私も随分白鵬の言動には苦言を呈してきたが…立派な部屋と力士をつくってくれ【北の富士コラム特別編】
2021年10月1日 05時00分
◇はやわざ御免 特別編
千秋楽翌日の朝方4時ごろ目が覚めたので枕元のラジオをつけると、ちょうどニュースの時間で白鵬の引退を知った。これが本当に寝耳に水というのだろう。引退発表は、ある程度予想はしていたので驚きはしなかったのだが、まさか楽の翌日の朝に報道されるとは思ってもみなかった。この報道には協会も白鵬自身も当惑したことだろう。最後の最後まで人騒がせな横綱であった。
正式に引退発表が行われたが、優勝45回を誇る大横綱にしては、横審や協会幹部から今のところねぎらいの言葉もあまりない寂しい引退であった。
当然引退したら悲願の自分の部屋を持って後進の育成をすることになるのだが、どうやらそうは簡単には事が運ばないようである。
聞いた話だから確信はできないのだが、どうやら白鵬の独立に反対の声が出たらしい。横審の先生方の反対の声なら納得できるが「年寄資格審査委員会」という仰々しい会議で白鵬の独立に注文がつけられたようだ。これまでの白鵬の言動が問題になったらしい。
確かに私も随分彼の言動には苦言を呈してきたが、だからといって部屋を持つ資格がないとは思わない。
勝負に執着する余り行き過ぎた行為は枚挙にいとまがないが、それもこれも相撲が好きだから愛しているからの出来事である。これまでのことは十分に反省していることだろう。
それに白鵬がこの世界に残した功績は誠に大きいものがある。協会が苦しい時期、彼は孤軍奮闘、頑張ってくれた。東日本大震災の時も力士会と協力して慰問に精を出し「白鵬杯」で世界の子どもたちに相撲の楽しさを10年間の長きにわたり教え続けてきた。
この大会から阿武咲をはじめ多くの力士が相撲界に入門している。これだけ見ても彼の功績は大きい。
どうだろう、白鵬に気持ち良く相撲部屋を持たせてはどうだろう。ところで白鵬は心のどこかに一代年寄に期待していたみたいだが、それはかなわなかった。横審の先生方のひんしゅくを買ったのは大きい。協会も乗り気が全くなかったようだ。自業自得と思って諦めろ。
千代の富士は自分の方から断っている。それと、余り縁起が良くないようだ。白鵬はすでに石浦や炎鵬、北青鵬ら力士を育てている。その辺の才能はあるようだ。引退したらもう横綱の見えは捨てるべきだ。何か勝手の違う記事になってしまったが、立派な部屋と力士をつくってくれ。
別の機会に入念に書きたいこともある。終わりに忠告を一つ。約束の時間は守るように。(元横綱)
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