諸戸氏庭園

もろとしていえん


諸戸氏庭園

指定区分

指定種別

名勝

指定・登録日

市町

桑名市

所在地

桑名市太一丸他

所有者

公益財団法人 諸戸財団

員数

-

構造

面積10,481.41㎡

年代

江戸時代~明治時代
関係サイト
関連資料

概要

 諸戸氏庭園は、重要文化財(建造物)諸戸家住宅の邸宅庭園である。江戸時代の庭園をもとに近代桑名の豪商諸戸清六(もろとせいろく)が拡張整備を手がけたもので、邸宅中央部の旧山田氏林泉(きゅうやまだしりんせん)と呼ばれる区域と、これに接する西部の広間(御殿)の前に広がる区域が庭園の主要部を形成している。
 邸宅中央部の区域は、『久波奈名所図会』(享和2年(1802))に山田氏林泉としてみえる近世桑名の豪商山田氏邸宅の主庭であったものを、明治時代に諸戸清六が購入、拡張改修したもので、池の東には茶室が配され、開放的な茶会庭園としての趣をもっている。 
 邸宅西部の区域は、清六が広間等を建築した時に、広間の東正面に新たに作られたもので、広間から全体を見下ろすように作られた池庭は、敷地を廻る溝渠(こうきょ)を通しての潮の干満により、水位が上下する汐入り形式である。池庭を一周する園路には石橋、枯滝石組等が配置され、奥の青石貼りの築山は独創的である。また、東京の旧岩崎家深川別邸(清澄庭園)などと共通するところもあり、明治時代の有力者の邸宅にみられる豪壮な広間建築と一体となった池庭の特徴を備えている。
 近世から伝わった庭園を整備した旧山田氏林泉と、新たにつくられた明治期の特徴をもつ汐入り池庭とが一つの邸宅庭園として構成されており、明治時代後半に豪商が築造した庭園として優秀なものと言える。

ページのトップへ戻る