Vitaly Kuzmin
ロシアの戦車支援戦闘車「ターミネーター」の購入に、いくつかの国が関心を寄せているとロシアの国営メディア、スプートニクが伝えた。
イスラエルとシリアの両国が、BMPT-72、別名「ターミネーター2」に興味を持っているようだ。スプートニクによると、ターミネーター2は6月後半、シリアで試験運用と思われる様子が確認されている。
FBIは現在、スプートニクが「ロシアの、事実上のプロパガンダ・メディア」である可能性を捜査している。今回の報道も鵜呑みにはできないだろう。
しかし、ロシアのターミネーターは、注目に値する。
その性能を写真で紹介していこう。
主な用途は、市街地の戦闘における戦車の援護。対戦車兵器によってロシアの戦車が大きな痛手を被った、アフガニスタンやチェチェンでの反省から生まれた。
Vitaly Kuzmin
30mm機関砲の発射速度は毎分800発、射程は4000ヤード(約3.7キロ)。アターカ-T対戦車ミサイルは、厚さ2フィート(約60センチ)の装甲を貫く。
Vitaly Kuzmin
数々の兵装を誇るが、他の支援戦闘車と一線を画す特徴は、砲塔の高さ。
Vitaly Kuzmin
砲塔はかなり高く設定され、砲手は外部に身を晒すことなく兵器を操作できる。
出典:シム・タック(Sim Tack)氏、Force Analysis主席軍事アナリスト、元ストラトフォー(Stratfor)所属。
砲塔の高さが分かる。
Vitaly Kuzmin
砲塔の背面。
Vitaly Kuzmin
初代のターミネーターは、90年代後半に初めて公開された。
Vitaly Kuzmin
初代と2の主な違いは、初代ターミネーターには他の兵装に加えて、車体の左右に30mm自動榴弾発射機が1門ずつ装備されていた。また、初代ターミネーターの車体はT-72戦車から流用した高価なものだった。砲塔にはアターカ対戦車ミサイルが垂直方向に装備されていた。
出典:Jane’s 360
一方、ターミネーター2は軽量化、低コスト化が図られ、運用は容易になったが、火力は削減された。初代は一度に3つの目標を攻撃できたが、ターミネーター2は1つのみ。
Vitaly Kuzmin
だが、シリアで目撃されたターミネーター2は、実戦配備可能な唯一の車両と報じられている。
シリアのアサド大統領とともに写真に収められたターミネーター2。
Screenshot/Twitter via @Presidency_Sy
ターミネーター2は販売に難航したと見られており、またロシアは第3世代となるターミネーターを製造していることからも、ターミネーター2は写真のこの1台しかないと推察される。
出典:Sputnik
T-15、別名ターミネーター3。アルマータ共通戦闘プラットフォーム(Armata Universal Combat Platform)を使った最新車両。
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T-14戦車を含むこれらのアルマータ・シリーズ(アルマータ共通戦闘プラットフォームを使った車両)は、まだプロトタイプで、量産されていない。さらにはどの車両がアルマータ・シリーズなのかも不明だ。T-15、ターミネーター3の性能も不明。だが、このT-15が本当にターミネーター3だとすれば、兵装は30mm機関砲だけのようだ。
出典:シム・タック(Sim Tack)氏、Force Analysis主席軍事アナリスト、元ストラトフォー(Stratfor)所属。
ターミネーターがデモンストレーションでバスを破壊する様子
[原文:13 photos of the 'Terminator,' the armored fighting vehicle Russia reportedly sent to Syria]
(翻訳:忍足 亜輝)