円鍔勝三さんが手がけた「朝」

 JR広島駅(広島市南区)の新幹線口に、黄金のブロンズ像「朝」があります。作者は、平和記念公園(中区)内にも数々の作品を残した円鍔(えんつば)勝三さん(19052003年)。文化勲章を受章した尾道市御調町出身の彫刻家です。広島に山陽新幹線が開通したことを記念し、79年に設置されました。

 円鍔さんは広島の躍進や希望をイメージし、ラッパを吹く少年や踊る女性を組み合わせました。物語のワンシーンのような世界観は、円鍔作品の大きな特徴です。2017年、金箔(きんぱく)を貼り直すなど修復を経て、元の設置場所から15メートルほど西にある現在の位置に移されました。駅を行き交う人々を今日も見守っています。(福田彩乃)