クリケットは、旧イギリス領の国々、特にインドでは国民的人気を誇るスポーツ。
競技人口はサッカーに次ぐ世界2位だと言われています。
人気の理由はエキサイティングで面白いからなのですが、日本では残念ながら「ルールが分からない」という人がほとんどではないでしょうか。
今回は、クリケットのルールを徹底解説。
複雑なようで実は意外とシンプルなルールですから、ぜひ覚えてください。
クリケットのルール|クリケットの基本
まずはクリケットが何をやっているスポーツなのか、ごく簡単にまとめてみましょう。
野球に似たスポーツ
クリケットは、基本的に野球に近いスポーツです。
ボウラーと呼ばれる投手がボールを投げ、ストライカーと呼ばれる打者がボールを打ちます。攻撃側はボールを打ったら塁間を走って得点を入れるのも野球と同じ。
アウトが規定数になると攻守を交代し、裏表の攻撃で試合が進むところも同じです。
野球との最大の違い
野球との最大の違いは、約20m間隔で立っている「ウィケット」です。
ウィケットはスタンプと呼ばれる3本の柱の上にベールと呼ばれる小さな横木を載せたもの。
ボウラー(投手)の横と、ストライカー(打者)の後ろに立っています。
このウィケットがベースの役割を果たし、ボールを打った打者は塁間を往復。一方の投手は投球でこのウィケットを倒そうとするのが特徴。ウィケットが倒れると打者はアウトになります。
つまり打者は、ウィケットを倒されないためにボールを打つということ。そしてボールを打ったらフィールダーと呼ばれる野手が返球してくるまでにウィケットの間を往復して得点を稼ぎます。
ウィケットが倒されるか打球をノーバウンドで捕球されるなどで1アウト。10アウトで攻守が交代します。
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クリケットの詳しいルール|フィールド
クリケットのグラウンドの範囲であるバウンダリーは、男子の国際規格の場合、横が約140m、縦が約130mの楕円形。
その中心部に約20m間隔で2つのウィケットがあり、その周囲が長方形のピッチと呼ばれるエリアになっています。投球や打撃、ウィケット間の往復など、主なプレイはこのピッチ内で行われます。
ウィケットの前にはクリースと呼ばれるエリアがあります。そしてファウルゾーンはありません。打者は360度どこにでも打つことができます。
クリケットの詳しいルール|選手の役割
クリケットは11人1チームで行い、野球の表裏のように守備側と攻撃側でプレイします。
守備側の役割
守備側はボウラー(投手)とウィケットキーパーと呼ばれる捕手がピッチでプレイし、他の9人がフィールダー(野手)となります。
ピッチの外を守るフィールダーの配置は自由。各チームが戦略的に配置できます。ウィケットキーパーはグラブを着けていますが、フィールダーは素手で野球の硬球より硬いボールをキャッチしなければなりません。
ボウラーのルール
ボウラーの投球に関しては、助走やワンバウンドはOK。ただし投げるときに肘を曲げてはいけないというルールがあります。
ボウラーの投球は6球投げるごとに1オーバーとして数え、2オーバー連続で投げるのは禁止。つまり6球で他のボウラーに交代するルールとなっています。
その次の6球はまた元のボウラーが投げられるのですが、ルールによっては規定投球数もあるため、その場合、チームの半分くらいにはボウラーの役割が回ってきます。
攻撃側の役割
攻撃側は2人1組がバッツマンとしてピッチに入ります。実際にボールを打つ選手はストライカー。もう一人はノンストライカーと呼ばれ、ボウラーがいる側に立ちます。
ストライカーがボールを打ち、敵のフィールダーから返球されるまでにウィケット間を走れると判断したら、2人はそれぞれ逆のウィケットに向かってダッシュ。間に合わないと思ったら走らない選択も可能です。
アウトになったら次の選手に交代しますが、アウトにならない限り、バッツマンは延々と打ち続けます。
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クリケットの詳しいルール|得点
得点は、バッツマンたちが反対のクリースまで走り切れば1点。返球が遅れ、バッツマンたちが往復できたら2点となります。
さらに打球がバウンダリーの境界線をゴロで越えたら4点。ノーバウンドで超えた場合は6点が入ります。
また紳士淑女のスポーツなので、守備側が隠し球をするなどバッツマンを騙す行為は禁止。攻撃側に5点が入ります。
クリケットの詳しいルール|アウト
クリケットの主なアウトはウィケットが倒されること。スタンプの1本でも倒れればアウトです。具体的には以下のようなパターンがあります。
・ボールド:ボウラーの投球が直接ウィケットに当たって倒れるアウト。
・ラン・アウト:バッツマンがクリースまで到達する前に守備側がウィケットを倒すアウト。
・ヒット・ザ・ウィケット:バットが当たるなど、バッツマン自身がウィケットを倒すアウト。
・スタンプト:はバッツマンがクリースより前に出てしまった間にウィケットキーパーがボールでウィケットを倒すアウト。
・レッグ・ビフォア・ウィケット:投球がバッツマンのバットではなく脚に当たらなければウィケットは倒れていたと審判が判断した場合のアウト。
・コート:フィールダーがバッツマンの打球をノーバウンドで捕球したアウト。
このようにアウトのパターンは多いのですが、野球のように三振はなく、打っても間に合わないと思えば走らない選択もあるため、現実にはアウトになることはめったにありません。10アウト取るまでに丸1日かかってしまうことも。公式試合で1人のバッツマンが400得点したこともあるそうです。
クリケットの詳しいルール|試合の流れ
クリケットの伝統的な国際試合であるテストマッチでは、イニング(攻守交代)は2回となっています。試合時間はなんと7時間×5日間。
これではあまりに時間がかかりすぎるというので、ワールドカップなどでは「ワンデイ・インターナショナル」というルールが採用されています。
これはイニングを1回とし、イニングの投球数を300とするもの。アウトが10にならなくても、投球300球で攻撃が終了となります。その結果、試合時間は約7時間に短縮。
さらにイニング投球数を120として試合時間を約3時間に短縮した「トゥエンティ・トゥエンティ」というルールもあります。
まとめ
ウィケットが倒れるか直接捕球でアウト。ウィケット間を走ったら得点。
ホームランは大量得点と、クリケットのルールは意外とシンプルです。
皆さんもルールを覚えて、クリケットを楽しんでみてはいかがでしょうか。
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