仲介手数料なしの賃貸物件、どうして無料?そのからくりは? デメリットはある?

最終更新日 2023年09月07日
仲介手数料なしの賃貸物件、どうして無料?そのからくりは? デメリットはある?

部屋探し中に時々見かけるのが、「仲介手数料無料」の物件。お得なイメージだけど、そもそも仲介手数料って何のために払うの? 無料になることがあるのはどうして? 仲介手数料無料の物件はどんなデメリットがある?など、さまざまな疑問を専門家にぶつけてみました。

そもそも仲介手数料とは何のためのお金?

賃貸住宅を契約するとき、敷金・礼金などと合わせて初期費用として発生するのが「仲介手数料」。そもそもこれは何のために必要なお金なのでしょうか。第三者的な立場で不動産コンサルティングを行う、長谷川不動産経済社の長谷川高さんに聞きました。

「仲介手数料とは、物件を紹介してくれた不動産会社に、その対価として支払うお金のこと。不動産会社は、物件の紹介はもちろんですが、入居者と大家さんの取引の安全を図るためのさまざまな手続きもしてくれます。仲介手数料はその手数料でもあり、家賃の1カ月分+消費税が上限と宅建業法で決められています」

仲介手数料は、入居者と大家さんの両方から受け取る場合であっても、家賃の1カ月分+消費税が上限。つまり、入居者が支払う仲介手数料が半額または無料となっている場合、「その分の金額は、大家さんからもらうから、あなたはいいですよ、ということなのです」

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仲介手数料が無料になるのはどうして?そのからくりは?

どうして無料にするの?

本来、入居者から正々堂々ともらうことができる仲介手数料を、大家さんからもらい、入居者からはもらわないということは、「大家さんがそれだけ早く入居してもらいたい物件であるということ。例えば物件が古い、駅から遠い、日当たりがよくない、借り手の少ない時期など何かしらの理由があって、入居者ウェルカムな物件である可能性が高いといえるでしょう」と長谷川さん。

家賃を下げるのでなく、仲介手数料を無料にするワケは?

だったら家賃を下げてくれればいいのに……というのは入居者側の考え。「大家さん側からすると、ほかの部屋の入居者の手前、賃料の値下げは難しいこともあるんです。例えば、空室を賃料5万円で入居者募集した場合、ほかの部屋の入居者から、うちは同じ間取りで6万円なのにとクレームが入ることも考えられます」

仲介手数料無料物件のデメリット

仲介手数料が無料の物件には、気をつけたい点がいくつかあります。なぜ無料になっているのかという背景を、物件、不動産会社、それぞれの観点からチェックしましょう。

物件に不利な条件がある

その物件の仲介手数料を無料にすることで、より多くの入居者を集めたいといった事情があるのかもしれません。例えば、もともと設定されている家賃が相場よりも高すぎる、物件に不利な条件があるなどという可能性もあるかもしれません。

気になったら、SUUMOで同様の条件で物件を検索してみるのも一案。沿線や駅やエリア、広さや間取り、築年数、駅徒歩分数などの条件が同じような物件を検索し、家賃を比較してみましょう。

不動産会社から別の項目で請求

仲介手数料は無料となっているものの、代わりに書類作成費や事務手数料などの名目で費用を請求する場合もあります。その場合、一見「無料」であっても、実質「無料」とはいえなくなってしまいます。

書類作成費や事務手数料は本来、仲介手数料に含まれるものなのです。仲介手数料が無料であっても、トータルの費用を確認し、ほかに請求されている項目がないかしっかりチェックしましょう。

仲介手数料無料物件はお得? 注意すべきことは?

このような背景もあり、より入居者にとって借りやすい物件にするための方策として、仲介手数料や敷金・礼金などの初期費用を抑えることはよくあること。ただし、初期費用だけでなく、「そこに住み続けた場合のトータルコストが、その部屋での暮らしの質に見合うかどうかをしっかり見極めることが大事です」

先ほどの例に挙げたように、本来は賃料5万円でも借りられるような物件が、ほかの入居者の手前、賃料6万円に設定されているケースもあります。「今はインターネットなどを見て、自分の希望条件に合った物件の家賃相場も簡単にチェックできる時代。初期費用の安さだけに飛びつかず、少なくとも2年間はそこに住むとしてトータルコストを考えるといいでしょう」

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何かワケありで仲介手数料が無料になっている物件でも、その「ワケ」は、人によっては問題にならないケースもあるでしょう。その場合は、その人にとってコストパフォーマンスの高い物件となります。また、貯蓄額などの関係から「初期費用を抑えたい!」という人にはうれしい物件でもあります。興味のある仲介手数料無料の物件を見つけたら、思いきってその理由を不動産会社に聞いてみると、安心して物件を借りられるかもしれません。

仲介手数料以外に初期費用を抑える方法

賃貸物件の初期費用を抑えたいなら、仲介手数料だけでなく、ほかの項目にも着目してみましょう。最近は、敷金ゼロの物件、礼金ゼロの物件、敷金も礼金もかからない物件(ゼロゼロ物件)も増えてきています。

敷金は退去時に入居前の状態に戻すために充てられる修繕費、礼金は大家さんに払うお礼金のこと。以前は敷金・礼金ともに家賃2カ月分ずつという物件が一般的でしたが、最近は1カ月分だったり、ゼロ(無料)というケースも増えています。仲介手数料無料の物件だけでなく、敷金や礼金がかからない物件を探すのも、初期費用を抑えるのに有効な手段です。

また、不動産会社に支払う費用ではありませんが、引越し費用を抑える工夫をするのも一案。3月や9月前後の繁忙期を避け、平日に時間指定なしで依頼すると、引越し費用を抑えられる可能性が高くなるので検討してみましょう。

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取材協力/長谷川不動産経済社 取材・文/前川ミチコ イラスト/柏原全作 監修/SUUMO編集部(仲介手数料無料物件のデメリット仲介手数料以外に初期費用を抑える方法
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