前橋市生まれの詩人・萩原朔太郎の没後80年を記念した映画が完成した。朔太郎を師と仰いだ詩人・三好達治(1900~64)と朔太郎の末妹が織りなす愛の物語「天上の花」で、来月から全国の劇場で順次公開される。原作は朔太郎の長女で作家の故・萩原葉子さんの同名小説。戦争という激動の時代のさなか、懸命に生きた者たちへの鎮魂歌ともなっている。
15日、群馬県庁で記者会見があった。
片嶋一貴監督は「『近代詩の父』とも呼ばれた朔太郎を達治はリスペクトしていた。その憧れが(朔太郎の末妹の)慶子への愛と憎しみになっていった」と語った。昨年夏、朔太郎ゆかりの前橋文学館を訪れた際に映画化のインスピレーションが湧いたといい、昨年11月1日にクランクイン。県内では碓氷峠鉄道文化むら(安中市)などで撮影したという。
会見には、文部科学省の元官僚で今回はプロデューサーを務めた映画評論家の寺脇研さんも同席。「達治は美しい詩を書く人だったが、一方で戦争賛美の詩も書いた。『君は間違っている』と朔太郎をいさめる場面も今回の映画では描かれており、それを見てほしい」と話した。
監督「茫洋とした雰囲気が魅力」
物語の主人公は、純粋な文学…
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