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中村メイコさん、最期は夫・神津善行さんの腕の中で…「彼女は計算して自分に抱かせたんだと思う」【中村メイコを乾杯で送る会】

2024年3月18日 18時42分

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 肺塞栓(そくせん)症のため昨年12月31日に89歳で亡くなった女優中村メイコさん(本名・神津五月さん)のお別れ会「中村メイコを乾杯で送る会」が18日、東京都内のホテルで行われ、うつみ宮土理(80)、堺正章(77)、山田邦子(63)ら親交の深かった俳優やタレントらが弔問に訪れた。

大好きだったガーベラと神津善行さんが選んだ中村メイコさんのポートレート写真

 会場中央に飾られた写真は、生前に中村さん本人が選んでおいたという80歳ごろのポートレート。その前にはお酒が大好きだったという故人をしのび、赤・白ワインとスコッチウイスキー、真っ赤なガーベラが花瓶いっぱいに添えられた。両脇には、2歳から女優として活躍した中村さんのブロマイドやポスター、紅白の司会時での美空ひばりさんと写した写真や、昨年10月に受賞した名誉都民顕彰の勲章などが彩った。
 取材に応じた長男で画家の神津善之介さん(51)は「カーテンコールのような会だと思っています。乾杯をしてもらうような気持ちで、明るく優しい目で送り出していただけたら」と趣旨を説明した。2日で1本のウイスキーをなくなる直前まで飲むほどの酒豪だったという中村さん。次女で女優の神津はづき(61)は「お棺に寝たときにも花びらにお酒を付けて含ませてあげたくらい。しらふの母はほとんど見た記憶がない」とほほえんだ。
 中村さんが息を引き取ったのは、夫の神津善行さん(92)の腕の中だったという。その時の様子を善行さんは涙ながらに振り返った。
 「大みそかの夜、紅白(歌合戦)を見ていたけど『(体の具合が)変だから、寝るわ』と寝室へ車いすで連れて行った。すぐに呼ばれて『変だから起こしてほしい』と頼まれて、首に手を差し入れて抱き起こした」。するとその手の小指に、中村さんが人さし指を絡めてきたという。
 「きっと手を握っているつもりだったのだと思う。ぽろっと指が落ちた」と語り、「病院にいたら通常あり得ない。彼女は計算して自分に抱かせたんだと思う。人生の幕を引く、引き方がきれいだった」と思いをはせた。
 亡くなった2日後の1月2日は善行さんの誕生日。「あとで、誕生日カードが届きました。『面倒ばかりかけてごめんなさい、申し訳ない』と。最後に『神津さん、愛してます』。これが最後の手紙でした」と明かした。
 日ごろから「どちらが先に死ぬか」を2人で話していたといい、「1人で道も分からないところに行かせるわけにはいかない。あんたが1人で死んだら付いて行ってやるよ」と言ったら中村さんは喜んで泣いていたという。「その約束を守ってやれなくてかわいそうだと思う」と唇をかんだ。

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