俳優兼プロデューサーのブラッド・ピット。
Joel C. Ryan/Invision/AP
- ブラッド・ピットは『オーシャンズ』シリーズや『セブン』『マネーボール』といった作品でよく知られた俳優だ。
- 『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』や『アド・アストラ』などにも出演したこのスターについて、ファンが知らないかもしれないことがいくつかある。
- 例えば、彼は『ヒックとドラゴン』で涙を流し、好きなお菓子はトゥイズラーといったことだ。
10代のころのブラッド・ピット(Brad Pitt)はアメリカ中西部に暮らすスポーツが得意な少年だったが、その後、ハリウッドで最も有名なスターの1人へと駆け上っていった。
まずは『ダラス』などのテレビ番組で役を得た後、『テルマ&ルイーズ』『リバー・ランズ・スルー・イット』『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』などの映画に出演した。
『オーシャンズ』シリーズや『セブン』『マネーボール』『12モンキーズ』での演技は高く評価されている。また、優れたプロデューサーでもあり、『それでも夜は明ける』でアカデミー賞の作品賞を受賞した。
エンターテイメント業界で長く活躍し、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』や『アド・アストラ』にも出演したこのスターについて、ファンが知らないだろうことがいくつかある。
ここでは、ブラッド・ピットの大ファンでも知らないかもしれない10の事実を紹介しよう。
映画を見ても「あまり泣くことがない」そうだが、『ヒックとドラゴン』には心を打たれたという
『ヒックとドラゴン』は2010年に公開された。
DreamWorks
「最終的に、主人公は片足を失ったが、彼らはドラゴンと仲良く暮らすようになった...それにぐっときてしまったんだ」とピットは2012年にWマガジンに語った。
また、メキシコからカナダへ行く途中に体調を崩して休んでいた時に、ケビン・クラインが出演する『海辺の家』を見ながら「泣いた」とも語った。
「今見ても同じように感じるかは分からないが、27時間も辛い時を過ごす中で、私はこの映画に圧倒された」
『ファイトクラブ』の撮影に当たり、自発的に前歯を抜いた
『ファイトクラブ』に出演したブラッド・ピット。
Twentieth Century Fox
1999年に公開されたこの映画で、ピットはタイラー・ダーデン(Tyler Durden)を演じた。
「ブラッドは、役柄のためならばどんなことでも喜んでやる」と、彼の広報担当者のシンディ・グアジェンティ(Cindy Guagenti)は1998年当時、エンターテイメント・ウィークリーに語った。
「ほとんどの人は歯医者に行くのを嫌がるのに」
映画の撮影を終えてから、ピットは歯を修復した。
演技よりもプロデュースの方が楽しい
ピットは2012年のインタビュー誌でガイ・リッチー監督と対談し、「カメラの後ろにいる方が好きだ」と語った。
「プロデューサーとすれば、あなたは物語をスクリーンに届けるチームの一員だ。あなたやあなたのチームが一丸となって取り組まなければ、映画は完成しない。そこが好きなんだ」
ピットは制作会社「プランBエンターテインメント(Plan B Entertainment)」(2001年11月に彼とジェニファー・アニストンが設立)も運営している。同社は『ディパーテッド』『マネーボール』『ワールド・ウォーZ』、また2014年にアカデミー賞を受賞した『それでも夜は明ける』など、ピットがプロデュースあるいは出演した作品を作ってきた。
演技の道を進むために大学を中退した。ジャーナリズムの学位を取得するまでに、あとわずか2単位ということろだった
ブラッド・ピット。1999年9月撮影。
Francesco Proietti/AP
ピットはミズーリ大学に入学し、22歳で退学した。「卒業の時期が来ると、友人たちはみな就職に向けて張り切っていた。だが私はまだ準備ができていないと気付いたんだ」と、ピットは2011年に公共ラジオのNPRに語った。
2013年のエスクァイア誌のインタビューでは「ずっと映画から学ぶことが好きだった。それまで考えたこともなかったようなアイディアが得られるからだ」と語った。
「私が生まれ育った場所では、映画の仕事は選択肢になかったが、卒業のほんの2週間前にふと思いついたんだ。もしここにチャンスがないのなら、チャンスがある場所に行けばいいと。本当にシンプルなことだ。でもそんなことを考えたのは、それまで一度もなかった」
映画の中でよく食事をしているのは、忙しくしている状態が好きだからだという
『オーシャンズ』シリーズで、ラスティ・ライアンを演じるブラッド・ピット。
Warner Bros.
ピットは2019年に行われたウェブメディア「JOE」のインタビューで、「忙しくしているのが好きで、生まれついての食いしん坊だ」と語った。
ピットが映画の中で食べているという証拠はたくさんある。食事シーンをまとめた動画や、映画の中で食べた物をすべてリスト化したサイトまであるのだ。『オーシャンズ』で演じたラスティ・ライアンは、食べているシーンが多く、それは彼のキャラクターらしいことだと、ピットは述べた。
「彼はいつも逃げ回り、動き回るので、座ってまともな食事はできないと考えたんだ。だから、彼はいつも逃げながら素早く食べていた」
パイロットのライセンスを持っている。元妻のアンジェリーナ・ジョリー(Angelina Jolie)が「引き込んだ」という
ブラッド・ピットとアンジェリーナ・ジョリーの離婚は2016年に明らかになった。
Getty/Pascal Le Segretain
「彼女の方が間違いなく経験豊富だ」とピットは2008年にローリングストーン誌に語った。
「そう、彼女は怖いもの知らずだ」
飛行については、2人とも「それぞれのスタイルがある」という。
「私はディテールが好きで、彼女は移動することが好きなんだ」
ストリッパーが「私の人生を変えてくれた」と語り、俳優としての道を切り開く助けをしてくれたと考えている
ブラッド・ピットは、俳優としての地位を確立する前に、ストリッパーを送迎する運転手をしていた。
ハリウッドで成功を収める前、ピットはファーストフードチェーン「エル・ポロ・ロコ」のマスコットの着ぐるみを着たり、ストリッパーの運転手を2カ月間務めたりと、さまざまな仕事をしていた。
「私の仕事は、ストリッパーをバチェラー・パーティーなどに連れて行くことだった」と、ニューズウィーク誌によるアカデミー賞座談会で語った。
「お金を集め、テープに録音された音の悪い音楽を流し、ストリッパーが脱いだ服を受け止める」といった仕事内容だった。
「健全な雰囲気ではなく、正直なところ、目新しさはすぐに失われ、どんどん憂鬱な気分になった」
だが、ストリッパーの1人がロイ・ロンドン(Roy London)の演技講座を受講していて、ピットもそこで何か学べるのか、見てみることにしたという。
「私が方向性を見出すための、非常に重要な時期だった」
好きなお菓子はトゥイズラー
ブラッド・ピットはトゥイズラーが好き。
Jason Kempin/Getty Images for Netflix
ピットは1998年に「オプラ・ウィンフリー・ショー」に出演した際、トゥイズラー(Twizzlers:リコリスなどの独特なフレーバーで味付けされた棒状のグミのようなもの)が好きだというちょっと意外な情報を明かした。
ウィンフリーは驚いた様子で「トゥイズラーが好きな人に初めて会った」と述べていた。また、ピットの好きな軽食はピザであり、お気に入りのシリアルはフロステッド・フレークだという。
今までに出演した映画の中で一番好きな作品は『ジェシー・ジェームズの暗殺』だが、この作品の「興行成績は最悪」だったという
『ジェシー・ジェームズの暗殺』に出演したブラッド・ピット。
Warner Bros.
ピットは2017年5月、GQに「私はヒット作を何本も世に送り出してきたが、特に気に入っているのは、私が手掛けた作品の中で最悪の興行成績だった『ジェシー・ジェームズの暗殺』だ」と語っている。
「価値のあるものだと私が信じていれば、いずれは本当にそうなると確信している」
ピットが主演・製作を務めた同作は、2007年に公開され、興行収入は400万ドルだった。
一方、『ディパーテッド』『トロイ』『オーシャンズ11』『ミスター&ミセス・スミス』といったヒット作の興行収入は1億ドルを超えていた。
『サタデー・ナイト・フィーバー』がお気に入り
『サタデー・ナイト・フィーバー』に出演したジョン・トラボルタ 。
「子どもの頃、『サタデー・ナイト・フィーバー』が大好きだった」と、ピットはNPRに語った。ジョン・トラボルタ(John Travolta)主演の1977年の映画だ。
「この映画についてあれこれ言う人もいるが、私にとってはわけが分からないほどまったく新しいカルチャーで、すっかりハマってしまった。R指定だったこともあり、私の心の中で特別な場所を占めている」
他のお気に入りは『カッコーの巣の上で』や『博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか』などだという。
[原文:10 things you probably didn't know about Brad Pitt]
(翻訳:仲田文子、編集:Toshihiko Inoue)