200年くらい前?のベルギーが作品の舞台の児童文学です。
現代人から見れば不便な時代ですが、ゆったりと時間が流れる中で主人公の少年ネロと祖父ジェハン、村の名士コゼツの娘アロアを中心に当時の営みが描かれています。
子供向けの作品ですが、貧しいが故、子供であるが故に数々の不条理な出来事が待ち受ける、社会の縮図を描いたとも言える本作品は現代に通じるものがあります。
それでも自分を見失わず、懸命に生きていくネロとジェハンの姿は人として大切なものは何か?幸せとは何か?を考えさせてくれます。
物語の中盤以降、話しがどんどん辛くなっていきますが、現代社会や自分自身と対比して考えることで学び、心の発育を促せる良作だと思います。
エンターテインメント性の強い現代の非日常的なアニメとは異なりますが、心に残る作品です。