トーク番組『The Talk』ホストの一人、シャロン・オズボーンと夫でブラック・サバスのリードボーカル、オジー・オズボーンは結婚してから38年以上になる。
その間、2人は波乱万丈の人生を送ってきた。その出会いは1971年まで遡る。
『People』誌によると、シャロンは当時まだ18歳で、音楽プロデューサーでブラック・サバスと契約したばかりの父ドン・アーデンの事務所の受付係をしていた。当時、オジーは最初の妻テルマ・ライリーと結婚していた（その後、1982年に離婚）。
オジーは後にシャロンの夫になったが、初対面の時のオジーは威圧的だったと『People』誌に振り返り、「オジーは靴を履いておらず、首から水道の蛇口をぶら下げて、父の事務所に入ってくるなり床に腰を下ろした。怖かったわ」と語っていた。
それから8年後、オジーは過度の飲酒とドラッグの影響でバンドメンバーと衝突することが増え、ブラック・サバスをクビになった。
その頃、シャロンはオジーと会い、彼のソロ活動をマネジメントすることに同意。交際が始まった。
2人は1982年7月4日、ハワイのマウイ島で結婚。それから間もない1983年9月に長女エイミーが、1984年10月に次女ケリーが、1985年11月に長男ジャックが生まれた。
80年代、2人の関係はかなり険悪になったとシャロンは振り返る。
シャロンはアルコールの、そしてオジーはドラッグの勢いを借り、しょっちゅう身体的な喧嘩をしたと『The Guardian』紙に語っている。
1989年には、夜に大量に飲酒したオジーがシャロンを絞殺しようとしたこともあったという。
「その日、俺は狭い独居房で目を覚ますと、"今度は何をやらかしたんだ？"と思った。"俺のジョークが恨みを買ったのか？" だから警官に聞いたんだ。"俺は何のためにここにいるんだ？"と。
自分ではまったく記憶がなかった。最高にゾッとする気分だったね。警官は一枚の紙を読み上げて"あなたはシャロン・オズボーンさんの殺人未遂容疑で逮捕されました"と。その時の気分といったら…感覚が麻痺してしまった」とオジーは『The Evening Standard』紙に語っている。
オジーはリハビリ施設に3ヵ月間入り、シャロンは告訴しないことに決めた。
2000年代初期、ちょうどMTVのリアリティ番組『オズボーンズ』の撮影を始めた頃、一家はさらなる危機に直面した。シャロンが結腸がんと診断されたのだ。
「人は自分には何も起こるはずがないと思うもの。自分は無敵だとね。でも、ショックとパニックを乗り越えて、自分が生きているのは何と幸運なことかと気づくの」と彼女は『People』誌に語っていた。
その年に、次女ケリーは薬物中毒と闘っていたと2009年に出した回想録『Fierce』で本人が語っている。その1年後には、ジャックも薬物中毒でリハビリ施設に（2019年にジャックは禁酒16年を祝い、ケリーは約2年間禁酒していると言っていた）。
10年後、オジーの病気が再発したことで、シャロンとオジーの関係がまたメディアを賑わせた。
しかし、2013年にFacebookで、オジーは2人の結婚生活はまだ大丈夫だと事実を述べ、ファンを安心させた。
この1年半ほど、私は酒と薬物を摂取してきた。非常に落ち込み、自分が一番愛している家族を酷い目にあわせた。だが、嬉しいことに今、禁酒44日目だ。
誤解を解いておくと、私とシャロンは離婚しない。私は今よりマシな人間になろうとしているところだ。
シャロンと家族、友人たち、バンドメンバー、そしてファンに私の常軌を逸した振る舞いをお詫びしたい。
こうして安心させたものの、2人は2016年、33年間の結婚生活の末に離婚することを決意。ところが、その2ヵ月後の2016年7月にはロサンゼルスで一緒にいるところがキャッチされ、シャロンは『The Talk』の他のホストたちにオジーと正式に復縁したと認めた。
そして観客たちに「私は許すわ。信頼を取り戻すには時間がかかると思うけど、私たちは36年間一緒にいて、そのうち34年間は結婚しているの。彼のいない人生は考えられない」と語った。
2017年9月、何度かリハビリ施設に入った後、オジーは『Rooking Stone』誌に、5年間、酒もドラッグも断っていると明かした。
また、2016年に美容師との不倫が報道された時も含め、酷い状態の時にシャロンが自分を"見捨てなかった"のは幸運だったとも。
「自分はとんでもない大バカ野郎だと気づいた。今もバカだけど、前よりは少しコントロールできるようになった。"女房のワナにハマるな"なんてヒドイことを言ったよ」と語っていた。
このところの2人は、もっとずっと前向きになっているようだ。
2017年の母の日に、2人はラスベガスで新たに結婚の誓いをした。
2020年8月にはオジーのキャリアと2人の結婚生活を描く伝記映画を作ると発表。近年制作された他のミュージシャンの伝記映画とは異なり、"他にはないストーリー"になるとシャロンは『Rooking Stone』誌に語っている。
オジーも「彼女は俺の伴侶だ。彼女は俺と一緒に成長したし、俺も彼女と一緒に成長した」とコメントしている。
Translation: Mitsuko Kanno From Good Housekeeping US
