chown コマンド
目的
ファイルに関連付けられたオーナーまたはグループを変更します。
構文
chown [ -f ] [ -h ] [ -R ] Owner [ :Group ] { File ... | Directory ... }
chown -R [ -f ] [ -H | -L | -P ] Owner [ :Group ] { File ... | Directory ... }
説明
chown コマンドは、 File または Directory パラメーターによって指定されたファイルまたはディレクトリーの所有者を、 Owner パラメーターによって指定されたユーザーに変更します。 Owner パラメーターの値は、ユーザー・データベースからのユーザー名または数字のユーザー ID にすることができます。 オプションで、グループを指定することもできます。 Group パラメーターの値は、グループ・データベースからのグループ名または数字のグループ ID にすることができます。
ファイルのオーナーを変更できるのは、root ユーザーだけです。ファイルのグループを変更できるのは、root ユーザーである場合またはそのファイルを所有している場合だけです。ファイルを所有していても root ユーザーでない場合は、ユーザーが所属するグループだけ変更できます。
-H、-L および -P フラグは互いに排他的ですが、複数指定してもエラーとはみなされません。コマンドが表示する動作は、最後に指定したフラグで決定されます。
シンボリック・リンクがあった場合にユーザーが -h フラグを指定していない場合は、chown コマンドはリンクのオーナーではなく、リンクが指し示すファイルまたはディレクトリーのオーナーを変更します。
-h フラグを指定すると、chown コマンド では逆効果を生じ、リンク自体の所有権を変更しますが、リンクが指しているファイルやディレクトリーの 所有権は変更しません。
-R フラグを指定すると、chown コマンドは指定した一群のディレクトリーを下方に向かって再帰的に処理します。
-h フラグと -R フラグの両方を指定する と、chown コマンドは指定されたディレクトリーを下方に向かって 再帰的に処理し、シンボリック・リンクが検出されると、リンク自体の所有権は変更されますが、リンクが 指しているファイルまたはディレクトリーの所有権は変更されません。
フラグ
項目 | 説明 |
---|---|
-f | 使用法メッセージを除き、すべてのエラー・メッセージが表示されないようにします。 |
-h | 検出されたシンボリック・リンクが指すファイルまたはディレクトリーの所有権ではなく、そのシンボリック・リンクの所有権を変更します。 |
-H | -R オプションを指定し、タイプ・ディレクトリーのファイルを参照しているシンボリック・リンクをコマンド・ラインで指定すると、chown コマンドはシンボリック・リンクが参照しているディレクトリーおよびその下のファイル階層にあるすべてのファイルのユーザー ID を (指定されている場合はグループ ID も) 変更します。 |
-L | -R オプションを指定し、タイプ・ディレクトリーのファイルを参照しているシンボリック・リンクをコマンド・ラインで指定、またはファイル階層の横断中に検出した場合は、chown コマンドはシンボリック・リンクが参照しているディレクトリーおよびその下のファイル階層にあるすべてのファイルのユーザー ID を (指定されている場合はグループ ID も) 変更します。 |
-P | -R オプションを指定し、シンボリック・リンクをコマンド・ラインで指定、またはファイル階層の横断中に検出した場合、システムがその操作をサポートしていれば、chown コマンドは、シンボリック・リンクの所有者 ID を (指定されている場合はグループ ID も) 変更します。 chown コマンドは、ファイル階層のその他のいかなる部分へのシンボリック・リンクにも従いません。 |
-R | ディレクトリーを下方に向かって再帰的に処理し、各ファイルの所有権を変更します。シンボリック・リンクがあったときに、そのリンクがディレクトリーを指し示す場合、そのディレクトリーの所有権は変更されますが、ディレクトリーはそれ以上処理されません。 -h、-H、-L または -P フラグも指定されていない場合に、シンボリック・リンクが検出され、そのリンクがあるディレクトリーを指す場合、そのディレクトリーのグループ所有権は変更されるが、ディレクトリーはそれ以上横断されません。 |
終了状況
このコマンドは次の終了値を戻します。
項目 | 説明 |
---|---|
0 | コマンドは正常に実行され、要求された変更はすべて完了しました。 |
>0 | エラーが発生しました。 |
セキュリティー
アクセス制御
このプログラムを、トラステッド・コンピューティング・ベースに通常のユーザー・プログラムとしてインストールしてください。
RBAC ユーザーと Trusted AIX® ユーザーへの注意: このコマンドは特権命令を実行できます。特権命令を実行できるのは特権ユーザーのみです。 権限および特権の詳細情報については、「セキュリティー」の『特権コマンド・データベース』を参照してください。このコマンドに関連した特権および権限のリストについては、lssecattr コマンドまたは getcmdattr サブコマンドの項を参照してください。
例
- program.c: ファイルのオーナーを変更するには、以下のように入力します。
これによって、 program.c のユーザー権限は jim に移りました。 jim はオーナーとして、 chmod コマンドを使って他のユーザーに program.c. へのアクセスを許可したり、 拒否したりできます。chown jim program.c
- ディレクトリー /tmp/src のすべてのファイルのオーナーとグループを、
オーナー john とグループ build に変更するには、
以下のように入力します。
chown -R john:build /tmp/src
ファイル
項目 | 説明 |
---|---|
/usr/bin/chown | chown コマンド |
/etc/group | グループ ID の入っているファイル |
/etc/passwd | ユーザー ID の入っているファイル |