俳優の小沢昭一さん死去、83歳

 個性的な脇役として活躍し、民衆芸能の研究でも知られた俳優の小沢昭一さんが10日、死去した。83歳。東京出身。

 小沢さんは早大在学中に俳優座養成所入りし、映画俳優としては200本以上の作品に出演。日活で、川島雄三監督の傑作「幕末太陽傳」などで名脇役として台頭。早大の同窓である今村昌平監督の「エロ事師たちより・人類学入門」、西村昭五郎監督の「競輪上人行状記」といった作品では社会の裏側で生きる個性的なキャラクターを発揮して主役を務めた。

 エッセイストとしての著書も多く、また、芸能研究家としては、放浪芸の収集、発掘に情熱を注いだ。猿まわしなどの伝統芸から、“現代の芸能”としてストリップまで研究対象の幅を広げ、収集した記録は書籍、CD、DVDに残された。

 歌手としてレコードも発売し、作家の野坂昭如、永六輔と「中年御三家」を結成し、1974年には日本武道館で公演。親交の深い黒柳徹子とは「徹子の部屋」で学ラン姿のコスプレで登場し、セーラー服姿の黒柳と対談したこともあった。1973年から現在まで続いたTBSラジオの長寿番組『小沢昭一の小沢昭一的こころ』ではパーソナリティーとして味わい深い語りを披露した。俳人としても活動した。

 旧制麻布中時代の同級生は俳優の故フランキー堺さん、故仲谷昇さん。早大時代の盟友で俳優の加藤武は晩年も活動をともにするなど交友関係は広かった。94年に紫綬褒章、99年に坪内逍遥大賞、01年に勲四等旭日小綬章など。元放送大学客員教授。日本新劇俳優協会会長を務めた。

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