◇「ランドマイン・ロールアウト」を取り入れる意義・効果

 この「ランドマイン・ロールアウト」は、あなたの体幹をお望み以上に(個人差はあるかと思いますが…)鍛えてくれることも期待できます。

 スーパーヒーローたちはそれぞれ異なるものではありますが、超人的パワーを得る過程において、ある者は遺伝子の突然変異であったり、ある者は超人血清であったり、またある者は放射線を帯びたクモに噛まれたり…というようにSF的な要因からその超人的パワーを得ているわけです。

 が、そんなスーパーヒーローたちを演じる現実世界の俳優たちは、実際に爆弾実験で勇敢にも少年を救ったとしても…そこで大量のガンマ線にさらされたとしても…DNAは超人的進化を遂げるわけではありません(残念ながらその逆はあり得ますが…)。演じる以上、そのルックスや佇まいだけでもある程度はスーパーヒーローらしくなっていなければならないでしょう。そこでリアルな人間である役者たちは、そのような役柄にキャスティングが決まった瞬間から、地道な努力を重ねなければならないのです。そんなときに、まずここを鍛えなくてはならない…という肝となる部位が「体幹」であり、そこをいかにトレーニングするかにかかっているのです。

「腹部の筋肉を鍛える」ということは、単に「ヴァニティ・プロジェクト(自慢するためだけに行うこと)」として実施するわけではないのです

 特に要求の高いスーパーヒーロー映画のスタントを演じる俳優のように、シーンが激変するような動きをやり遂げなければならないのならば、その状況下で満足の得る動きをこなすためには腹筋を鍛えることは必須なわけです(もちろん、服を着ていてもシックスパックであることが容易に想像できるような体形になっていなければならないのですが…)。

 「メンズヘルスUK」のアドバイザートレーナーであり、映画『デッドプール』で主人公を演じている超人気ライアン・レイノルズや、映画『キャプテン・アメリカ』シリーズで「バッキー」を演じている俳優セバスチャン・スタンをクライアントに持つドン・サラディーノは、このような俳優が必要とする体幹の強さを引き出すための筋トレメニューを考える際には、この「ランドマイン・ロールアウト」のようなトレーニングは欠かせないと言っています。

◇「ランドマイン・ロールアウト」とは?

 皆さんの中には、これまでに腹筋ローラー(メーカーによっては「アブローラー」や「アブウィーラー」などのさまざまな呼び方がります)を使用してロールアウトを行ったことがある方もいることでしょう。

 実践したことがなくとも、トレーニングに興味をお持ちの方なら周知のことかと思います。「ランドマイン・トレーニング」とは、オリンピックバー(バーベルシャフト)の一方の端が地面に固定されている状態をつくり、もう一方の端をリフターが握り、前後ろの方向で拳上動作を繰り返していくトレーニング方法になります。このトレーニング方法を利用したものが、「ランドマイン・ロールアウト」になります。

 「バーベルのバーが弧を描きながら、その弧の中心からより大きな角度をもらたすよう実施することが楽しみでもあります」と語るサラディーノ。

 このトレーニング「ランドマイン・ロールアウト」を行うためには、バーベル、円型のウェイトプレート、それにランドマインの固定器具が必要となります。それでは、「ランドマイン・ロールアウト」に挑戦してみましょう。

◇「ランドマイン・ロールアウト」のやり方・方法(動画参照)

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  • ウェイトプレートをバーベルのバーにセットした状態で、ランドマイン固定器具にバーベルを設置します。
  • 両手でバーベルの端を握りながら、地面にひざまずいてください。
  • 腕をまっすぐに伸ばしたまま、バーベルを転がすために前傾姿勢になります。体が直線のようになるまで胴体を下ろしながら、背中をまっすぐに保ったまま腹筋と臀部を強く押し出してください。
  • あなたの腕と背中をまっすぐに保ったまま、元の姿勢に戻すために腹筋に力を入れてください。

 
 ここでの重要ポイントは、それぞれの繰り返し動作中に姿勢を保ち続けることです。 

 背中が丸くならないようにすることに最も重点を置くため、ゆっくりとやることを心がけてください。まだまだ物足りないのであれば、次は立った姿勢でやってみてください。サラディーノいわく「立って行うこともできますが、こちらは、より難しく高度なものとなります」とのことです。

 トレーニングに「ランドマイン・ロールアウト」を加えるなら、まずは3セット(8〜12回の繰り返し)挑戦してみてください。

Source /Men’s Health
Translation / Kazuhiro Uchida 
※この翻訳は抄訳です。