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桃田、11カ月ぶりの復帰戦快勝で五輪へ再スタート「のびのびプレーできた」

2020年12月23日 19時04分

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男子シングルス1回戦でプレーする桃田賢斗(代表撮影)

男子シングルス1回戦でプレーする桃田賢斗(代表撮影)

 バドミントンの全日本総合選手権の第2日が23日、東京・町田市立総合体育館であり、男子シングルス1回戦では世界王者の桃田賢斗(26)=NTT東日本=が2―0のストレート勝ちで初戦を突破。1月に交通事故で負傷して以来11カ月ぶりの復帰戦を快勝で飾り、来夏の東京五輪へ再スタートを切った。
 不慮の事故もあった。新型コロナウイルスによる東京五輪の延期もあった。我慢の11カ月を経て、強い桃田がコートに戻ってきた。「試合前は独特の緊張感があった。居ても立ってもいられないソワソワ感、そういうのも含めて帰ってきたなと感じた」。高校生相手に21―12、21―14。2ゲーム目途中からは強打を控え、ショットの感覚を確かめる余裕もあった。
 1月、遠征先のマレーシアで交通事故に巻き込まれた。運転手が死亡するほどの大事故。自身も大けがを負って入院した桃田は「まだバドミントンはできますか?」と日本代表の朴柱奉ヘッドコーチにこぼした。帰国後には右目の眼窩底骨折も判明した。
 リハビリの最中にはコロナ禍も重なった。単調な日々に桃田は「パフォーマンスは下がった。練習にもマンネリを感じていた」と言う。夏には母校の福島・ふたば未来学園で個人合宿した。「後輩たちがキラキラした目でバドミントンに取り組んでいた。あれから練習の質が上がった」。徐々に己を取り戻した。
 無敵を誇った事故前にはまだ及ばない。「相手の動きが見えていない。スマッシュを返されたときに戻りが遅い」と課題を挙げる。それでも桃田の表情は明るい。かつては違法賭博問題からの復帰戦も経験した。
 「あのときは周りの目を気にしていた。きょうはのびのびプレーできた。圧倒的に温かかった」
 挫折を肥やしに世界トップへ駆け上がったときのように、桃田はブランクを経て強くなる。

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