全国で唯一「法華岳うずら車」作る75歳 宮崎県の伝統工芸士に認定

中島健
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 1200年以上の歴史があると伝わる郷土玩具「法華(ほけ)岳うずら車」。製作する宮崎県国富町の小山五雄さん(75)が20日、宮崎県の伝統工芸士に認定された。小学生のときから父に倣って作り始めたが、いまやつくるのは1人だけ。「後を継ぎたい人が出てくるのを望んでいます」と話している。

 法華嶽薬師寺の建立が起源ともされる、イヌタラと呼ばれる木などを使った玩具。トゲがある樹皮をはぎ、なたで切ってウズラのようにかたどり、絵付けする。脚の車は、松の輪切りを使うという。厄よけの縁起もあるとされ、宮崎市佐土原町の「久峰うずら車」とともに、1983年度に県の伝統的工芸品に認定された。胴が短いのが法華岳、長いのが久峰の特徴という。

 小山さんが幼い頃は、薬師寺の大祭のときに参道沿いの家々の前で売られるほど一般的だった。小山さんは山仕事のかたわら、年間数百個つくっているが、高齢化などでほかの製作者はいなくなった。

 歴史や縁起などを知った町内のデザイナー日高久留美さんらが昨年、保存会を結成し、うずら車の周知に取り組み始めたところだという。

 うずら車は、町役場の売店や直売所「わちどんが村 式部の里」などで販売されている。3月5日までは、県庁横の「みやざき物産館KONNE」(宮崎市宮田町)に作品が展示されている。(中島健)

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