【登山好きが目標にしたい山】初めての裏妙義

みなさん初めまして。浅香明彦と申します。
写真や登山が趣味であったことをきっかけに、
今回、初めての裏妙義登山のレポートをさせていただくことになりました!
経験者が「目標」にしたい妙義山の裏妙義にある「籠沢コース」
そこで感じた学びや達成感、苦労をみなさんにお伝えします!

登山プロフィール
谷川岳(天神尾根ルート)
赤城山(駒ヶ岳〜黒檜山ルート)
榛名山(相馬山、掃部ヶ岳)
表妙義(中間道コース)
荒船山
など登頂経験あり。
年に5、6回ハイキング(登山)を3〜4年していた。
裏妙義のような本格的な岩山登山への挑戦は今回が初めて。


普段の運動
月に1〜2回社会人バスケットボールチームで活動を続けている。
通勤は片道3km程度を自転車通勤。

取材のため、妙義山に登ることに決まってから約1ヶ月。

裏妙義に登るということは事前に聞いていましたが、どこのルートを登るのかは知らされていませんでした。
登山経験が少々あり、群馬県内に住んでいることもあって、妙義山に関する知識があるからこそ、

「籠沢コース?巡視道?どこまでいくのか…」
そんな不安を感じながら持ち物や服装などの準備を進めていました。

【持ち物】
リュック/カップラーメン/お湯/飲み物/スマートフォン/ヘッドランプ/ゴム手袋/手拭い/行動食(チョコレートや羊羹など糖分の多いもの)/ヘルメット・ハーネス(今回は山岳会の方がご用意してくださいました)


【服装】
アンダーアーマー長袖上下/ドライTシャツ/ズボン/登山靴(最低でもトレッキングシューズ)/ナイロンジャケット/ネックウォーマー

当日 朝8時30分
旧国民宿舎に集合です。

今回の裏妙義の登山はここから始まりました。

緊張の中で、地元山岳会の方を待ちます。

山岳会の方3名が到着し、説明を聞きました。

目的は【丁須の頭】

聞いたことも遠くから見たこともある有名なスポットです。

遠くから見るとハンマーのような形の岩で、車で山下を通るたびに見えていた場所。
「あそこに登る人がいるのか…」と普段から思っていたところに登ることとなりました。

まずは裏妙義の映像をご覧ください!!

山岳会の方にご用意いただいた、「ヘルメット」と「ハーネス」を身につけます。

ハーネスをつけるのも人生初。かなり緊張していました。

ハーネス・ヘルメットの付け方、登山靴の紐の締め方、裏妙義に登る為の注意点等を教わります。

【注意点】
・必ずハーネス、ヘルメット、ロープなどの安全確保のための装備を用意する
・登山カードを必ず提出する(登山口の登山ポストか所轄の警察署へ提出するのが一般的です)
・ヘッドランプ(日帰り登山でも、沢筋や谷間では想像以上に暗くなるのが早いため)


【登山カード(登山計画書)】
その日の登山計画を記載する「登山をする時はどこの山でも必須の用紙」のこと。
登山をより安全に、万が一があった場合に救助隊の方が見つけやすいようにするために必ず記入・提出する。

今回の登山では、危険個所をロープで確保し通過するため、あとは体力とメンタルがあれば登れる!とのことでした。

いざ登山開始です

まずは、旧国民宿舎の脇を出て、コンクリートの道を歩きます。

しばらく歩いたところで「丁須の頭」の看板に沿って山道に入っていきます。

途中休憩を取りながら登っていきます。

少し登っていくと注意看板が出てきます。
今回登る山がどれだけ危険なのか再確認し、気を引き締めて登っていきます。

途中、杉林を歩いていると前を歩く山岳会の方が足元の枝をどかしながら登っていることに気が付きました。
理由を尋ねると、「長い枝を踏むと、反動で枝の先が跳ね上がって顔に当たり、危険なことがあるんです。なので、自分が歩く時には他の人が踏みにくい場所によけています。」とのことでした。

ただ歩くだけでなく安全に登山をするうえでは周囲に気を配りながら歩くことが大事なのだと教えていただきました。

さらに登っていくと、所々に看板と反射板が設置されていることに気が付きました。
看板に貼ってある反射板は山岳会の方が中心になり設置しているものだそうです。

登山ルートには看板以外にも、岩にペンキで矢印や〇の印が書かれており、遭難防止の対策がされていました。
確かに、遠目で見てもわかりやすく、安全に登山をするための配慮が行き届いていると感じました。

実際に私が先を歩いた時はどちらを行けばよいかわからなくなったところもありましたが、登山初心者にはとても助かる道しるべとなっていました。

話を聞きながら進んでいくと

遂に、
裏妙義らしい岩場が出てきました!

岩場を登る際の注意点
実演して教えていただきました。

【岩場を登る際の注意点】
・同じ鎖に二人掴まらない
・鎖を腕の力だけで登らない
・常に三点支持を意識して登る


【三点支持とは】
両手両足のうち3本が常に岩に付いている状態のこと。
つまり、動く時には片手か片足の1点のみを動かし、他3点で身体を支えて移動する方法。

慣れている方がやっている姿は簡単そうに見えるのですが、いざやってみると
恐怖からか、なかなかうまくできません。

それでもしっかり手足を意識しながら登っていきます。

本格的に岩場が始まり、

いよいよハーネスの出番です。

高度のある岩は山岳会の方が先行してロープで安全を確保してくださった上で、鎖とロープで登っていきました。
ロープがあるだけで安心感が違います。

標高が高くなり、本日の目当てである丁須の頭も近くなってきたところに、昔使われていた炭焼き場の跡がありました。

昔の人はここで炭を作り、下の町まで運んでいたとのことなのですが
正直、今まで通ってきた道を思い返すと驚きでした。
どれだけの量の炭を背負って降りたのかはわかりませんが、あの岩場を通って下まで行き、
また登り、それを繰り返すというのはどれだけ骨が折れることか…。

炭焼き場跡で休憩したあとは、

最後の岩場を登っていきます!

今回のルートで一番長い岩場

ここを抜けると、目標の「丁須の頭」が見えてきました。

丁須の頭の基部からの眺めも最高でした。
しかし、ここだけで終わるわけにはいきません。

ただ、本当に危険な場所であるため、山岳会の方から「登りますか?」と尋ねられました。
ここまで来たからには登ります!」と答えたのですが、内心は登れるのか不安でいっぱいでした。

初心者ではまず登れない岩であるため、山岳会の方にロープで安全確保をしていただいてから、万全の体制でトライします。

ロープで安全確保がされているとしても、登るのは自力です。

足をかける場所を模索しながら登り、オーバーハングしている場所は腕の力で登っていきます。

この間はさすがに写真を撮る余裕がありませんでした。

12時20分
頂上にいる山岳会の方の手を借り、
体を引き上げ…

登頂です!

達成感とともに、高さと恐怖感が伝わるでしょうか

鎖の支点でハーネスを確保しているとはいえ、畳2畳分ほどのスペースに立つことがこんなにも怖いものかと思いました。


ただ、ここからの景色は本当に素晴らしく、
ぜひ登っていただきこの景色を見てほしいと思いました。

丁須の頭から降り、岩の基部で昼食です。

見晴らしのよい景色を見ながらの昼食は最高でした。

少し雲がありましたが浅間山、表妙義など良く見え、とても気持ちのいい山頂でした。

その後、少し離れたところにある丁須の頭がよく見えるスポットに案内してもらい、
改めて見てみると、

「あそこに登ったのか」と今まで感じたことの無い達成感を感じました。

少し休憩し、下山です。

朝、登りはじめる前に「お昼を食べ、登った達成感から気が緩み、下山が一番危ない事故につながる」とお話を頂いていました。

そのため下山も気を張って下っていたのですが、体力も落ちてきて入るため少しの斜面や段差で足を滑らすこともありました。

この両脇×印の先は崖です。

しかし、一見すると行ける道のような錯覚を起こしてしまうため、常に集中して歩くことが必要なのだと感じました。

下山中も山岳会の方々は、迷いやすい道や、危険な道を見つけると
「どのルートが安全なのか」「他のルートを作ろうか」と話し合いながら下山していました。

こういった日々の登山道の整備があり、私達のような裏妙義初心者から上級者まで安全に登山を楽しむことができるのだと感じ、感謝の気持ちを覚えました。

15時15分
体力が限界に近付いてきたところで無事に下山

本日の登山終了です!

初めは、自分が実際に岩山を登れるのか恐怖や不安がありました。

今回一緒に登っていただいた金岡さん、松本さん、岩井さんにご助力いただき、
無事に登り切り、下山が出来ました。

裏妙義は地元山岳会の方たちによって整備されており、危ないだけではなく楽しく登山できる山でした。

皆さんもぜひ磯部へ遊びに来た際は

裏妙義登山もプランに入れていただき、地元山岳会の皆さんの裏妙義愛に触れてみてください!

また、裏妙義の沢筋等の登山道にはヤマビルが生息しています。
活動時期はその年の気候にもよりますが、5月から10月です。とくに梅雨から夏の高温多湿の時期は活発的に活動しています。
登山の際には、肌の露出を避け、足元などに市販のヒル専用の忌避スプレーやディート30%を含む虫除けの散布が有効です。

なお、今回の裏妙義 丁須の頭を含むルートは、『群馬県 山のグレーディング』
D 難度に設定されています。
裏妙義山系では、滑落・道迷い等の遭難も発生しています。
自分の力量・装備・余裕を持った山行計画で、登山を安全にお楽しみください。
【群馬県 山のグレーディング】
https://www.pref.gunma.jp/01/g3500213.html

余談
実は、丁須の頭を降りる時、限界が来ていた足がつってしまいました。
ロープで確保していただいていたため事なきを得ましたが、もしそうでなかったらと思うとぞっとします。
体力をよく考え、無理はしないこと」を身をもって体感し、山のプロの方の凄さを実感した登山でした。

この記事を書いた人

株式会社Sunset films

株式会社Sunset films/Black Tree innovation
群馬県にて主に映像制作、HP制作、ブランディング・マーケティング事業などを行なっている。