見放題から外れるので30数年ぶりに見直しました。最後に救いがあると知っているから完走できましたが、途中はセーラの境遇が不憫で観るのが苦しかったです。
今だから気づいたのは絶対的な階級社会の厳しさが描かれていること。セーラはベッキーやピーターと強い心の絆はあるでしょうが、関係は最後まで主人(「お嬢様」)と使用人のままで、彼らを学友の立場に引き上げたりはしない。モーリーやジェームスも、戯れにセーラを虐めていたというよりは、自分たちも仕事がきつい中で、より立場の弱い者に苛立ちをぶつけていたのかもしれませんが、別にセーラや生徒たちを妬んでいるわけではない。「住んでいる世界が違う」と思っているのでしょう。ドナルド(カーマイケル弁護士の子)の素直さと厳しい児童労働の対比も目を引きます。
原作当時の時代背景からこれが現実なのでしょうが、苦いハッピーエンドでした。ともあれ、名作です。