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東製綱株が半年ぶり上昇率、太陽電池関連の急拡大期待-海外は増産へ

ワイヤロープ類の製造を手掛ける 東京製綱の株価が大幅続伸。前日比9%高の243円と、2009年12月1 日(12%高)以来、約半年ぶりの日中上昇率を記録した。中国やアセア ンで太陽光発電が広がっていることから、太陽光発電関連事業の急拡大 が期待されている。

コスモ証券投資調査部の岩崎彰シニアアナリストは「太陽電池用シ リコンのソーワイヤ(太陽電池ウエハーをスライスする装置の備品)を 手掛ける旭ダイヤモンド工業の株価が先んじて上昇する中、太陽電池向 けソーワイヤで世界最大級の東製鋼株の出遅れ感が強かった」と指摘、 東製鋼株の見直し買いが増えたとみている。

東製鋼は現在遂行中の中期経営計画で、新興成長諸国での太陽光発 電関連事業の拡大を注力課題に挙げており、マレーシアと中国に太陽電 池向けソーワイヤの新工場を建設、ワイヤソー(製造装置)の増産を含 め、12年3月期までの2年間で110億円の海外投資を行う。

ソーワイヤを含む「スチールコード」部門の今期(11年3月期) 売上高は前期比33%増の240億円に増大し、連結売上高での構成比も 前期の25%から32%に高まる予定。

岩崎氏は、会社側が14年3月期の連結業績目標(売上高1000億円、 経常利益100億円)達成に向けて着実に手を打っている点を評価、「太 陽光発電の拡大に伴い今来期の業績は高い伸びを示す一方、株価の割安 感が強い」と述べていた。

同証券による東製鋼の来期まで2年間の1株利益(EPS)成長率 は年平均64%。16日終値時点での株価収益率(PER)23倍で算出し たPEGレシオは0.36倍と低く、株価は高い成長率を十分織り込んで いない。

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