かえってくる奉納手筒花火 「遠州新居」4年ぶり 新居中で7月29日 準備本格化

 湖西市新居町で約300年前の江戸時代から受け継がれる諏訪神社奉納煙火(遠州新居手筒花火)が7月29日夜、同市の新居中で行われる。コロナ禍で中止が続き、本格的な手筒花火の奉納は4年ぶり。コロナ前にも2回、台風で一部日程が中止されたため、手筒花火を愛する地域住民には久々の機会となる。地元の「花火6町」と呼ばれる地域では、住民らによる花火づくりの作業が本格化している。

手筒花火に使う竹を切り出す住民ら=湖西市新居町
手筒花火に使う竹を切り出す住民ら=湖西市新居町
乾燥させた竹にござを巻く作業=湖西市新居町
乾燥させた竹にござを巻く作業=湖西市新居町
手筒花火に使う竹を切り出す住民ら=湖西市新居町
乾燥させた竹にござを巻く作業=湖西市新居町

 6月中旬、保存団体の一つである新居町手筒花火愛好会が市内の竹林で竹切りの作業を行った。経験豊富な会員の助言を受けながら一人ずつ竹を選び、竹ののび方や節の角度などを確認して1本ずつ切り出した。必要な長さに切断すると、熱湯で煮てあくを抜いた。
 男衆が乱舞する「猿田彦煙火」を取り仕切る上西町では同日、乾燥させた竹にござを巻き付ける作業が行われた。仲町では、ござと縄を固定するための竹くぎを、住民らが1本ずつ手作りした。新居町内では祭り当日まで、休日を中心に住民らが集まり作業する光景が見られる。
 遠州新居手筒花火保存会の高村一幸会長は「やはり祭りが近づくと町の熱気が違う。300年以上伝統を継承してきた先人たちの思いも背負い、祭りを執り行いたい」と意気込む。
 諏訪神社の例祭は7月29、30の2日間で、手筒花火の奉納は29日の前夜祭(午後7時15分~9時)に行う。従来は前夜祭の前日に花火の出来栄えを確かめる「試み」を新居小で行っていたが、今年は前夜祭のみの奉納。荒天中止。

いい茶0
あなたの静岡新聞 アプリ
地域再生大賞