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矢澤先生によるコラム 教えて!矢澤先生!

育種家として第一線で活躍する
矢澤秀成さんによる園芸の旬な情報をお届け

第35回増やして楽しい「シャコバサボテン」

みなさん、こんにちは!

園芸研究家の矢澤秀成です。

 

ここ数年、多肉植物のブームが続いていますね。

私の中では、昔むかし子どもだった頃から

ずっとブームが続いているんですが(笑)。

 

中学生の頃は、もらったシャコバサボテンを

大事に育てていました。

上手に育てればバンバン増えていくのが

とっても面白かったです。

 

丈夫で育てやすく、トゲはなくて

色の乏しい冬の時期に色鮮やかな花を咲かせる

シャコバサボテンは

インテリアとしても人気が高いですね。

 

ということで、第35回は

「シャコバサボテン」のお話です。

 

 

1:シャコバサボテンとは

「シャコバサボテン」はブラジル南東部原産の多肉植物です。

 

「シャコバ」という名前は、

ギザギザした葉の形が「寿司ネタのシャコに似ている」

という理由で名付けられた和名なんですよね。

 

シャコバサボテン

 

実は、シャコバサボテンは

いろんな名前で呼ばれます。

 

例えば

「クリスマスカクタス」。

クリスマスの頃に咲くから

この名称で呼ばれます。

 

デンマークで盛んに育種されたので

「デンマークカクタス」とも呼ばれます。

 

このほか

「カニバサボテン」という呼び方もされます。

 

これらは全部同じ花を指しているように

思われることが多いですが

開花期などによって分けられていて

厳密に言うと

もとになった原種が違うんです。

 

いくつかある原種の交配によって作られた品種は多く

100種類ぐらいあります。

早咲きから普通咲き、遅咲きまであるので

開花期が11月〜3月と長いのも特徴です。

 

毎年、花色が変わるタイプもあります。

お店で買った時の花の色が

自宅に持ち帰って育てているうちに何か違ってきたなぁ、

といったように

環境が異なると発色や、色の出方が若干変わることが多いんです。

 

 

2:シャコバサボテンの管理方法

【置き場所】

シャコバサボテンはブラジル原産ですから

当然、耐寒性は弱いです。

基本的に鉢植えで育てるので

季節に応じて置き場所を変えてあげてください。

ただし、買ってきてすぐ植え替えることはしないで。

また、花芽が小さいうちは

置き場所を変えないであげてください。

 

ちょっと細かく解説していきます。

 

まず、シャコバサボテンは、

小さなつぼみが付いた状態の株を移動させると

せっかくのつぼみが落ちちゃう可能性が高いです。

つぼみが小さいうちは

環境を変えないほうが良いのです。

 

シャコバサボテンのつぼみ

 

だけど、耐寒性は弱いので

霜が降りる前に、

室内に取り込まなければなりません。

 

ちっちゃなつぼみは落ちるけど、

「もうすぐ開花するぞ!」という感じに

ふくらんだつぼみは、もう落ちないので

動かしても大丈夫なので

ある程度、つぼみがふくらんできたことを確認したら、

11月下旬から12月の霜が降りる前に

室内に取り込んで

窓辺などの日当たりのよい場所で管理しましょう。

 

冬は、5℃以上の室温が必要です。

だけど、暖房の効き過ぎも花が落ちる原因になるので

暖房がずっと効いている部屋には入れないほうが良いです。

 

冬場の管理法は

シクラメンと同じような感覚でいいと思います。

 

そして、花が終わったら

4月〜10月は

屋外でしっかり日光に当てることが、すごく大事です。

花のない時期に、日光にたくさん当てて、

いい芽を吹かしましょう。

 

あと、風通しの良い場所に置くこと。

そうすると株が締まって大きく成長します。

ただし、真夏の直射日光や西陽は

強過ぎるので避けるよう、

置き場所に気をつけてください。

 

夏場は、午前中だけ日が当たる場所などで

管理してもらえたら良いと思います。

 

そして、真夏を通り過ぎ、

短日期に向かう9月末頃から、

ちっちゃい花芽がプチプチと付き始めます。

 

つぼみを見ると、つい、うれしくなって

部屋の中に入れちゃう方がいらっしゃるのですが

つぼみが小さいうちに環境を変えると

茶色くなってポロポロポロと落ちちゃう可能性大。

もうちょっと我慢して、

もうちょっと花芽をふくらましてから

移動すると安全ですよ。

 

お店で販売してあるものは

人工的に短日処理を施して早く咲かせているので

10月には花の付いた鉢が並んでいると思いますが

この鉢を買って自宅で冬越し・夏越しをさせたら

翌年は、9月末ぐらいにちっちゃな花芽が付いて

12月くらいに咲くことになります。

買った年の開花より1〜2か月遅く咲くことを

知っておいたほうが良いでしょう。

 

話が少し脱線しましたが、

短日が花芽形成の条件ですから

夜遅くまで明るいような場所に置いておくと

長日になっちゃうので花芽が付きにくくなります。

このことも、知っておいてください。

 

 

【水やり】

買ってきたばかりの10〜11月は、

つぼみが大きくなる時期です。

用土の表面が乾き始めたら

水をたっぷり与えましょう。

 

シャコバサボテンの土

 

多肉植物&ミニ観葉の土

 

水やりの目安は、3日に1回ぐらいですが

葉っぱがフニャフニャになるほど乾燥させちゃうと

せっかくのつぼみが落ちてしまので

乾燥させ過ぎにも気をつけて。

鉢の土に指を突っ込んでみて、

表面がサラサラだったら水を与えて

湿っているようならば水をあげない、

そういう感じで管理しましょう。

 

水を与えた後の鉢の重さを覚えておいて

軽くなったら水を与える、という方法もありますよ。

 

そして、12〜3月の厳寒期は、より乾かし気味に管理します。

冬の間は、ほとんど水をやらなくていいのですが、

完全にカラッカラにさせちゃうと流石に弱ってしまうので

葉っぱがシワシワッとなる程度でドカンと

水を与えるなどして管理し、冬を越させましょう。

 

4〜9月の生育期に入り

ソメイヨシノが咲き始めたら、

用土の表面が乾いたらたっぷり水を与える、

という管理法に変えます。

 

 

【肥料】

葉っぱをしっかり育てるためには

春先から夏の手前(梅雨前)まで、

この間の肥料が大事です。

3月の芽出しの時期から6月ぐらいまでの間に

緩効性化成肥料、または液体肥料を与えてください。

花芽ができる時期の9月までは

肥料が切れないようにしましょう。

 

マグァンプK
マイガーデン

 

その後、肥料は、そんなに必要ありません。

私は、ほとんどやらないですね。

 

花芽ができる9月までに

肥料が切れている状態が理想ですから

6月に緩効性化成肥料を与えておけば

2か月間、効果が持続するので

ちょうどいいと思います。

 

 

3:切り戻し&挿し芽をして増やしましょう!

花が終わったら、

春先に切り戻しを行います。

 

ハサミなどの道具は使わず、

手の指でキュッとひねるようにすると

簡単にポロッと葉が取れます。

 

この切り戻しの作業をしなくても

花は付くのですが、伸びあがっちゃうので

私は切り戻しをした方がいいと思います。

 

その際、葉っぱの枚数を揃えた方が良いので、

6枚付いていたら、半分の3枚まで切り戻すなど、

長さと枚数を揃えて切り戻しましょう。

半分くらい切り戻すと枝が増え

その年の秋の開花がゴージャスになりますよ。

 

そして、切り戻した穂先は、挿し芽にします。

バンバン増えますよ。

 

挿し芽の方も、

2節なら2節、3節なら3節と決めて挿した方が

長さが揃ってきれいだし

管理もしやすいですね。

 

ひとつの鉢に挿し芽を7〜8枚

挿すようにします。

 

 

4:芽摘み

品種によって

短日ですんなり花芽形成してくれるものと

浅い短日だと花芽形成にいたらず

葉芽になっちゃうものがあります。

 

秋になっても茎葉が成長し続けている場合は

先端の若くて柔らかい新葉を摘み取ると、

翌年の花芽が付きやすくなります。

 

葉摘み

それでも、中には切り替わらない個体があり、

短日になったのに花芽を形成せず、

葉芽になっても伸び続ける場合は摘みましょう。

 

 

5:2年に1回植え替えを

シャコバサボテンの鉢植えは

2年に1回ぐらいのペースで

花が終わった後、

春に根鉢を崩して植え替えをします。

(もしも、根腐れを起こしていたら

植え替えを諦めて挿し芽をしましょう)

 

植え替える時期は春先の

3月下旬から4月中旬までの間。

ソメイヨシノが咲く頃が適しています。

 

【用土】

植え替えをするときは

サボテン・多肉植物用の土でも良いですが

シャコバサボテン専用の培養土を

使用すると間違いないでしょう。

 

シャコバサボテンの土

 

古い土をハタキ落とし、

新しい土に全部入れ替えます。

ポイントは、

できるだけ根を切らないようにすること。

 

植え替えたら、花を咲かせる肥料として、

リン酸を多く含んだ緩効性化成肥料を入れましょう。

リン酸の多い緩効性化成肥料

 

 

6:病害虫対策

4〜10月に発生し、葉っぱを食い荒らす

「ナメクジ」や「ヨトウムシ」に注意しましょう。

見つけたら捕殺、または、早めに薬剤で防除します。

 

ベニカナチュラル

特に、ナメクジは

葉の上にテカテカした跡ができるので、

いたらすぐ分かります。

ときどき鉢の裏を見て、

ナメクジがいるかどうかもチェックして

早めに見つけましょう。

 

ナメクジバリア

 

なお、ナメクジには、

ナメクジ対策専用の薬もありますが、

コーヒーかすを鉢の縁に撒いて避ける

自然にやさしい方法もあります。

 

ちょっとした高台など、

土から離した高いところに置いてあげるだけでも

害虫対策になるので覚えておいてください。

 

第36回目は、シンビジュームについてお話しします。

11月22日ごろ投稿予定ですので、次回もお楽しみに!

 

投稿日:2023年11月8日

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矢澤先生のプロフィール

ホームセンタータイム
ガーデンアドバイザー
矢澤 秀成 先生

矢澤 秀成 先生

現在、やざわ花育種株式会社、葉乃畑合同会社に所属し、代表取締役社長を務める。
種苗会社植物バイオ研究室に16年勤務し、多くの花や野菜を開発する。その間、国内新花コンテストで金賞を含む18回入賞、社内では社長賞2回受賞する。
種苗会社退職後、大手ホームセンター商品開発部長及び顧問、大手肥料メーカー顧問、パテント会社代表、野菜市場顧問、ガーデンセンター顧問などを歴任。多くの植物園などのヘッドガーデナーや監修を行う。
育種家として、多くの個性的な花や野菜、漢方薬などの新種育成を行っており、18年前から全国各地の小学生を対象にした授業「育種寺子屋」を行う。子供たち自身が交配して世界に一つだけの小さな種を作り、その種を大切に育て世界に一つだけの花を咲かせる授業を行っている。さらに「人は花を育てる 花は人を育てる」を掲げ、2002年から地域の花好きを育て、そして花の街を育てる「花のマイスター養成制度」を提案しスタートする。現在全国各地でマイスターを育てる花の学校を開校し、マイスターと共に花いっぱいの公園づくりや街づくりに取り組んでいる。
NHK総合TV「あさイチ」、NHK-ETV「趣味の園芸」、NHK長野「ひるとく」、BS-日テレ「麗しの庭散策」、SBCラジオ「ずくだせ エブリデイ」、篠ノ井有線放送「花暦」などの多くの園芸番組の講師として出演中。全国で講習、講演活動を多数行い、園芸関連多数執筆中。