カラフルな色使いにモチーフ、そしてアイコニックなドット模様。草間彌生氏とルイ・ヴィトンが描き出す世界へ、木村カエラが飛び込んだら? カメラの前で次々に変わるポーズと表情、そして前日に自分で染めたというペールグリーンの髪もあいまって、心が躍るポップなストーリーが完成した。
今回のカプセルコレクションには、自身も興味を持っていたという彼女。アーティスト・草間彌生氏にも、特別な思い入れがあると教えてくれた。
「以前から草間さんのクリエイションが大好きでした。ツアーで全国を巡っているときに、あのかぼちゃの作品を見たくて直島に立ち寄ったこともあって。今回の子どもが自由に描いたような水玉のモチーフもそうですが、草間さんの作品を見ていると元気になるんですよね。その一方で、常に新鮮な刺激も受けられて。新しい世界を見せてもらえるのを楽しみに、直島に足を運んでいました」
自身も音楽を表現手段とするアーティストであると同時に、ファッションシーンからのラブコールも数多い。そんな彼女の目に映るルイ・ヴィトンとは、どんなブランドなのか?
「イメージするのは、大人の世界。歴史があって、それに裏打ちされた世界観があって。そういう憧れのブランドであり続けると同時に、アーティストとのコラボレーションが盛んだというところにも惹かれます。近年は特に、さまざまなアーティストとのタッグで、驚きやときめきを見せてくれる。今回のコラボレーションなんて、まさにそう。モノグラムとドットの共演、かぼちゃの形をしたバッグ……。ラグジュアリーな遊び心がいっぱいで」
彼女が言うように、このコラボレーションは、ファッションとアートがタッグを組むことで生まれた遊び心そのもの。コレクションのみならず、ブティックのショーウインドーや街角をジャックするさまざまな演出が、現在進行形で世界中の人々を楽しませているのだから。
「コラボレーションには、それぞれの魅力を高める相乗効果のような作用があると思うんです。私の場合は、誰かと一緒に何かを作るって、かなり実験的だったり挑戦で、その中でどう相乗効果を生み出せるかを考えています。違う人と人、個性と個性がくっつくことで、それぞれのいいところが引き出されるし、まだ見たことのない風景を自分も見ることができる。そしてさらに、それをたくさんの人と一緒に楽しむこともできるから」
そんなコラボレーションへの思いは、昨年12月にリリースされた最新のアルバム『MAGNETIC』にも通じるところがある。タイトルの「MAGNETIC」は磁力を意味するほか、「人を引きつける」であるとか「魅力的な」といった意味合いも持っている。
「コロナ禍で外出ができなくなったり、ライブ活動ができなくなったときに、人とのやりとりや触れ合い、ひとりひとりが持っているエネルギーについて思いを巡らせていました。その先にあったのは、自分自身にとってよいことを選んでいく大切さ。もしくは、自分が自分自身であることの大切さ、とも言えるかもしれない。そういうテーマにたどり着いたんです。
『じゃあ、それをどうやって実現していこう?』と考えたときに、見えてきたのが“磁石の法則”。S極とN極がくっつくあの力だったんです。自分のための幸せを、磁石のように引き寄せて、手にしていく。そういうイメージがありました」
さまざまなミュージシャンが参加して、曲をともに制作しているのも特徴のひとつ。AIと2人で歌った「MAGNETIC feat. AI」のように、“一緒に歌う”という形の協業にも、積極的に取り組んでいる。
「AIちゃんとは以前からやりとりがあったのですが、制作で関わるのは今回が初。何か一緒にやりたいという気持ちがあったんです。それで今回、『MAGNETIC』という曲ができたときに、『これはAIちゃんとやろう』と決めて。彼女との間にも、やっぱり引力が存在したんです。お互いが、このコラボレーションをすごく楽しんでいました。それに、みんなが楽しくなれる曲になったという手応えも十分」
「MAGNETIC」という言葉は、また別の考えも運んできたという。
「S極とN極はくっつくけれど、同じ極同士は反発する。この作用って、実は人との関係性にもいえるんじゃないかって思ったんです。くっつくことでパワーが生まれる。自分も想像していなかった楽しいことへの扉が開く。でもそうじゃない人もいて、そういう人とはほどよい距離感で向き合って……というような。そうやって、私たちは自分にとっての幸せを選び取っていくように思うんです」
デビュー以来ずっとテーマにしてきたのは、心の中にある思いや気持ち。聴く人が明るく元気になるような、そして自分の心に耳を傾けてみるきっかけになるような曲を歌ってきた。
「自分の気持ちひとつで、心のあり方は変わっていくもの。だから、ハッピーな歌は魔法の言葉になると思っているんです。私には今、子どもがいて、なるべく子どもの近くにいてあげたいと思っていて、一日一日変わっていく子どもたちの成長を見逃したくないと思っています。成長を見守りながら、叱ることも褒めることも全部やりたい。
子どもって本当に面白いから、子育ての時間はとても幸せ。だけど、自分のための時間がうまく取れなくて。ふと何かの瞬間にそれに気づいたときに一瞬虚しくなることもあって。そういう気持ちになったときに、『じゃあどうする?』って自分に問いかけるんです。そういう問いかけから、私の作品は生まれてくる。自分の心のありかがどこなのかを探すことで、歌が生まれるんです。湧いてきた感情や思いを、こうやって循環させている。そう、循環させることが私には大事」
いくつもの思いや考えを歌に乗せて、デビューからもうすぐ20年。
「年とともにいろいろな経験をして、どんどん身軽になっているのを感じます。許すことや、ときには耐えることも受け入れられるようになり、怖れることも少なくなっていく……。人として強くなって、自由になっていく自分を感じるんです」
走り続けてきた仕事については、「自分自身をアップデートし続けるために不可欠」ときっぱり。
「どんな仕事も簡単じゃなくて、常に挑戦。だけど、その挑戦を乗り越えることで、また新しい自分になれる。私は、いつだってそのとき望んでいる自分でありたい。考え方も表現も。私は幸運なことに、こうやって活動を続けてくることができました。だから、これからもこの“木村カエラ”を追究していきたいですね」
今年はこれから、「MAGNETIC」ライブツアーがスタート。5月の東京・SHIBUYA CLUB QUATTROを皮切りに、全国6カ所での公演を予定している。
「バザー読者の方々の中には、きっと私と同じ年代の方も多いはず。同世代の女性として、ぜひ会場に遊びに来てほしいです」
一曲一曲に込められた彼女の言葉と思いの引力を、会場で体感してみたい。
ルイ・ヴィトン × 草間彌生 アイテムギャラリー
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