三重の上野天神祭で本番前の街角にだんじり 鬼行列の大御幣の新調も

亀岡龍太
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 「上野天神祭のダンジリ行事」(21~23日)の舞台となる三重県伊賀市の伊賀上野城下で15日、だんじり全9基のうち4基が街角に雄姿を現した。また鬼行列では、神様のよりしろとして先頭付近を5人がかりで持ち歩く日本最大級の「大御幣(おおごへい)」が三十数年ぶりに新調され、その練習もあった。

 この日は午前中、骨組みの状態で保管するだんじりを引き出し、金具や棒、飾り幕などを取り付ける「組み立て」の作業が各町であった。昼前には上野東町の「桐本」、上野西町の「花冠」、上野向島町の「鉄英剣鉾(てつえいけんぼこ)」、上野鍛冶町の「二東」がそれぞれ組み上がった。通りがかった人たちは「いよいよ祭りやな」。

 上野東町の自治会長、谷村繁之さん(75)は「2年間のブランクで、組み立ての手順を間違ってやり直すこともあったが、3年ぶりの巡行に意気は上がっている」と話した。組み立てただんじりは各保管庫に再び納められ、本番を待つ。

 一方、「だんじりと一緒に歩くのは他の祭りで聞かない」(市教委文化財課)という鬼行列。これを担う町が並ぶ「三之町筋」では、新調された大御幣を扱う練習があった。高さ約6メートルで重さは約100キロ。白い心柱の周囲に青、赤、黄、黒の4本の柱があり、23日の巡行では5人の男衆が各柱を持って歩く。

 新調したのは、上野紺屋町、上野相生町、上野三之西町でつくる三鬼会。竹を持つ部分がすり減るなどしたため、数年前に柱となる竹を入手し、本番で上から細長く垂らす越前和紙を裁断するなどして準備していた。

 15日は、各色のテープを巻き付けた5本の竹をつなぎ合わせ、男衆が実際に屋外で取り回した。男衆の一人は「竹のしなり方や太さなどがこれまでと違い、どうなるかが気になるが、次世代のために新調した大御幣を持てることは光栄」と話していた。(亀岡龍太)

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