ブルーモーメント

2024年4月スタート 毎週水曜よる10時放送

インタビュー

『ブルーモーメント』山下智久さん 晴原柑九朗役

脚本を読んだ感想と興味深い箇所はどこでしょう?

かなり鋭さもありつつ、それでいて緩むところもあるなど、緩急がしっかりあるので、非常に見ごたえのある作品になるのではないかと思います。テンポも良く、“気象学”というテーマは少し遠いようなイメージがありますが、天気の話なので、実はかなり身近なお話でもあります。(台本の中には)意外と知らないことや豆知識もあったりするので、「なるほどな!」と納得しながら読めました。その他にもそれぞれのキャラクターが持っている過去にもフォーカスされていったりするので、現代と過去と同時に見つめることができる脚本になっている印象でした。

お芝居としてはどのような感じになりそうですか?

基本的にはかなりシャープな役どころにはなると思うのですが、今まで演じてきた役と違うところとしては、わりとカジュアルな部分もしっかり描かれているというところ。僕自身もその緩急を大事に演じさせていただけたらなと思います。個人的にも今までとは一味違うキャラクターを作ることができるのかなという想いです。人間味が少し感じられるところと、彼が背負っている過去も含めて、そういった奥行きみたいなものが今まで演じさせていただいた役とは良い意味で違うところかなと思います。

上司・部下的な構造のドラマとも言えるかと思いますが、いかがでしょうか?

そうですね、年齢・階級に関係なく能力重視でチームを作り上げていくというところが、とても今の時代っぽくて新しいところなのかなと感じました。やはり良い意味でも悪い意味でも日本は縦社会だと思うので、そこを打破していく、本質をついていくようなチーム編成になると思います。そこは今までとはまた違う面白味があり、世代を問わず楽しんでいただける作品になると思いました。

今回演じる役について共感する部分や、魅力的な部分は?

日本の社会は、恥ずかしさとか自分の感情を抑えるという傾向があると思うのですが、その中で、“最高のメンバー、最高のチームを作り上げていくんだ、自然災害から人々を救うんだ” ということを声に出していくタイプの人で、そこはすごくわかりやすいし、自分自身のことも声に出すことによって鼓舞しているのかなと。そのわかりやすい彼の情熱みたいなところにメンバーが集まってきているのかなと思いました。

これからの撮影に向けて思っていることは?

この作品自体がチームワークを1つのテーマにしていたりするので、キャスト・スタッフ含めて皆の持っているモノをひとつひとつ出し合って良い結果を出せるチームにしていきたいなと思っています。得意な方ではないのですがコミュニケーションもしっかり取ってまとめられるように、皆の士気を高められるように努力したいと思っています。大事なのはハートだと思っているので、僕から頑張って話しかけようかなと(笑)。僕の方から質問をして皆の気持ちを柔らかくしていった方が、締めるときもバシッと締まると思うので、僕自身の個人的な課題ではあるのですが、良い現場になるように頑張ります。

好きな雲は?

入道雲ですね。夏は植物も含めて凄くエネルギーが高い時期だったりするので、その時の空は活力になるような気がするのと、個人的にも夏休みの楽しい思い出も思い出せますし、夏も好きだったりするので、あの時期しか見られないあの雲っていう意味では入道雲が好きですね。

漫画原作のキャラクターを演じる際に気を付けていることや、どんなヒントをもらっていますか?

これまでいくつか漫画原作の実写化作品に出演させていただいたことがありますが、その“本質”と言いますか、“魂”と言いますか・・・、そういったものはしっかり感じられるように何度も本を読みます。その中で、やはり完全再現というのは中々難しいと思っています。なので、原作の先生が一番伝えたいメッセージだけはしっかり理解して、自分の中に落とし込んで、新たに役を作っていくというような気持ちで取り組んでいます。(本作に関しては)彼の過去からどういう風にもう一度立ち上がるのかということと、日本は災害の多い国だったりするので、晴原が想っている災害に対するリテラシーみたいなものを、命を懸けて届けていくというところは一番大切かなと思っていて、そこはしっかり演じていきたいと思います。

『ブルーモーメント』山下智久さん 晴原柑九朗役

実写化ならではのビジュアルのこだわりはありますか?

(晴原は)二面性があるのですが、一方では“お天気お兄さん”で、その時は前髪を作ってみたり眼鏡をかけてみたりなど、外見的にも少し変えたりしています。二面性を演じさせていただくというのは、ある意味二刀流だと思うので(笑)、両方手を抜かず、ギャップをしっかり見せられるように作っていきたいと思います。

天気がキーポイントになる作品だと思いますが、普段天気はこまめにチェックしますか?

雨の日だと出来ることが限られてくると思うのと、ロケの様子やスケジュールも気になったりするので、週間の天気は見るようにしています。これからはもう少し深掘りして、「湿度が高いな」であったり、そういった点も見るようにしたいなと思いました。以前、砂漠がある場所に行った時にとても喉が渇いたり、コンサートをしている時も外の気温が1℃ 2℃違うだけで汗の量が違ったりするので、天気によって人間の身体はとても影響を受けているんだなと思いました。自分たちが思っている以上に天気の影響を受けていると思うので、そこはこの作品を通して天気のことも学んでいきたいなと思いました。

気象学で命を救うというテーマについてはどう思いますか?

学ぶことが正解だと思いました。もっと自然について、一人一人が知識をつけていくことで命に直結する可能性があったりすると思いますし、備えておくことが大事だということを改めてこのドラマを通して皆様に感じてもらえるように作っていけたらと思っています。

気象研究所の研究官という役を演じるにあたり準備したことは?

原作漫画を読んでいて、日ごろ見慣れているはずの天気図も「そういう意味があるんだな」と知らなかったことが沢山あったので、そういったことは原作を読むだけでも学べました。実際の気象学者さんのドキュメンタリーを見させていただいたりしましたが、一週間や二週間で学べるほど簡単なことではないとは思っています。あとは数学と凄く密接で、科学に基づいて再現することだったりするので、僕も興味がある分野ではありますが科学を通して真実を伝えていけたらいいなと思います。

「コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-」シリーズを手掛けてきた田中亮さんと7年ぶりにタッグを組むお気持ちや、久々のフジテレビドラマに戻ってきたお気持ちは?

僕が初めてフジテレビさんの作品に出演させていただいたのが20年以上前になるので、友達が多いですね(笑)。知っている人が多いです。今の僕があるのはそういったドラマに出演させていただいたからだと思いますし、スタッフの皆さんのサポートのおかげだと思うので、シンプルに帰ってこられて嬉しいという気持ちです。ただ、今までやってきたことは過去の話で、過去の作品達を超えていけるような作品を作りたいという闘志に燃えています。でももちろん再会は嬉しいですし、田中監督とも話し合い、密に連絡を取り合って、演じるだけでなく意見を届けていけたらと思います。以前からの関係性もあるので、より僕の気持ちや考えや感情をシェアしやすい間柄でもあるので、しっかり遠慮せず伝えていきたいと思います。

海外の作品の出演経験なども経て、成長や以前と変わったことは?

より自分の意見や思っていることは伝えるようになってきていると思います。伝えてみてダメだったらそれは良いのですが、伝えずに終わってしまうのは勿体無いと思いますし、もしかしたら何か発見があるかもしれないので、遠慮せずに伝えていこうという意識に変わったと思います。

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