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第5回 ─ 〈THE ROCK ODYSSEY〉超高速レポート!

連載
オレらの 夏 フ ェ ス 予習・復習帳 04
公開
2004/07/29   19:00
更新
2004/09/24   19:53
ソース
『bounce』 999号(0/0/0)
テキスト
文/beat ek

〈夏と言えばロック・フェス!〉そんな言葉もごく普通になったこの2004年の日本に、鳴り物入りで登場した新たな大型フェス〈THE ROCK ODESSEY 2004〉。7月24日、25日の二日間、横浜と大阪の2ケ所で同時開催されたこのフェス、話題はなんといっても、揃いも揃って豪華すぎる出演陣の顔触れでしょう。大物・大御所、連打連打!なそのラインナップは、野球で言うなら巨人軍!?稲葉浩志の次にザ・フ-、レッチリの後に永ちゃん……ステージ上も客席も、一体どんなことになってしまうのでしょうか?予想もつかない現場の状況を確かめるべく、横浜国際競技場へ潜入して参りました。

7月24日(土) 横浜国際総合競技場

  トップ・バッターを務めたのはLOVE PSYCHEDELICO。プロデュース業も多数手掛けるバンド、Dr. Strange Loveの面々をバックに従えて、“LIKE A ROLLING STONE”などのロック・クラシックのカヴァーを交えたフェス仕様のステージを見せてくれました。

続いて登場のジョシュ・トッドがハードなメタル・サウンドを展開するも……ピーカン照りの下では少々空回り気味。ちょっと出番が早過ぎた? 祭りということもあって客足も遅く、場内はまだまだ空席が目立ちます。そんな中、ミシェル・ブランチが伸びやかなヴォーカルを聞かせ、盛り上がり前段階な聴衆を魅了。汗の止まらぬ客席に涼し気な風を届けました。

ようやく会場も大入りになったのは、ポール・ウェラーが姿を現した頃。時折タバコやワインをたしなみながら、ギター、オルガン、ピアノと楽器を持ち替え演奏するポールは、日ざしのせいかサケのせいなのか、顔中真っ赤! ザ・ジャムやスタイル・カウンシル時代の曲をふんだんに盛り込んだサービス満点の選曲には往年のファンも大盛り上がり。気合の入った、それでいて緩急のある、素晴らしいステージでした。

稲葉浩志が独自の〈稲葉シャウト〉を炸裂させると、次はいよいよ今フェス最大の目玉、ザ・フー!結成40年目にして初となるこの来日公演だけに、ロックおやじもモッズ小僧も固唾を飲んで見守る中、現れたピート・タウンゼントとロジャー・ダルトリー率いる6人は1曲目に“I CAN'T EXPLAIN”を披露。イントロのギターが鳴り響いた途端、場内は大歓声に包まれました。その後も繰り出される名曲の数々。ピートは終始腕をぐるぐる振り回し、飛び続け、ロジャーはマイクを投げまくる。伝説の光景が目の前に!思いっきりファン・サービスとは言え、その心遣いが涙ものじゃあありませんか。“WON'T GET FOOLED AGAIN”で一度ステージを降りた彼らは、成り止まぬ拍手に応えて再度登場、アンコールはなんと〈TOMMYメドレー〉!最後にピートが期待通りギターをぶち壊し、奇跡のステージは幕を下ろしました。

  とは言え、これで終わらないのがこのフェスのすごいところ。トリを飾るのはエアロスミス。70年代の、いわゆる〈第一期黄金時代〉の楽曲を中心に、スタジアム・ライヴはお手のものといった感じのエンターテイメント性溢れるステージを展開し、有終の美を飾りました。さすが!

とにかく暑かった……スティーブン・タイラーの腕には何故か〈猛暑〉と書かれていましたが、そんな言葉がピッタリの初日でありました。ちなみに、お客さんのバンドTシャツ着用率が一番高かったのはザ・フー。

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