『遅咲きの姫』菅山かおる、勝てない1年間からの成長=ビーチバレー
ビーチ転向2年目のシーズンを戦う菅山かおる。新パートナーとの大阪カップでは、準決勝に進出する躍進を見せた 【坂本清】
何かが違う菅山の姿
トップアスリートの負けん気が強いのは当たり前だが、菅山はどちらかと言うと感情を外に出さないタイプだ。そんな彼女が「クソッ!」と砂を蹴っている。
17日の準決勝では負けてしまったが、JBVツアーの第3戦となるビーチバレー大阪カップでは、何か違う。
菅山かおるが、ビーチバレーに転向し初勝利を挙げたのは昨年4月。インドアでは全日本リベロという大役を担い、アタッカーの経験、対応能力の高さを評価されていた彼女は、ビーチバレーでもすぐに強くなると言われた。だが、砂の上は勝手が違った。優勝どころかツアー本戦では、それ以降まったく勝つことがないまま1年がすぎた。
それが、一昨日の1回戦はツアー第2戦の覇者、田中姿子(エコ計画)・溝江明香(産業能率大)組を下し、1年3カ月ぶりの勝利。昨日は浅尾美和・草野歩組(エスワン)も破った。菅山は「必死に追い込んで練習した。転向後、全然勝つことができなくて、応援してもらった人に恩返しができず、必死だった」と話すが、それだけではないのは彼女のプレーを見れば分かる。生命線であるレシーブの動きはより俊敏になり、スパイクのスイングスピードが上がっている。
今大会で見られた、動きの変化
ようやく練習の成果が表れたというのが「姫」の変化の理由だと思う。1年も掛かったのは遅すぎると言われるかもしれない。しかし彼女がインドアバレーで全日本に選ばれたのも26歳。遅咲きのバレーボーラーだった。
今大会では準決勝で敗れたものの、ようやく勝ちだけでなく、優勝も見えてきた。遅すぎることは何もない。
<了>
(取材・文/小崎仁久)
ビーチバレースタイル7月号 『水着SHOW〜2010SUMMER〜』
『ビーチバレースタイル』7月号表紙 【写真/ビーチバレースタイル】
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