学校の避難訓練ってどうなの? 高校生3人が発表

滝川直広
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 地震の避難訓練といえば、「発生のアナウンス→机の下に潜る→校庭に避難」が定番だ。だが、「本当にそれでいいのかな」と疑問をもった高校生たちがいる。近隣の府立学校に避難訓練について質問したほか、自校の教員や生徒にもアンケートして訓練に対する意識を探った。21日に京都府福知山市で開かれる避難のあり方に関するシンポジウム(同市主催)で、その結果を発表する。

 福知山高校文理科学科2年生の平野星那さん(17)、長尾華奈さん(17)、椹木文余さん(16)。3人は今年度、総合的な探究の時間「みらい学Ⅱ」で防災教育をテーマに据えた。パターン化した自校の避難訓練に疑問を抱き、訓練をより実践的なものにしようと調べ始めた。

 まず、他校の避難訓練から分かることはないかと考えた。橋根素樹副校長の協力を得て、中丹地域の府立高校と支援学校に訓練の回数や内容についてアンケートを実施。6校から回答を得た。

 府立工業高校(福知山市)や中丹支援学校は、学校の特性による特徴があったが、福知山高校のように普通科が主体の学校は内容に大差なかった。

 橋根副校長によると、福知山高校ではこれまでの避難訓練について、教員から改善が必要という意見が出ていた。そこで昨年10月に実施した今年度2回目の避難訓練は、同校で初めて「抜き打ち的」な形で実施した。

 ある期間内に訓練をするとだけ告知し、日時は知らせなかった。訓練は10月31日にあった。その後、3人は付属中学校を含めた全生徒にアンケートを行い、2回目の訓練内容の評価を聞いた。中高合わせて840人のうち、4分の1を超える231人が答えた。

 日時を知らせなかったことは83%が効果的と答えた。ただ、訓練日が予告期間の最終日で、しかも7時限目だったことに「最終日の最終時限なので、やらないはずがない」「先生が廊下をうろうろしていたので、実施すると分かった」などの意見が寄せられた。

 一方、「緊張感があってよかった」「ホームルームの教室ではない場所からの避難ができた」と評価する意見もあった。

 3人は「防災教育探究チーム」として、21日のシンポで10分間の発表をする。タイトルは「学校の地震に関する防災教育~他の事例から学ぶ実践力を高める術とは~」。アンケートの結果などを紹介し、考察で緊張感が大切などと説明する。

 リーダーの平野さんは「抜き打ち訓練はある程度緊張感があるが、実際の地震と比べるとリアリティーが足りない。どの学校でも共通すると思う」と話している。(滝川直広)

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