いま、奈良の食文化に注目する人が増えています。その人気を支えるのが、大和に伝わる優れた食材たち。なかでも大和伝統野菜は、そのほとんどが地元奈良県で消費される希少なものです。どれも力強く風味豊かで、エネルギーを感じられます。大和野菜を中心に、鎌倉時代から銘牛といわれる大和牛、丁寧に飼育される大和肉鶏など、注目の大和食材を堪能できるお店を紹介します。
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大和農家で育った野菜と最上級の大和牛をしゃぶしゃぶで「しゃぶしゃぶ・肉懐石 冨久傳（ふくでん）」
ならまちの中にあって、ことさらに風情が漂う福智院町界隈。その一画に佇むのが2017年にオープンした「肉懐石 冨久傳」です。ここは、世界遺産元興寺前で、黒毛和牛や海鮮を囲炉裏焼で楽しむ「囲炉裏ダイニングたなか」の姉妹店。「たなか」は“焼く”というスタイルですが、こちらは“しゃぶしゃぶ”でもてなします。
お店は奈良格子が美しい町家を一軒リニューアル。店内に入ると、古風な外観と対照的なモダンな空間が現れます。そこには、間接照明に照らされた9席のカウンター。余裕をもってしつらえられた席には、それぞれIHクッキングヒーターを設置。一人で訪れても気兼ねなくしゃぶしゃぶを楽しめるように、との気遣いがうれしい限りです。![一人でも気軽にしゃぶしゃぶが楽しめるよう配慮されたカウンター席]()
一人でも気軽にしゃぶしゃぶが楽しめるよう配慮されたカウンター席
しゃぶしゃぶのメインには、最上級の大和牛やブランド豚を用意。加えて、地元奈良県産の農家が丹精込めて栽培した野菜がふんだんに供されます。そうした食材本来の滋味を味わうため、しゃぶしゃぶのだしにはカツオと昆布でとった特製だしを使用。彩りの美しい前菜やその日の一品も楽しみです。奥には蔵を改装し落ち着いた雰囲気の部屋があり、こちらは、ファミリーやグループでしゃぶしゃぶを楽しむのに最適です。
![最上級の大和牛は7,000円（税抜）のコースから。赤身に適度なサシ（霜降り）がはいった大和牛は絶品]()
最上級の大和牛は7,000円（税抜）のコースから。赤身に適度なサシ（霜降り）がはいった大和牛は絶品
![おなかに負担がかからないよう小さなポーションで供される前菜。和洋のものが彩りよく盛り込まれる]()
おなかに負担がかからないよう小さなポーションで供される前菜。和洋のものが彩りよく盛り込まれる
![奈良の農家が丹精込めて育てた野菜は箱盛で。しゃぶしゃぶでその滋味を味わいたい]()
奈良の農家が丹精込めて育てた野菜は箱盛で。しゃぶしゃぶでその滋味を味わいたい
JR桜井線京終駅出口より徒歩約22分
更新日：2024/05/03
周辺の予約制駐車場
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大和野菜や大和牛など、奈良食材の魅力を表現する繊細な懐石料理「割烹 まつ㐂（まつき）」
「日本料理の基本を大切に、素材の味わいを生かすシンプルな調理を心がけています」と言うのは、「割烹 まつ㐂（まつき）」のご主人の松室克哉さん。和食に携わる料理人として至極当然のように思えるこの言葉には、実は松室さんの料理に対する思いが隠されています。
名店との誉れ高い奈良や大阪の日本料理店で研鑽を重ね、晴れて独立し、ならまちの一画に「割烹 まつ㐂（まつき）」をオープンしたのが2017年のこと。以来、厳選した大和の食材を使った懐石料理で、関西のみならず全国の美食家たちを魅了しています。![石畳と前庭に植えられた前栽が美食の空間へ誘う]()
石畳と前庭に植えられた前栽が美食の空間へ誘う
カウンター越し、オープンキッチンで献立を整える松室さんは、とても物静かな印象。しかしそこには、自らのキャリアで培った技術や知識を生かし、料理をさらなる高みへ昇華させていく真摯さが見てとれます。「ゆったりとした時間が流れる奈良は大好きな土地。できる限り奈良の食材を使いたい」と言う松室さん。積極的に奈良の生産者たちを訪ね、ジャンルを超えた料理人たちを交えた勉強も欠かしません。そんな姿勢が、繊細で端正な料理の味に結実しています。
ご主人のパートナーでもある女将、かおりさんの明るい笑顔も相まって、瀟洒な町家の中は、今宵も居心地のよい空間に。穏やかな時間に身をまかせつつ、奈良の幸を味わいたいものです。![夜の懐石コースは8,000円（税抜）から。メイン料理の一つ大和牛のすき焼きは、1万2,000円（税抜）のコースで]()
夜の懐石コースは8,000円（税抜）から。メイン料理の一つ大和牛のすき焼きは、1万2,000円（税抜）のコースで
![だしの上品さを味わえる椀物は、手作りのたまご葛豆腐と十津川のしめじを具に]()
だしの上品さを味わえる椀物は、手作りのたまご葛豆腐と十津川のしめじを具に
![奈良のコシヒカリを使用した土鍋ご飯は月替わり。コースを締めくくる人気のご飯]()
奈良のコシヒカリを使用した土鍋ご飯は月替わり。コースを締めくくる人気のご飯
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伝統的街並みを伝える今井町で、大和食材を駆使した優しいフレンチ「Tama（タマ）」
今も江戸時代の情緒と風情を残す今井町。「Tama」は、重厚な町家が立ち並ぶ一画にあるフランス料理店です。オーナーシェフは、東京でフレンチの料理人とパティシエの職人として活動してきた南部礼一郎さん。都会から離れた田舎で独立開業を目指していたところ、奥さまの故郷である今井町の町家に心を惹かれたとか。そして、その町家をリニューアルの末、独立を果たしました。
ちょっと変わった店名の「Tama」とは「玉」、すなわち「宝物」の意味だそう。出店までの道のりを応援してくれた生産者や食材業者、そして足を運んでくれるお客さん。そのすべてが「宝物」であるという意味が込められているそうです。![今井町にある伝統的な町家をリニューアルした店舗]()
今井町にある伝統的な町家をリニューアルした店舗
そんな南部さんの供する料理は植物性油脂がほとんどで、食べて美味しく、身体に優しいフレンチ。料理に使用する野菜や肉などの食材は、安心・安全という観点から、できるかぎり生産者の顔が見えるものを選んでいるといいます。そのため魚介以外は、自分で足を運ぶことができる奈良県やその近郊のものがほとんどとのこと。
今井町は、歴史好きな人なら興味が尽きない町。江戸時代にタイムスリップしたかのような雰囲気の中で、のんびりとフレンチを堪能するひとときを楽しみましょう。![シェフのおまかせコース5,000円（税抜）のメインディッシュ、五條市旧大塔村産の鹿のロティ。十津川なめこのペーストを添えて]()
シェフのおまかせコース5,000円（税抜）のメインディッシュ、五條市旧大塔村産の鹿のロティ。十津川なめこのペーストを添えて
![前菜のイイダコの一皿。ムラサキダイコンのピューレソースの彩りが食欲をそそる]()
前菜のイイダコの一皿。ムラサキダイコンのピューレソースの彩りが食欲をそそる
![デザートのチーズフラン。あすかルビーや天理のはっさくなど地元奈良のフルーツを使用]()
デザートのチーズフラン。あすかルビーや天理のはっさくなど地元奈良のフルーツを使用
周辺の予約制駐車場
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大和伝統野菜と大和牛のマリアージュを楽しむ「粟 ならまち店（あわ ならまちてん）」
奈良県内で育てられている作物の研究やその栽培保存に取り組み、大和伝統野菜を中心に120種類もの野菜とハーブの栽培を手掛ける「プロジェクト 粟」。その農場から送られてくる新鮮な大和野菜をはじめ、大和牛、大和の地酒など、奈良県産の優れた食材を使った料理を提供する人気店が「粟 ならまち店」です。
![平格子・虫子窓などの装いが残る、築140 年の町家をリニューアル。]()
平格子・虫子窓などの装いが残る、築140 年の町家をリニューアル。
近年その名を知られるようになってきたものの、まだまだ全国的にはあまり馴染みのない大和野菜。店内の大きな籠には、大和まな、ひもとうがらし、どいつ豆などの食べごろを迎えた野菜たちが盛られています。
「店で料理に使う野菜は、こうしてお客様に見てもらいます。よろしかったら生でも食べてみてください」と言うのは店長の新子大輔さん。一口かじってみると、その甘さをダイレクトに感じられます。珍しい野菜が多いので、わからないことがあれば質問してみましょう。![1階の座敷の奥の間や蔵のほか、2階にも座敷が設けられています。]()
1階の座敷の奥の間や蔵のほか、2階にも座敷が設けられています。
料理には、常時30～40種類の野菜をふんだんに使います。どれも風味豊かで味が濃く、滋味に富んだ味わい。そうした野菜本来のもつ力強さと持ち味を損なわないよう、料理の味付けは昆布とシイタケでとった出汁が基本のシンプルなもの。野菜とともに大和牛や田舎鶏をいただきます。ヘルシーかつエネルギッシュな奈良の食材に脱帽です。
![5,000円のディナーコースから、大和牛と大和伝統野菜の籠盛]()
5,000円のディナーコースから、大和牛と大和伝統野菜の籠盛
![5,000円のコースのメインディッシュは、大和牛のリブロースと大和野菜の陶板焼き]()
5,000円のコースのメインディッシュは、大和牛のリブロースと大和野菜の陶板焼き
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希少な原種の大和野菜や大和食材を用いたフレンチ「Bon appetit めしあがれ（ボナペティ めしあがれ）」
昔ながらの街並みが残るならまち。元興寺塔頭や十輪院南門前に、古都の風情を感じさせる築90年の町家が佇んでいます。
![古い町家を再生した店舗。元興寺の塔頭十輪院の向かいに建っています。]()
古い町家を再生した店舗。元興寺の塔頭十輪院の向かいに建っています。
このお店が、ならまちフレンチのパイオニアのひとりである大西佳則さんがオーナーシェフを務める「Bon appetit めしあがれ」。大西さんはフランスで修業した後、奈良郊外の富雄でフランス料理店を開業。そしてならまちの古い町家をリニューアルし、「めしあがれ」をオープンしました。
![奥に向かい縦長の町家の構造を活かし、テーブル席が設けられています。]()
奥に向かい縦長の町家の構造を活かし、テーブル席が設けられています。
富雄時代からのコンセプトである「本物の奈良の伝統野菜を味わってほしい」という思いは、時を経ても変わりません。そのために野菜づくりから携わったり、長い付き合いの農家から希少な大和野菜の原種を仕入れたりと、奈良の野菜にこだわっています。肉や魚も安心安全な食材を厳選し、素材の味を活かすためバターやクリームなどの使用を極力控えたフレンチを提供。ランチは3種類、ディナーは2種類用意されますが、どのお皿にもたっぷりと大和野菜が添えられます。
![彩りも美しい5,000円のディナーコースのオードブルの盛合せ]()
彩りも美しい5,000円のディナーコースのオードブルの盛合せ
![5,000円のディナーコースのメインディッシュ、フランス産鴨のロティ]()
5,000円のディナーコースのメインディッシュ、フランス産鴨のロティ
奈良市の景観保全住宅に指定されている建物の中は、クラシカルで上品なインテリアとほどよい照明が置かれ、落ち着いた雰囲気。外の喧騒を忘れてゆったりと食事を楽しめます。
周辺の予約制駐車場
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大和牛や黒毛和牛、大和野菜を雰囲気ある囲炉裏で。「囲炉裏ダイニング たなか（いろりだいにんぐ たなか）」
囲炉裏の中の赤々とした炭で炙った、旬の食材をその場で味わう…。そんな、美味しくて贅沢なひとときを過ごせるのが「囲炉裏ダイニング たなか」です。ならまちの中心・世界遺産の元興寺とは道を一本隔てて斜向かいという絶好のロケーション。古い建物が多いならまちにあって、伝統とモダンが融合したような雰囲気の外観が目を引きます。
![お店は、世界遺産・元興寺と道一本を隔てた斜め向かいにあります。]()
お店は、世界遺産・元興寺と道一本を隔てた斜め向かいにあります。
暖簾をくぐると、そこには木と土壁と囲炉裏がおしゃれな空間が広がっています。
![囲炉裏はテーブルに設置。カウンター席もあり1人でも遠慮なく利用できます。]()
囲炉裏はテーブルに設置。カウンター席もあり1人でも遠慮なく利用できます。
ディナーで味わいたいのが、最高級クラスの大和牛などの和牛、石川県の漁港から直送される鮮魚、奈良の契約農家を中心として届く旬の野菜などを炭火で炙るコース。焼肉と同じ要領で、自分で好みの焼き加減で食べるというスタイルです。ご主人の田中勇次郎さんが腕によりをかけた、旬の食材を盛り込んだオードブルも楽しみの一つ。囲炉裏の中で美味しそう焼けていく食材、炭火のはぜる音、香ばしい香りなど、五感のすべてで味わいましょう。
![7,000円のディナーコースから、「彩々」と名付けられた前菜の盛合せ]()
7,000円のディナーコースから、「彩々」と名付けられた前菜の盛合せ
![コースのメイン・特選黒毛和牛。ロースなどさまざまな部位が提供されます。]()
コースのメイン・特選黒毛和牛。ロースなどさまざまな部位が提供されます。
ランチタイムには、手軽なプレートや牛のひつまぶしなどのメニューもあります。また奈良散策のお供として、サーロインステーキ弁当やヘレかつサンドなどをテイクアウトできます。
近鉄奈良駅より徒歩20分、元興寺東門前にあります。
更新日：2024/05/03
周辺の予約制駐車場
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