大沢たかお「他人は他人。勝手に期待するから揉めてしまう」人との距離感を割り切れるようになったきっかけ

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かつて論争を呼び、社会現象となった大ヒット漫画『沈黙の艦隊』(講談社「モーニング」)。実写化不可能といわれていた衝撃作が、連載から約30年の時を超え映画化。原子力潜水艦に核ミサイルを積み、反乱逃亡する艦長・海江田を演じたのは、映画『キングダム 運命の炎』での好演も大きな話題となった大沢たかお。禁断のテーマを描いた本作への思いとは――。全3回にわたりお話をうかがった。【インタビューvol.3】

【これまでのインタビューはこちら】

みんな一緒、って思うから揉めてしまう

――vol.2では、対話の重要性についてお話をうかがいましたが、大沢さん自身は普段考え方が異なるなど、相容れない相手と対話するうえで心がけていることはありますか?

国同士だけでなく、人間同士でもそれは切実なテーマですよね。今の世の中はとくに、相容れない立場の者同士が互いに牙をむきあうか、とりあえず傷つかないように避けあうか、きわめて不健全な均衡を保っているように感じます。生きていれば絶対に、思想や価値観の異なる人とは出会います。すべての人と、何もかもをわかり合うなんて、正直言って難しい。僕は海江田のような勇気はないから、戦犯になる覚悟をもって先陣を切ることはできないけれど、戦争は絶対に終わらない、なんて言いきってしまうのもやっぱり切ない話だから、いつか平和は訪れると信じるしかないのかな……。

――難しいですよね。それぞれに言い分があって、どれもその立場の人にとって見たら“正しい”わけですから。

大事なのはやっぱり、“すべての人間は個人である”と自覚することなんじゃないかなと思いますね。みんな一緒、って思うから揉めるわけじゃないですか。同じ日本人だから、同じ組織で、同じ立場だから、仲間だと大きく括ってしまうのもどうなんだろうと僕は思います。他人は他人。どんなに近しくても、別の生きもの。気体や液体と違って、物理的に溶け合うことは無理ですから。

――どうしたって距離が生まれる。

心は別個なのだということを理解しておいたほうがいい。理解できない、相容れないというのはむしろ自然なことで、そういうものだと割り切ってしまえば、見える景色も変わってくるんじゃないかな。だから僕も、自分と意見の違う相手がいたとしても、そういうものだからあんまり気にならない。気にならなければ、揉めることも少なくなる。その積み重ねじゃないでしょうか。

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相手に興味をもって、耳を傾けることが、対話の第一歩

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