スタンレーパーク内にあるバンクーバー水族館で、9月4日まで、特別展示「Nature’s Ninja」が開催されている。天敵から身を守るために、さまざまな進化を遂げた生物たち17種を展示、普段なかなかお目にかかることのない生き物を間近に見ることができる。
世界の各地域から珍しい生物がバンクーバーに
硬い甲羅を持ち、天敵に遭遇するとボールのように丸まるミツオビアルマジロ、トゲトゲの針で覆われたヨツユビハリネズミ、背景の色に合わせて体の色を変化させるカメレオンなど、17種類の生物が展示されている。
草や木の幹の陰、あるいは石の下に隠れているゲッコーやヘビ、亀など、どこにいるか探すのが大変な生物もいる。展示を見に来た親子連れが、「どこにいるかな?」「あのあたりにいるみたいだよ」と指さしながら、一生懸命探している姿も見られた。
会場のほぼ中央にある大きなガラスケースの中にいるナマケモノは、一番の注目の的になっていた。記者が見たことがあるナマケモノは大抵、木の葉の陰に隠れていたり、木の枝にほぼ動かずにとどまっているものばかりだったが、このナマケモノはなかなかアクティブで、ゆったりとした動きながらもケースの中にある木の枝をつたってぐんぐん移動していた。
珍しい生き物を間近で見るチャンス
この展示では、さまざまな生物が天敵などから自らの身を守るために遂げた進化の形を紹介している。それは、猛毒であったり、硬い甲羅、鋭い爪や歯、カモフラージュなど多種多様。
どの生物もBC州由来ではないため、普段はなかなか間近で見ることができないものばかりだ。会場内にはそれぞれの生物の生態などを説明したパネルの展示もたくさんあって参考になる。また、専門のスタッフによるガイドもおこなわれているので、チャンスがあったらぜひ参加して話を聞いてみよう。
カナダで最大の水族館
バンクーバー水族館は1956年にオープン、BC州沿岸や大西洋沿岸、南米アマゾンなどの海洋生物、さまざまな種類のクラゲ、アシカやラッコなどの海洋哺乳類などを展示している。
地元ジョージア海峡に生息する生物を展示する水槽では、ダイバーがやってきて魚などと触れ合う様子が見られたり、屋外のプールではアシカなどのお食事タイムが観覧できる。
ヒトデやウニなどをじかに触ることのできるタッチプールや、臨場感あふれる4Dシアターなど、子どもが楽しみながら海の生物に対する理解を深める場所ともなっている。
また、傷ついたり迷子になってしまった海洋哺乳類の保護にも力を入れており、ここでの治療やリハビリを経て、ふたたび海に戻す活動もおこなっている。(取材 大島多紀子)
Vancouver Aquarium(バンクーバー水族館)
住所:845 Avison Way, Vancouver
電話:778-655-9554
営業時間:午前10時~午後5時(学校の春、夏、冬休み期間中は午前9時半~午後5時半)
チケットはオンラインで事前購入が勧められている。
ウェブサイト:https://www.vanaqua.org/visit/tickets/
訪れる日によって入場料は異なる。13~64歳 37.95ドル~49.95ドル。その他、3歳~12歳、学生、65歳以上の料金設定もあり。2歳以下は無料。