dump コマンド

目的

オブジェクト・ファイルの選択された部分のダンプをとります。

構文

dump { -a -c -d -g -h -l -n -o -p-r -s -t -u -v -H -R -T} [ -zName [ , Number ] [ +z Number ] ] [-t Index [ +t Index ] ] [ -X {32|64|32_64|d64|any}] File ...

注: -z Name フラグと、Number パラメーターの間にスペースを入れないでください。

説明

dump コマンドは、指定された File パラメーターの選択された部分のダンプをとります。 dump コマンドの処理の対象は、オブジェクト・ファイル、アーカイブ・オブジェクト・ファイル、および実行可能ファイルです。

フラグ

項目 説明
-a 指定された各アーカイブの各メンバーのアーカイブ・ヘッダーのダンプをとります。
-c 文字列テーブルのダンプをとります。
-d 各セクションの生データのダンプをとります。
-g アーカイブ記号テーブルのグローバル記号のダンプをとります。
-h セクションのヘッダーのダンプをとります。
-l 行番号情報のダンプをとります。
-n すべてのローダー・セクション情報のダンプをとります。
-o 個々の任意のヘッダーのダンプをとります。
-p ヘッダーを出力しないようにします。
-r 再配置情報のダンプをとります。
-s 生データを個々に選択してダンプします。
-t 記号テーブル・エントリーのダンプをとります。
-tIndex Index パラメーターで指定されたインデックス記号テーブル・エントリーだけのダンプをとります。 +t フラグと一緒に -t フラグを使用して、記号テーブル・エントリーの範囲を指定してください。
+tIndex Index パラメーターで終了するまでの範囲の記号エントリーのダンプをとります。 この範囲は、最初の記号テーブル・エントリーまたは -t フラグで指定されたエントリーから始まります。
-u File パラメーターの名前にアンダーラインを付けます。
-v 数値表記ではなく、記号表記で情報のダンプを書き出します。 -v フラグは、-o フラグと -s フラグ以外のすべてのフラグと併用できます。
-zName[,Number] Name パラメーターの行番号エントリー、または指定された番号で始まる一連の行番号エントリーのダンプをとります。
+zNumber Number パラメーターまでのすべての行番号のダンプをとります。
-H ローダー・セクションのヘッダーのダンプをとります。 -H フラグは、実行可能ファイルのみに適用されます。
-R ローダー・セクションの再配置エントリーのダンプをとります。 -R フラグは、実行可能ファイルにのみ適用されます。
-T ローダー・セクションの記号テーブル・エントリーのダンプをとります。 -T フラグは実行可能テーブルにのみ適用されます。
-X mode dump で検査するオブジェクト・ファイルのタイプを指定します。 mode は、次のいずれかでなければなりません。
32
32 ビットのオブジェクト・ファイルのみを処理します。
64
64 ビットのオブジェクト・ファイルのみを処理します。
32_64
32 ビットおよび 64 ビットの両方のオブジェクト・ファイルを処理します。
d64
不連続の 64 ビット XCOFF ファイル (マジック番号 = U803XTOCMAGIC) を検査します。
any
サポートされるオブジェクト・ファイルのすべてを処理します。

デフォルトでは、32 ビットのオブジェクト・ファイルが処理されます (64 ビットのオブジェクトは無視されます)。また、mode は、OBJECT_MODE 環境変数で設定することもできます。例えば、OBJECT_MODE=64 のとき、dump はすべての 64 ビットのオブジェクトを処理して、32 ビットのオブジェクトを無視します。 -X フラグは OBJECT_MODE 変数を指定変更します。

  1. a.out ファイルの文字列テーブルのダンプをとるには、 次のように入力します。
    dump -c a.out
  2. XCOFF データ・セクションの内容のダンプを標準出力に書き出すには、 次のように入力します。
    
    dump -d a.out
  3. オブジェクト・ファイルのヘッダーのダンプをとるには、 次のように入力します。
    dump -o a.out
  4. a.out ファイルの行番号情報のダンプをとるには、 次のように入力します。
    
    dump -l a.out
  5. a.out ファイルの再配置情報のダンプをとるには、 次のように入力します。
    
    dump -r a.out
  6. a.out オブジェクト・ファイルの、 テキスト・セクションの内容のダンプをとるには、次のように入力します。
    
    dump -s a.out
  7. a.out オブジェクト・ファイルの、 記号テーブル情報のダンプをとるには、次のように入力します。
    
    dump -t a.out
  8. 記号テーブル・エントリーの、 20 から 31 までを、 ヘッダー情報を付けずに出力するには、次のように入力します。
    dump -p -t20 +t30 a.out
  9. lib.a 内の 64 ビットのオブジェクトのみからオブジェクト・ファイルのヘッダーのダンプをとるには、次のようにします。
    dump -X64 -o lib.a