頃)

この写真は、どちらもほぼ同じ場所で、晴天(青空)の日に撮影したものですが、「空」が全然違う印象ですね。午後に撮影した左側の写真は空が青いのに対し、午前に撮影した右側の写真は空が「白とび」をおこし(眼が痛いぐらい…)、五重塔も何やらしまりの無い感じになっています。
じつはこれ、「逆光」という難敵です。東寺に植わる多くのもみじと五重塔の位置関係上、どうしてもこれらを一緒に撮ろうとすると、午前中からお昼過ぎは「逆光」になってしまいます。「白とび」以外にも、なにかと難しいところがあるので、晴れの日に「五重塔+紅葉」を綺麗に撮影するのであれば、12時30分ぐらいからが青空も良い感じで写真に収まるかと思います。

午後は午後でも、遅すぎると…

五重塔と紅葉3

(撮影日:2015年12月8日)

こちらの写真は15時前の撮影。青空も五重塔のディテールもしっかりと写っていますね。太陽はだいぶ西の方(画面の右の方)へ移動し、「逆光」ではなくなりました。しかしどうでしょう、五重塔の手前、白い照明器具がポツポツ置かれている辺りの影が気になります。じつはこれ、西側にある講堂の影。夕方が近づくにつれ、今度は建物や木々の影が境内に落ちてきます。せっかくの鮮やかな紅葉が影によって塗りつぶされ、綺麗に写すのが難しくなってしまうのです。ですので、カンタンにキレイな写真を撮るのであれば、個人的には15時すぎぐらいまでがおすすめ。晴れた日の東寺の撮影は意外と難しいものですが、時間などを工夫することで、比較的誰でもお手軽に撮影することができますよ。

午前中であれば、金堂や講堂を写してみましょう

金堂と五重塔

(撮影日:2014年11月22日)

では午前中は良い写真が撮れないのかといえば、そんなことは決してありません。むしろ私カツオは、午前中が「推し」だったりします。向こう側に見えるのは金堂の屋根。「瓢箪池」越しに、西(金堂)に向かって撮影した一枚です。午前中、太陽は東の方にありますので「逆光」とは反対に、撮影に適した「順光」の状態となっています。金堂のディテールも青空も綺麗に写っていますね。午前中であれば、境内の西側に立つ金堂や講堂などを入れ込んだ写真撮影に適した時間帯。枝振りの良い木も多くありますので、上手く構図に収まる紅葉を探し出して、これらの建物と一緒に写しこんでみてください。さて、皆さまには、午前中が“撮影チャンス”となる超イチオシ風景をお届けします!

とっておきの場所は、金堂から真東の位置!

瓢箪池と五重塔1

(撮影日:2014年11月22日)

以前に、「まさに京都の秋! 紅葉に染まる東寺へ行こう」でもご紹介したこの一枚! 無風であることも絶対条件となりますが、このように紅葉やお堂だけでなく、青空を綺麗に写しこむとなると、午前中が最適です。こちらは11時15分頃の撮影。「そうだ 京都、行こう。」CMでも映ることがなかったこの風景、秋の東寺に来られたら、ぜひ探し出してみてくださいね。さあ、今回はこのアングルでもうひと工夫を。

今回も”カツオ渾身の一枚”を♪

瓢箪池と五重塔2

(撮影日:2012年11月25日)

ほぼ同じ場所からの撮影ですが、紅葉を「盛って」みたのがこちら。ちょっと後ろに下がり、上部のもみじを加えることでボリューム感を演出。「上下対照」の構図も単純明快でオモシロイと思いますが、「芸を凝らしてみよう」ということで、いきついたのがこの写真です。また、金堂を真正面から撮るのも良いですが、瓢箪池沿いには、もう少し撮影を楽しめる場所がありますので、ちょっと歩いてみて、他の構図も探しだしてみてくださいね。
ちなみにですが、1つ上の写真を撮影した2014年11月22日には、この写真の上部に写る「盛った紅葉」は思いのほか色づいていませんでした…。年によって変わるものなんですね。

まとめ)東寺での写真撮影は時間とにらめっこ

桜の紅葉と五重塔

(撮影日:2014年11月11日)

さて、今回はこれまでの『古都ジェニックな一枚を撮ろう』シリーズとは少し内容を変えて、時間を中心とした撮影テクニックをお届けしましたが、いかがでしたでしょうか。本日の要点と追加情報をまとめます。

(1)晴れの日に定番アングル「五重塔+紅葉」を撮影するなら午後がおすすめ! カツオの個人的なベストは12時半頃から15時頃。

(2)晴れの日の午前中であれば、金堂・講堂に(西に)向かっての撮影に適している。そして、無風であれば「絶景」に出会えることも。

(3)東寺の紅葉は例年、11月中旬から12月上旬が見頃。最新の色づき情報は、「そう京」ホームページ内の「京都紅葉情報2017」でも更新していきます。

今年は「そうだ 京都、行こう。」キャンペーンもあって、例年より多くの人出が見込まれますので、撮影の際にはくれぐれも周りの方にご迷惑にならないように撮影をお楽しみくださいね♪

おまけ その1)池面にも注目してみましょう

水面

(撮影日:2014年11月27日)

広大な瓢箪池の水面にも注目を! もみじがふわりふわりと浮いていることがあります。ちょっと暗めに写るように設定をすれば、もみじの美しさが引き立ち上品な仕上がりとなります。池に対して体を前のめりにして撮影することになると思いますので、足元には要注意です!

おまけ その2)ちょっと高いところから撮影できます

歩道橋から

(撮影日:2016年11月16日)

こちらは東寺境内の南側、九条通に架かる京阪国道口の歩道橋からの撮影。イチョウが秋色のコントラストをつむぎだします。南門や八幡鎮守社、外堀などが上手く構図に収まるのでおすすめの撮影スポットです。但し、歩道橋という場所がら、撮影の際はくれぐれも回りにご配慮を。そして、こちらでも足元(?)にご注意を。池ならまだしも、歩道橋から… シャレにはなりません。

東寺[教王護国寺]
【拝観時間】境内5:00~17:00、金堂・講堂・五重塔初層8:00~17:00(受付終了16:30)
※五重塔初層は10月28日(土)~12月10日(日)までの公開
※11月24日(金)~12月4日(月)は金堂・講堂・五重塔初層は8:30~
※拝観時間は季節によって異なりますので、詳細は公式ホームページをご確認ください。

【拝観料】境内無料、金堂・講堂500円(2017年10月28日~12月10日は五重塔初層も含め800円)
【電話】075-691-3325
【アクセス】JR「京都駅」から徒歩約15分 Google map
【公式ホームページ】http://www.toji.or.jp/

Written by. カツオ

おすすめコンテンツ