雪から土壁を守る「薦掛け」 金沢市の長町武家屋敷跡でスタート

小島弘之
[PR]

 【石川】冬本番に備え、金沢市の長町武家屋敷跡で3日、土塀を雪から守る「薦(こも)掛け」が始まった。4日までに周辺の土塀(総延長約1240メートル)を薦で覆う。

 3日は県造園業協同組合の職人ら約30人が作業にあたり、武家屋敷跡に並ぶ民家などの土塀に薦を取りつけた。薦は、わらでできた高さ95センチ、幅3・6メートルの特注品。雪や雨で土塀に水が染みこんでひび割れしたり、土がはがれ落ちたりすることを防ぐという。

 薦を外すのは来年3月中旬ごろ。金沢市景観政策課の担当者は「この冬は大雪との予報もある。薦を掛けることで、美しい景観を守っていきたい」。

 薦掛けは古くから続く冬の風物詩だ。作業を見るために足を運んだという会社員の男性(68)=同市=は「薦を見ると冬の訪れを感じる。薦をつけていく職人の表情も見応えがある」と話した。(小島弘之)

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

【本日23:59まで!】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら