ウバイド彩文鉢
うばいどさいもんばち

シリア
ウバイド期　B.C.4000年頃
口径 12.0cm　高 9.8cm

　広口の鉢である。口縁部は外反しており、底部は丸底である。表面に混和材であるスサが見える。器面は磨研されている。胎土は良好である。淡黄色の胎土にクリーム色の化粧土の上に黒色で彩文がなされている。また外面には容器を重ねて窯で焼成した為におきる褐色の焼成班がある。外面全体に極太で上下に組み合せた三角文が見られる。また口縁も彩文されている。ロクロ製。

底部からの写真

【文献】
藤井純夫1991『岡山市立オリエント美術館館蔵品目録』岡山市立オリエント美術館。
深井晋司他1970『テル・サラサート』II　第二号丘の発掘　東京。
堀　晄1987『特別展　彩文土器の世界-古代ギリシャから中国まで-』古代オリエント美術館　岡山市立オリエント美術館。
Koizumi,T.,1993''Ubaid Pottery from Kashkashok II: Typology and Chronology '' Al- Rafidan　14, 19-68.
Koizumi,T.,1996''Chronology of Ubaid Tombs from Kashkashok II-Examination of Tombs and Pottery Sequences- '' Al- Rafidan, 29-56.　
小泉龍人2000「古代メソポタミアの土器生産-製作技術と工房立地から見た専業化-」『西アジア考古学』1、11-32。
松本健他1989『古代中近東の土器』中近東文化センター。
Matsutani,T et al.,1991,Tell Kashkashok The exacavations at Tell No.II , Tokyo.
曽野寿彦1974『西アジアの初期農耕文化』東京。

---