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「無罪請負人」弘中弁護士がゴーン被告の担当に、大鶴氏は辞任

更新日時
  • 村木厚子元厚労省次官の文書偽造事件を担当、無罪判決勝ち取る
  • ゴーン被告:裁判を控え弘中氏を選任、「徹底的に抗弁していく」

日産自動車の元会長、カルロス・ゴーン被告の弁護人を務める大鶴基成弁護士らが弁護人の辞任届を裁判所に提出した。所属するサン綜合法律事務所が13日、公表した。今後は過去に担当した事件で無罪判決を勝ち取ったことがある弘中惇一郎弁護士らが新たに弁護を担当するという。

Carlos Ghosn's Legal Team Holds Briefing

大鶴弁護士(都内、1月8日)

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  弘中弁護士の事務所は、弘中氏がゴーン被告の弁護人を務めることを確認。大鶴氏の後任の主任には別の事務所の弁護士が就任するという。弘中氏は文書偽造などの罪に問われた厚生労働省の村木厚子氏(後に事務次官)で無罪判決を勝ち取った。産経新聞は東京地裁で14日に行われる検察側、弁護側、裁判官によるゴーン被告らの公判に向けた初協議には、弘中氏が出席すると報じた。

  弘中氏の事務所のウェブサイトによると、同氏は1968年に東京大学法学部卒業後、70年に弁護士登録。現在は東京弁護士会所属で「無罪請負人 刑事弁護とは何か?」など複数の著書もある。

  ゴーン被告は弁護士交代に関して声明を発表。大鶴弁護士に感謝を示す一方で今後の裁判を見据えて弘中弁護士に依頼することにしたとし、今後は「徹底的に抗弁していく」とした。

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ゴーン元会長

Photographer: Marlene Awaad/Bloomberg

  大鶴弁護士は検事時代に東京地検特捜部長などを務め、昨年11月のゴーン元会長の逮捕直後から弁護を担当。報道陣の取材にも応じ、ゴーン被告の無罪を訴えていた。同様に弁護を担当していた押久保公人弁護士も大鶴氏とともに辞任届けを提出した。

  1月7日にゴーン元会長が勾留理由開示請求で東京地裁に出廷した後の日本外国特派員協会での会見で大鶴氏は、事件の見通しについて証拠も英語と日本語が混在するなど「非常に難しい事件」とし、初公判まで「半年はかかるだろう」などと述べていた。

  元検事の郷原信郎弁護士は、大鶴氏は「特捜部と戦う弁護士ではない」とし、「辞任は予想されていたこと」と指摘。弘中氏は「今まで徹底的に検察と戦ってきて実績をあげている人」であることから「無罪の可能性は相当高いと思う」との考えを示した。

(弁護士交代に関するゴーン被告の声明などを追加して更新します.)
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