Trusted Execution

Trusted Execution (TE) とは、システムの保全性を検証する場合、 および拡張セキュリティー・ポリシーを実装する場合に使用される機能の集合のことです (これらのポリシーは完全なシステムのトラスト・レベルを強化する目的で共用できます)。

悪意あるユーザーがシステムを損ねる通常のやり方では、 システムへのアクセス権限を入手してから、Trojans をインストールして、 そこに根付かせるか、またはセキュリティーに関する重要なファイルを改ざんします。 この結果、システムはぜい弱にされて悪用されます。 Trusted Execution のもとになるフィーチャーのセットの真の狙いは、上述のような活動を妨げることですが、 最悪のケースとしてシステムに何かの誤動作が起こった場合でも、それを特定できます。 Trusted Execution が提供する機能を使用して、システム管理者は、実行を許可される実行可能モジュールの実際のセットを決めるか、 またはロードすることを許可されるカーネル・エクステンションのセットを決めることができます。 さらに、システムのセキュリティー状態を監査したり、変更済みのファイルを識別する場合にも、この機能を使用できます。 その結果、システムのトラステッド・レベルは高められ、悪意あるユーザーがシステムを損傷させることは、 より困難になります。 TE のもとでのフィーチャー・セットは、以下のようにグループ分けすることができます。
  • Trusted Signature Database の管理
  • Trusted Signature Database の保全性の監査
  • セキュリティー・ポリシーの構成
  • Trusted Execution Path および Trusted Library Path
注: TCB 機能は既に AIX® オペレーティング・システムに存在しています。 TE は TCB 機能の一部とオーバーラップして、さらに強力で拡張されたメカニズムであり、 システムの保全性をより良好に制御するための拡張セキュリティー・ポリシーを提供します。 トラステッド・コンピューティング・ベースの使用可能な状態が続いていれば、 Trusted Execution により、システム保全性を検査および保護するための新しい、より拡張された概念が導入されます。