チートに「無敵結界」をお願いしただけなのに、なんでなの?   作:魔王パワーで無双したい人

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7.『我が名を聞き、生きていることに感謝せよ。我は五代目魔王ジル。お前に絶望をくれてやろう。』なんて名乗りはどうだろうか。…うん。却下で

 おはようございます。残念な方のジルです。

 皆さんは残酷な方をお望みでしたでしょうか。

 

 先日屋上に取り残されたあと?……

 学校から飛び降りて、お布団とテントを買い、そのへんの廃ビルで寝て今起きた所。

 全体的にだるい。もっと寝てたいけど、お腹すいた。

 

 正直、旧ジルの中に居すぎて、酷い事のレベルが違う感じだ。

 寝起きで思ったのは、なんで彼女ら救わないの?という疑問だ。

 普通に意識ある時だと、なぜか思い至らないようだ。

 

 いや、原作介入とか前回やっちゃったから、やるのは構わないんだけどね。

 なので彼女らの不幸を助けたいと、思わなくも無い………が、

 不幸?っていうほど不幸かな?

 

 そんなふうに思ってしまうのは、長年人間牧場とか様々な人間虐めを見てきたからかも知れない。

 アレを見るたび、どうにかしなきゃ、とか、助けてあげたいな、とか思うんだけどね。

 このかすかに残った良心的なものが自分という奴だろうか。

 

 まあ、だいぶ心が壊れているなぁと思わなくもないのだけど、今の彼女らは幸せに見える。なので助けるほどでもない気がする。

 今後の不幸についても、もう少し追い込んでも良いんじゃないかなって思う。

 人間、1度や2度くらい絶望しても良いと思う。それから起き上がってきたものは強い。

 

 …ん?

 あーー。なるほど、一度の絶望もできないのか魔法少女は。

 ならば、その弱さも必然か。酷いなキュゥべえ。

 

 さて、これらを踏まえて私がどうしたいか考えよう。

 

 …………………………………

 

 眠い。だるい。休んでいたい。

 いいじゃないかな、原作介入しないでだらだらしていよう。

 

 一番したい事が休憩なのはHPが1%未満だからだな。それは仕方ない。

 

 でだ、

 マミる奴は助けたいかどうか。うん、どうでもいい。まど神出来たらどうせ復活するし。

 

 さやかは、もうちょっとあってもいいな。

 彼氏を寝取るだけじゃなく、目の前で今度は腕を切り取るのも良い。

 

 ……………って、なんでナチュラルにいじめる方向になってるのかな。

 

 そういう意味ならあれだ。マミのソウルジェムだけ確保して肉体はマミらせよう。

 そうして魔法少女の真実とやらに迫れせてもいいな。

 どれだけ魔女にならずに耐えるのか見もの…って、いかんいかん。なんでいじめる方向なんだろう。

 

 うん。あれか、性癖じゃないけど旧ジルに調教されてしまったのだな。難儀だ。

 それでもまあいいや。

 よし、いじめる方向でいってみよう。

 

 そうすると次は赤いのか。名前忘れた。

 あれは、どうするか。適当にボコるかな。そんでその辺の男どもに………おっと18禁はやめとこう。

 

 んー。面倒だからちょっとキツめの拷問をした後、両手両足もげさせよう。

 んで、その辺の河川敷に捨てる。あの詰んだ感じは中々クルものがあったからな。

 もしそれで魔女化したら吸っておしまい。

 いいね!それでいこう。

 

 まどかは…まあ、いいや。ほっとこう。

 QBがどうせ追い込むんだし。ストーカーついてるし。

 

 ストーカーといえば、暁美ほむらはどうしよう。ん~~最終的に悪魔になるしほっといてもいいか。

 

 と、考察したが思いの外、あんまり虐める対象が少ない。

 ああ、もともと救われないからな!

 よし、本人から直に助けを求められたら助けてやろう。気分で。

 

 あとはマミも石ころだけにしてから、何かに憑依させて虐めたいね。

 体は外付けハードだから、適当な肉体を選定したい。

 

 さて方針も決まったし、今日は魔女狩って回復させつついじめ対象を見に行こうか。

 

 

 …………………………………

 

 朝の食事代わりに、魔女レーダー魔法発動。

 発見したので襲撃。魔女結界に入ってちゅうちゅう吸う。

 あー、回復するなぁ。苦い!もう一杯!

 

 グリーフシードは食べてみようとしたが固くてだめだった。吸えないしつまらない。

 とりあえず貯めておこう。

 

 こう普通に活動していても、どこに白いのの目があるかが怖い。

 宇宙文明人だからな。どこで何を見ているかわからない。

 観測できれば、最終的に魔王も克服されてしまうかもしれない。

 観測されてはならない………

 そうだ、対白いヤツ用ステルス魔法開発しよう。

 

 ステルス魔法開発でどうしようかとうんうん唸っていると、後ろから近づく気配。

 そのまま唸っていると声をかけられた。

 

「私のシマで魔女狩りとは、随分なヤツじゃねーか。

 しかも挨拶も無しとはね。」

 

「…」

 よしっ!…シャフ度でお出迎えできたぞ!パーフェクトだ。

 決まったな。クフフ

 

「だんまりか?ここらは私のシマなんだ、好き勝手やりやがって、

 お前どこのもんだ?」

 

 お前さんはどこのヤクザ人だよと言いたい。

 物言いがまるっきりソレである。

 

 ふーむ。先に来ちゃったな赤いの。さて、どうやって遊ぼうか。

 

「別に、私は魔法少女ではないのだけどね。

 魔女は趣味で倒しているのだけれど。」

「ハァ?

 え…パンピー?いや魔女倒せる一般人なんて聞いたこと無いぞ。」

 

 さて、どうやって敵対するかな。

 どうにか吸血鬼バレさせて攻撃させようか。

 その方向でいこう。

 

「まあ、一般人…ではないからね。」

「それで一般人だったら驚きだ。

 だけど、益々気になるな。あんた何者だい?」

 

 お、来た。存外早くイジメれそう。

 

「吸血鬼。と、一般的には言われているわね。」

 どやー

 

 これでマミは攻撃してきた。反撃して、お仕置き。コレね!

 

「はっはっは!

 昼間に歩き回る吸血鬼か、いいねぇ面白い。」

 

 ん?

 

「で、吸血鬼さんは、なんで魔女倒してるんだ?」

「……………気晴らし?」

 

 なんか話の方向が違う。

 ん?あれ?どうやって敵対しよう?

 

「……気晴らしで倒せるもんじゃないと思うけどな。じゃあグリーフシードはどうしてるんだ?」

「グリーフシード……ああ、これ?」

 

 私はさきほど狩ったグリーフシード(唾液付き)を出す。

 

「血は無かったから吸えなかった。」

「…………試したのかよ。」

 

 そういえば、使用済みグリーフシードは吸ってないな。ちょいと交換してみるか。

 

「貴女はコレ。何に使うの?」

「ああ、なんだ。知らないのか。

 これに、ソウルジェムの穢れを吸わせて、魔力を回復させるんだ。」

 

 穢れだが私には魔力になる。勿論魔法少女からも吸えるだろう。こちらはきっと甘露な味がするし、勿論魔力も回復するだろう。

 どちらにせよ回復する私と違って、魔法少女は大変そうだ。

 

「物は試しね、使用済みのグリーフシード…ある?」

「ん?あー途中のならあるぞ。」

「交換しない?未使用のコレと使用済みのソレ」

「……良いけど。」

 

 私が未使用のグリーフシードを投げて寄越すと、不承不承赤いのは使用済みのグリーフシードを投げてよこした。

 

「んで?何を試したいんだ?」

 私は何も言わず、ソレに口づける。というか吸う。

 

 うへ…ヘドロ混じりで気持ち悪い苦さ。

 不味い。

 でも回復する。

 さっきの魔女よりは回復しないものの魔女に比べて5割は回復した。

 よしHPMP兼用で300万まで来たぞ。

 

「なっ…吸血鬼ってのは、そんなもんからも吸えるのか。」

「あら、貴女の血を吸ってもいいのよ。」

 

 安い挑発をするが、それがかえって気安さになったようで、赤いのから険が取れる。

 

「はっ、何かの報酬なら吸わせてやっても良いけど、なんだ、グリーフシードの浄化ができるのか?」

「なんか吸えた…魔力が回復する。たすかる。」

「ほーー」

 

 ひとしきり感心した後、何か納得したようだ。

 

「じゃあ、使い終わったグリーフシード手に入れたらまた交換してやるよ。」

「ん…了解。楽しみにしてる。」

 

 確かに、このグリーフシード交換事業は良いかも知れない。

 魔法少女全体に対して商売?になる。

 魔女を狩らなくても回復できるのは画期的だ。

 まー白いのからエネルギーを横取りしているようなものだが。

 

 そこで私に電流が流れるがごとく閃いた!

 そうだ、魔女化する際のパワー…あれ横取りしよう!

 

「………佐倉杏子。私の名前は佐倉杏子だ。あんたは?」

 

 あ、自己紹介された。そうか、赤いのは佐倉杏子か。

 

 さて、どう返そう。

 中二病のごとく長文での返答とかどうだろう。…ないな。無い無い。

 結局普通に名前だけ名乗った。

 

「……………ジル。」

「ほーん。おkジル。宜しくな!」

 

 そう言って、携帯の番号を交換して別れた。

 

 ………………

 マミの携帯だけどいいよね。

 というか、マミの携帯。

 学校しか登録無かったんだけど?

 なんで、まどかとさやかの入ってないんだろう。

 

 …こうして、平和的に杏子と別れてハッとする。

 

 あ、虐めてないじゃん。

 

―――――――――――――――――――――

 

 ステルス魔法を開発。

 魔力感知、光学感知、熱探知、電波探知、生命探知、音響探知、重力探知。

 遮断するのはコレくらいでいいかな。

 

 思いつけるのがこれくらいだった。

 コレ以外の探知方法があったら負けだ。どうしようもない。

 いや探知方法が分かれば対策も打てる。

 

 早速ステルス魔法を使う。

 魔力の減りもとくに多くないので、問題ない。

 

 よし、夜まで魔女狩りだ。

 だけど、あんまり魔女居ないな。遠くには行きたくはないし。

 

 

 …結局、見滝原?だったかに戻ってきた。

 しばらくぶらぶらしていると、魔女が孵化した感覚が魔女探知にあった。

 

 早速赴いてみると、ピンクと黄色の髪のやつ。そして黒髪の奴が順々に結界に入っていった。

 

 マミとまどかとほむらか。

 つまり、今日がマミる日か。よし。マミの石だけ回収だ。

 

 ステルスのまま、自分も結界に入る。

 入るとほむらが黄色いリボンで拘束されていた。はいスルー。

 

 奥へ奥へと行くと、銃声が聞こえてくる。

 最奥。魔女の間まで到達すると、マミが派手に戦っているようだ。

 

 一方的に叩いているだけだが、黄色いリボンで拘束し、大砲でトドメ。

 いつもの一連の流れだな。

 そろそろか、と思い。ステルスのまま素早く近づく。

 さっと宝石と髪の毛をゲットした時、マミが「えっ」っと小さくつぶやいた。

 

 ああ、魔女の大口に迫られてたよ。うん。

 で、パクパク食べられた。

 

 私は素早くその場を離れ、デ・ラ・アドミラル空間へ移動。

 

 

 宝石に擬似的な目と耳とスピーカーを付けた。

 ダイヤル部分にソウルジェムがある黒電話みたいな形だ。白いけど。

 

 受話器を上げて会話を開始しよう。

「やあマミ。調子は如何かな?」

『……え、私はいったい…ここはどこ?』

 

「ここはそうだな。吸血鬼結界の中?で、君は肉体を失った。

 魔女にパクリと食べられてね。」

 

『えっ!?』

「今、君の魂はそのソウルジェムの中にある。それが今の君のすべてだ。」

『え?え?どういうこと…』

 

「思い出して?

 さっきまで何をしていた?」

『…魔女との戦いで…私…私食べられて…』

 

「そうそう。その食べられてる時に君の魂…ソウルジェムだけ助け出したって寸法さ。」

 

 思いっきり、ソウルジェムがにごり始めたのでグリーフシードで吸い出す。

 吸い出した穢れとやらは、私が吸い出す。

 え、コレなんて無限機関?

 魔女化しないように追い詰めようかな。

 

「落ち着いた?

 今の君はその宝石の中にいる。

 肉体はない。」

 

『っ…………!』

 

「安心してとは言わないけど、肉体は別のものでも大丈夫、用意する。とりあえずはそのままで。

 あと、外も見れるし、聞こえるようにはする。

 でも会話は私とだけになるかな。」

 

 ククク。魔女の真実を知り、私にだけ絶望の悲鳴を聞かせてほしい。

 

『そ、そう。

 ……え?あなた………ジル…!?さん?』

「そうだよー」

 

『吸血鬼だという…あの。』

「そうだよ。……そんな吸血鬼に助けられて、ねえねえどんな気持ち?」

 

 NDKできた。嬉しい。

 ああ、いい感じで罵詈雑言を言ってくるんだろうな。

 楽しみ楽しみ。

 

『…ごめんなさい。

 私、勘違いしてたみたい。

 前は、いきなり攻撃しちゃってごめんなさい?』

 

 ……はい?

 

「いきなり撃たれたりしたね。」

『ご、ごめんなさい。』

 

 うーん?罵詈雑言はどうした?

 

『吸血鬼も、新手の魔女かなって思ってしまっていて……』

「……」

 

『あの魔女に食べられた時点で、終わってしまったハズの私を助けてくれて、ありがとう…』

 

 あ、あの。お礼……あれ?

 くっ、良いや。

 魔法少女の真実を見せつけてやろうじゃないか。

 ククク。いつまで魔女化しないで耐えられるかな。

 

「暫くは対応策が思いつかないから不自由すると思うけど、アクセサリになっててね。宜しく。」

『分かったわ。宜しくね。』

 

 なんか方向が違うな。なんだろコレ。

 

 


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