日系人初のUFC王者リョートに注目せよ! リョートが2度目の防衛戦、ショーグンと完全決着へ

WOWOW

日系人初のUFC王者リョート、2度目の防衛戦となるUFC113でショーグンとの再戦に臨む 【(C)NAOKI FUKUDA】

 5月8日(日本時間9日、WOWOWで日本時間5月9日夜6:00放送)にカナダのモントリオールで開催される総合格闘技イベントUFC113で、ライトヘビー級王者リョート・マチダがタイトル防衛戦を行う。リョートは日系人初のUFC王者である。漆黒の髪に端正なマスクをしているが、試合中ほとんど瞬きすることのないその瞳は、眼光鋭く、相手の一瞬の隙をも見逃さない。そして、試合場である金網に囲まれたオクタゴンに入る際も、礼を忘れない。そのたたずまいは、格闘家というよりも武道家と呼ぶ方がふさわしい。

17戦全勝のリョート、無敗継続なるか!?

UFC104では善戦のショーグンから辛くも判定で勝利を収めたリョート、今大会で完全決着を目指す 【(C)NAOKI FUKUDA】

 戦後ブラジルに移民した松濤館空手の町田嘉三(まちだ よしぞう)師範の三男として生まれた彼は幼少時から空手を始め、相撲や柔道、レスリング、柔術など武芸百般に精通。空手でブラジル選手権優勝、南米選手権で準優勝した他、相撲でもブラジル王者になっている。また、柔術は元PRIDEヘビー級王者アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラの師匠、ヒカルド・デラヒーバから黒帯を授かっている。

 03年、元パンクラスの謙吾を相手に日本で総合格闘技デビューしたリョートは、以来17戦全勝。UFCに登場する以前にも、それまで無敗だったリッチ・フランクリン――後のUFCミドル級王者――をパンチでKOし、K−1ファイターのマイケル・マクドナルドやサム・グレコも連破、UFC二階級制覇のBJ・ペンにも勝利している。

 UFC登場後は、この4月に柔道王・吉田秀彦の引退試合の相手を務めた中村和裕を破った他、ヒカルド・アローナとノゲイラ弟を秒殺したアフリカン・ファイター、ソクジュに肩固めで一本勝ち。そして昨年5月のUFC98でライトヘビー級王者のラシャード・エバンスとの“無敗対決”をKOで制してベルトを奪取。試合直後に感極まったリョートは「カラテ・イズ・バック!」と叫び大歓声を浴びた。総合格闘技史上初めて、空手家が世界を制した瞬間だった。

進化した空手家リョートが2度目の防衛戦

UFC104では僅差でリョートに敗れたショーグン、王座奪取へ気合十分 【(C)NAOKI FUKUDA】

 リョートの前回の試合は昨年10月のUFC104で、今回と同じマウリシオ・ショーグンを相手にした防衛戦だった。
 ショーグンは“PRIDE絶対王者”と呼ばれたヴァンダレイ・シウバの同門で、05年のPRIDEミドル級GPを制覇し、ヴァンダレイの後継者と目された打撃系ファイターだ。これまでにアリスター・オーフレイムやヒカルド・アローナ、初代PRIDE無差別級GP王者のマーク・コールマンや元UFCライトヘビー級王者のチャック・リデルらを撃破している。
 初防衛戦だったショーグン戦で、リョートは、アグレッシブに前に出てローやパンチを放つショーグンに苦戦し、3人のジャッジが48−47を付けるという僅差で辛くも防衛を果たしたが、誰にも文句を言わせない“完全決着”を付けるために今回の試合が組まれたのだ。
 ムエタイをベースとするショーグンを、さらに進化した“マチダ・カラテ”でKOすることができるのか? “総合時代の最強の空手家”リョートの戦いに注目だ!

(文:稲垣 收)

[WOWOW番組情報]

■「UFC −究極格闘技− UFC113 MACHIDA vs SHOGUN 2」
5月9日(日)夜6:00

【主な対戦カード】

<ライトヘビー級タイトルマッチ>
リョータ・マチダ(UFCヘビー級チャンピオン/ブラジル)
マウリシオ・ショーグン(ブラジル)

■「UFC −究極格闘技− UFC114 RAMPAGE vs EVANS」
5月30日(日)午後5:30

【主な対戦カード】

<ライトヘビー級>
クイントン・“ランペイジ”・ジャクソン(米国)
ラシャード・エバンス(米国)

■「UFC −究極格闘技− UFC115 LIDDELL vs FRANKLIN」
6月13日(日)夜10:40

【主な対戦カード】

<ライトヘビー級>
チャック・リデル(米国)
リッチ・フランクリン(米国)

<ヘビー級>
ミルコ・クロコップ(クロアチア)
パット・バリー(米国)

■「UFC登竜門 ジ・アルティメット・ファイター ヘビー級バトル」(全13話)
毎週月曜深夜帯

<出演>
ラシャード・エバンス(吹替え:大塚明夫)、クイントン“ランペイジ”ジャクソン(吹替え:玄田哲章)ほか
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